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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
樹木監視官。「はしくらやまのてんぐ」さんです。
 
はしくらやまのてんぐ 箸蔵山の天狗 

阿波の国の三好郡にどこんと立ってる
箸蔵山にすんでる天狗さんたちで、
讃岐の国のこんぴらさんで使われたお箸が
ぴゅーと飛んできて木になると言われている
この箸蔵山の樹木を、にんげんが伐ったりするとドガキュンと怒って
風をまきおこして山鳴りを響かせたり、いろいろと祟りをなしたので
この箸蔵山の樹木は大切に守られたんだとさ。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは
お顔がおっきいおっきい。「あめのこぼうず」さんです。
 
あめのこぼうず 雨小坊主

むかし、雨のしょぼ降る京都の万里小路を新兵衛というひとが
ちょうちん片手に歩いていると、前を子供が歩いておりました。

近寄ってみると、雨具も何もつけてないが着物はいい生地のものだし
家なき子といった様子でもないので「家まで送ろうか」などと新兵衛が
話しかけてみたのですが、ガキのほうは「ううん」と頭を縦にもふらずに
そのまま雨の降ってる中をびしょぬれのままに歩いていくので
トコトコとうしろをついていってみる心配新兵衛さん。

ある程度を距離をあるいた頃、子供がいきなり振り返ったかと思うと
その顔は、目が三ッ、鼻やら耳やらは消えて、ツルットポーンとした巨顔。
それがニヤッと笑いかけてきたので新兵衛はびっくりぎょうてん。
そのまま水たまりの中に倒れてしまいました。

ハッと気がつくとそこは町中の道でもなんでもなく、
死体などを運んでいく野辺送りの原っぱだったので
たちまち肝が冷え上がり、新兵衛さんはひと月以上も寝込んでしまいましたトサ。
――という『新御伽婢子』にあるおはなしに出て来る妖怪です。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ひひひひひひひひひひ。「ぜんれい」さんです。
 
ぜんれい 髯麗

『神異経』とかに載せられている大きな怪獣のひとつで、
ひとにあったときの「狒々」みたいに
笑うような仕草をするのですが、その唇が
上は顔、下は胸をおおうほどめくれる、というから
ゲラダヒヒとかもびつくりなおかたであります。ひひひひ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
地面から生じちゃうもの、「ちしょうめん」さんです。
 
ちしょうめん 地生麪

大陸につたわるいろんな怪異中の大きなまとまりのひとつに
地から出て来る、生じる、というものがありますが
こちらは、漢字で書けば「地生麪」、地面の中から
むぎの粉がフワフワフラワー、と生じるというふしぎ。

粉が出て来るなんて、なんてベンリじゃありませんの、と思いきや
『地鏡』などに載って居る判断によると、これは、
人々のあいだに飢饉が起こる前触れだと言われていて
ちょっとした大迷惑もの。コナっちゃう。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ごまあぶらマニア。「はつちょうちゅう」さんです。
 
はつちょうちゅう 髪徴虫

ひとの体のなかに入って体調をガタつかせる病虫のひとつで、
これが住みつくと、はげしい腰痛などが起こると言われていました。

胡麻油が大好物なようで、むかしの医書や本草書には、のきなみ、
胡麻油を患者さんの近くでプンプンさせておいて、
鼻や口から「これはたまらない!ごまあぶら食べたい!!」と出て来た
この虫を、とっつかまえて、退治しましょう、といった
処方が書かれていたりします。

ただし、白馬の尿をのめばこれが消える、という処方もあったようですが
こっちはあんまり…やりたくないですよネ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いずれが兄か弟か。「きょうだいわりいし」さんです。

 
きょうだいわりいし 兄弟割石

豊後の国は国東郡、夷谷(えびすだに)にある大きな石で
おんなじような切り込みの入った石が西と東にあります。

むかし、この石の近くにいった人間が
どこかに消えてしまうという事があったので
ひとびとは「この石に食われたんじゃないか」とヒソヒソ。

かたほうの石が山鳥を食べると、
かたほうの石が人間を食べるのだ、などという説まで
あったそうですが、実際、この石が
そんなに蛋白質と脂質を欲して行動していたかどうかは
語らぬ石のさびしさや、人の知られぬ境地なり。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
おてんきよほうのたびに大咆哮。「せきげい」さんです。
 
