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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ことのほかライスたべすぎ。「なななべ」さんです。
 
なななべ 七鍋

安芸の国は佐伯郡、宮山のふもとに出たというもので、
そのあたりで畠仕事をしていた三郎右衛門という男が
さて、腹も空いたからメシにするか、と野良でごはんを炊いて、
さぁ、いただきますかとフタを開けてみると中身はカラッポ。

……どこにおこめは行っちまったんだろう、と考えつつも
腹が減っては知能も湧かぬ。もう一度、ごはん炊きにかかります。

すると、これもフタを開けてみると、カラッポ。
狐やら狸やらが化かしてるのかなぁーーと思いながら
もう一度、おみずとおこめを入れて炊けども、またカラッポ。

計・七回、ごはんが消滅したところで三郎右衛門は
「これは確実におかしい、なんかこわい!」と思い(少し鈍行な気もする)
その場をバーーーーッと逃げ出したところ、後ろからガサガサッと
おそろしい姿のものが追いかけてきたので、さらにびっくり。

川向こうまで死ぬほどの速さで駆けて行って、
なんとかおばけから逃げられたのですが
「炊きも炊いたり喰いも喰ったり、七鍋ながら口惜しいぞ」という
おばけの声が耳に残って、ぽっくり死んでしまいましたトサ。ぶるぶる
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
石と言えば石です。ザ・とびいし。「じぞうくび」さんです。
 
じぞうくび 地蔵首

昨日が豆狸の鳴らす音でしたから
本日は狸や狐が見せるもので参りやしょ。

きつねやたぬきなどの化け種目のひとつとも言われてるもので
夜道などを歩いていると、路傍の石、ならぬ、路傍の石の地蔵さんの
くびがひょーろひゅろと飛びあがって、ひとをびっくりさせましたトサ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
昨日が焼鳥なら続くはおサケ。「まめだののみきり」さんです。
 
まめだののみきり 豆狸の呑切

「なだのきいっぽん」と、古くから名前の轟雷している
摂津の国は灘の酒蔵につたわっている「まめだ」のいたずらの一ッで、
真夜中に蔵のなかからザザーーーーーとかキュッカーーーーンとか
酒樽を開け閉めする音とか、酒をダボダボ出す音をひびかせて
職人たちをびっくり跳ね起きさせて、たのしんでた、というもの。

毎度おなじみの「音だけ」で、いざその場所にいってみると
その形跡のひとっかけらも存在してない、というご手法ですが
この手法、いつの時代になっても通用しそうですよね。色んな形で。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
地味に歴史のある妖怪料理のひとつ、「てんぐのやきとり」さんです。
 
てんぐのやきとり 天狗の焼鳥

昨日は、ツメだったのですが、本日は中身です。
なまえのごとく、天狗の羽根をモスモスむしって、
お肉をこんがりんこと炭火で焼き上げたものです。以上。

「天狗」さんたちは鳥羽絵の頃から
羽があるから、たまごから生まれるンでしょ、とか言われたり
(鳥羽絵では、木からデカイたまごが落ちてきたりする様子で描かれる)
いろいろと鳥あつかいされる事が多いのですが
たまごが出て来るなら、やっぱり、こういうものも
江戸時代から想像されておりましたようで
おんなじような事を散々やってる新・妖怪党としましては
なかなかステキステキ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
セキこみ三発、「てんぐのつめ」さんです。
 
てんぐのつめ 天狗爪

佐渡の小木の某家に伝わってた「天狗」のツメだ
といわれているナゾのかたい物体で、
家のひとなどが風邪をひいたりした時は
これをちょぴっと粉にして飲んでたりしたソウナ。

天狗のツメだと言われてるものは
ほかの各地にも残っていて、大体がほかの動物のキバやツメや
魚のホネとからしいのですが、実際のトコは何の一部なんなんでしょネ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
キラッキラッビールスー、「ちびょうきょう」さんです。

 
ちびょうきょう 知病鏡

漢字で書けば「知病鏡」で、見て字のごとく、
妲妃の正体を暴いた「照魔鏡」みたいに、この鏡でピカッと照らせば
からだの中に巣食っている病気たちの正体をあばいて
どのあたりにそれが停留しているのかを照らしてくれたんだトカ。

むかしむかしのCTスキャンみたいなものですが
あくまでも、場所を照らしてくれるだけで
病鬼や病虫に排出命令をくだしてくれるわけではないので
病巣を見つけたあとにどう処置するのかは、
いまもむかしも名医と妙薬しだいでごんす。
五月のしょっぱなの「和漢百魅缶」へのアップは、
のどがかわくたんびに曲きかなきゃなんない、「がくおんせん」さんです。
 
がくおんせん 楽音泉 

『玄山記』という本にしるされてたりする大陸の
強村というところ(?)にあるという小さな泉
(と、いうより、ちょっとした湧き水、みたいなもの)で、

ふしぎなことにひとがそこから湧いてる
冷たくておいしい水をくもうとすると、
「浪淘沙」(ろうとうしゃ)という音楽が
決まって泉から聴こえて来るんだトカ。

と、いうわけでついた呼び名が「楽音泉」

なんだか聴いてると、どんどん駅の発着音みたいなイメージなのですが
なんで一曲しかレパートリーが無かったのかというほうがナゾな気もする(笑)
こんげつもあっという間の30日、「和漢百魅缶」こんげつの千穐楽は、
まぁ、おなまえも長くてらっしゃるんですね。「にじょうもあらんだいのおとこ」さんです。
 
にじょうもあらんだいのおとこ 二丈も有らん大の男

『新御伽婢子』(1683)にのってる一話に出て来るもので、

この頃のこの手のおはなしの本にちょこっと載ってる
「わしは強いのじゃガッハッハ」みたいな豪傑や智僧が
突然、妖怪の襲来を受けたり、妖怪の国に連れて行かれてして
肝をかなりの冷たさに冷やされてきたり、
かなり精神的なお灸をすえられまくって、死ぬ。という

なかなかデンジャラスだけど、
実は単なる教訓もの、というお話の一種です。


山城の国にいたある鉢叩(はちたたき)は

「我はひとが怖がるような場所にいったってなーんも怖くないだす、
 これも生まれついて強いのと、日頃からの信心のおかげだす、フッハッハ」

と、日頃から豪語してるような考えの持ち主でした。

しかし、ある日、いつものように葬場から帰って来るその道で
身のたけがものすごくでかくて眼がギラギラで口がグワーッとメガサイズな
ばけものにイザ、ばっきゅーーーーーーーーーんと遭遇してみたら、
気を失うわ、寝込んで死ぬわで散々でしたよ。というのがおはなしの筋。


ほかの似たおはなし同様、妖怪がどうだこうだというより、
「ひとが怖がるような場所にいったってなーんも怖くないだす」と言って
ほかのひとをこばかにしていたりした本人の態度がイケナイノデスヨ
と、教えるためのお話ですわね。キヲツケナクチャネ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
いちばん髪の毛が派手な色の船鬼。「うみしょうじょう」さんです。
 
うみしょうじょう 海猩々

昨日が甕(かめ)でしたので、そりにゆかりのありそーな連想、というわけで
酒甕からゴキュゴキュお酒を飲む踊りでも知られる「猩々」(しょうじょう)さんの
変型亜種のひとつ、周防の国の「海猩々」(うみしょうじょう)さんです。

安芸灘のあたりを船でぷかぷかざぶーと進んで来ると
海の底から「樽(たる)をくれぇぇぇぇぇぇ」という声がしてくる時があったそうで
これが、この「海猩々」の声。

樽をチャポンと海に投げてやると、その樽に海水を入れて
「船幽霊」(船幽霊)みたいに船に潮水をだぶだぶ入れてきちゃうのでイカン。

かと言って、樽をあげずに声を放って置くと
これまた船の操業のさまたげとなるようなたたりをなすのでイカン。

そこでとられていたひとつの妙策が
底をぬいてある樽をチャポンと渡してやる、というもので
これをすると、穴のあいた柄杓(ひしゃく)を渡された「船幽霊」たちみたいに
ションボリ消えうせてしまうんだソウナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップ、にょっきり、は、
地口あんどんによく居るおかた。「かめにみみ」さんです。
 
かめにみみ 甕に耳

現在でも、まぁメジャーに耳にすることば「壁に耳あり」を
「甕に耳あり」と地口してこの世に造化されるに至ったもので、
地口あんどんなどに描かれるときの絵なども
ことばのひびきのそのままに、耳がニョッキリ。

でも、両耳が生えてるのはあんまり見かけたことは無いので
片耳デザインのがわを採用してチャッと描き描き。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
売茶翁ならぬ「ばいけつろう」さんです。
 
ばいけつろう 売蕨姥

漢字で書けば「売蕨姥」で、わらびをいっぱい背負った
身なりはボロボロ、足つきゃヨボクタな婆様です。

これを目にした王鯨(おうげい)という男は
誰もわらびを買ってない感じであったし、
婆様も飲まず食わずな見た目であったので、
持っていた銭をドンと出してわらびを買占め。

「ありがとうございます」と言って去っていく婆様のうしろ姿を見送りながら
「……こんなにわらび買っちゃったけど、どうしよう」と考えた王鯨、
とりあえず、生のままでもいけないからと、台所でぜんぶゆでさせたら
わらびがことごとく黄金に変わったのでビックリ。

「あの婆様はなんだかわからないが人間じゃなかったんだなァ」と
王鯨は思ったんだトサ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
おきゅうをすえられるより熱かろよ。「はちのじだぬき」さんです。
 
はちのじだぬき 八の字狸

周防の国の南にひろがる瀬戸内海に浮かぶ大島にいる化けたぬきたちで、
背中に八の字があることから、こういう呼び名があるんだトサ。

むかし、この大島には河野というお殿様がいて、
そのお殿様の奥方があるときふたりに……
と、いう四国にも伝わっている
「どうして四国に狐はいないの?なぜなぜなーに?」な話と
ほぼおんなじ筋立ての話がこちらにもあって、
まず、むかし、この島からは狐たちが巣を捨てて退去したんだってさ、

化け術などで猛威をふるうけものの中の有力陣営、狐たちがいないとなれば、
(山陰、山陽あたりは、狐たちの勢力が足利時代以後めだつ地域のひとつ)
ズンズン大きな顔を出来るのが狸さんたち。

と、いうことでいろいろと小さなことから大きなものまで
いたずらをしていたのですが、お寺の和尚さんにそれを見破られて
焼けた火箸で背中にジュー。

八の字を書かれるお仕置きを受けたので、
以後、この島の狸たちは八の字を背なに持つようになったんじゃトサー。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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