せきげい 石鯨

漢の武帝が軍艦の訓練をさせるためにこしらえさせた
昆明池(こんめいち)という大きなみずたまりのわきに
ドシッと置かれていたという大きな石の彫刻。

ふしぎなことに、雷雨がくるぞ、というのを
グラグラ揺り動いたり、ガギャーと吼えて知らせたりした
と、言われていていたんだソウナ。

ただし、これが漢詩などに詠まれたりしている
唐の時代(日本だと平安京のころ)にはすでに
過去、あったそうな、という存在になっていて
その大全貌はあんまりわかってません。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
コレがずれたら運のつき。「げだ」さんです。
 
げだ 外道 

なんだかよくないことが起こったり、
運の悪い展開が待ち受けてたりする時に
「けちがついた」と言ったりするような感じで
「げだがついた」などと言われるもので、

「げだ」は「げど」とかとおんなじで「外道」から来てるんだそうな
ということを拝聴したので用字もそんな感じ。
つまり「げど」が出て来るとカブるよ、という罠。
通算2555体目、本日の「和漢百魅缶」へアップ致しますのは、
おびょーきの種。「しょうかんのかみ」さまです。
 
しょうかんのかみ 傷寒神 

足利時代はまだやたらとお経にある天竺の神さまやら
大陸に伝わってる神様なんぞがちらちら輸入されて
そのまんまな唐名が日本の神仏組合に加わっておりましたが

江戸時代あたりになると、そんな智識からの導入ではなくて
チョイとむかしからいる「やくびょうがみ」みたいな名前に基づいて

「びんぼうがみ」だとか「ほうそうがみ」だとか
「はしかがみ」だとか「べんじょがみ」だとか
「おくびょうがみ」だとか「うしろがみ」だとか
果ては「しょうがみ」だの「べろべろのかみ」だの

単純に「……のかみ」とか「……がみ」とかいうのが
いろいろと出て来たもので、こちらの「しょうかんのかみ」も

むかしっからお医者に「ハハァ、これは傷寒じゃな」などと言われて
耳になれていた病気の総称のひとつ「傷寒」(しょうかん)を
くっつけてつくられた「病神」のおひとつ。

『世間化物気質』(1771)とかにも出て来ますが
活躍をしてるような本は大して見当たりませぬ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
はんそうかい」さんと「ちんかい」さんです。
 
ちんかい 枕怪  はんそうかい 飯臿怪

「はんそうかい」は「飯臿怪」で、めしじゃくしのおばけ。おしゃもじデスナ。
「ちんかい」は「枕怪」で、あたまの置き場所・まくらのおばけ。

ともに、『捜神記』にのっかってる道具が化けた妖怪で、
おんなじ家で怪異を起こしておりましたが、

(いきなり大きな拍手の音をさせてきたり、ゴニョゴニョ話し声を響かせたり)

ある日、おたがいしゃべっているところを家の人にきかれて、
それが怪異の正体発見のてがかり。

「これが元凶か」と、焼却処分されてしまいました。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
北山経の中からモーモーモーと引き出して、「りょうこ」さんです。
 
りょうこ 領胡

『山海経』などにしるされてる牛さんで、
首のあたりにおおきなこぶのようなものがあるのが特徴。

『元和郡県志』とかには、これとおんなじように牛が
海康県に多く棲息していて、一日に三百里はテクテクすすむよ、
といったことが書かれてます。モー。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ふるふるとビマス。「こうひそ」さんです。
 
こうひそ 紅飛鼠

交趾とか、南の地にいるという飛鼠(ひそ)の一種で、
葉っぱのあいだなどに入っているときは必ずニ匹そろって入ってる
というところから、ほれぐすりになるヨ、という俗信がございましたトサ。

飛鼠は文章によって「むささび」だったり「こうもり」だったりで
ピューっと飛ぶ哺乳類だったらどっちでもさしちゃう言葉なのですが
『太平広記』でむささびの近くにいたのでそんな感じの形に。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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