氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
花の三月、花粉の三月、花の舞台の「和漢百魅缶」ふたつめのアップは
おそなえものをおくれよナ。「とうごろう」さんです。
陸前の国は登米郡の大関川につたわるもので、一名、東五郎明神。
釣りざおや網をつかって川でおさかなを捕るときには、
いちばんはじめにかかった魚をいっぴき、こちらさんにおささげ申さぬと
その日の漁の成果が、いつのまにやら影もかたちも消え失せてしまう
と、言われてつづけておりましたそうでござります。
お初のものをささげたてまつる、ということは
むかしから、自然のめぐみに対して
何かしら人間が敬意を示すために行なっていた動作なので
この、はじめに捕れた魚をささげないとイケナイヨというのも
やっぱり、川の恵みに対する敬まいのあらわれ、ナノデショウナ。
ぴちぴち。
おそなえものをおくれよナ。「とうごろう」さんです。

陸前の国は登米郡の大関川につたわるもので、一名、東五郎明神。
釣りざおや網をつかって川でおさかなを捕るときには、
いちばんはじめにかかった魚をいっぴき、こちらさんにおささげ申さぬと
その日の漁の成果が、いつのまにやら影もかたちも消え失せてしまう
と、言われてつづけておりましたそうでござります。
お初のものをささげたてまつる、ということは
むかしから、自然のめぐみに対して
何かしら人間が敬意を示すために行なっていた動作なので
この、はじめに捕れた魚をささげないとイケナイヨというのも
やっぱり、川の恵みに対する敬まいのあらわれ、ナノデショウナ。
ぴちぴち。
花の三月、花粉の三月、花の舞台の「和漢百魅缶」はじまりはじまりのアップは
音もれみたいなおかた。「さなだやまのようかい」さんです。
むかし摂津の国の真田山で、山寺(やまでら)というお武家が遭遇したという妖怪で
歩いているうしろから、「ゴニヨゴニョゴニョ…」とひとが話してるような声を
間欠ありつつも、えんえんと、たててきた、というしろもの。
「この声はなんだ……!!」 と、イライラしてきた山寺うじ、
道をうしろに振り返って見てもそれまで誰もいなかったのに
フト見ると、町人風のオトコと、虚無僧が後ろに。
だんだん近づいてくるそのふたりづれをチラチラと見ていると
どうもなんだか虚無僧の顔がおかしい。
(あの独特のかぶりものをスッポリかぶってなかったので、見えた)
「いままでの変な声をたてていた妖怪にちがいない、よし、真後ろに来たら斬ろう!」
と、丹田にパワーをこめて、神経はピリっパリ。
いま真後ろに来たであろう! という瞬間に、くるっと振り返ると
「ギャー!!」
おどろいていたのは、町人ひとりだけで、虚無僧は影も形もなかったトサ。
以上、『北窓瑣談』に南谿センセイが書いてる文をモトに
おちゃらかしてみた次第ですが、この文には、このあやしい虚無僧の顔が
「ちりがみにてつくりたるかおのごとし」
という具合だったので「あやしい!!妖怪だ!!」と確定したと出ていて、
なんだか、その、ルイス・キャロルの文章でも読んでるみたいな
ふしぎな感覚に満ちあふれる気がしたりもする一文であります。ハイ。
「ちりがみにてつくりたるかおのごとし」って書いてあるから
ホントに原画はちりがみで作って、スキャニングしています。
押し絵みたいになってるのデス。もっこり。
音もれみたいなおかた。「さなだやまのようかい」さんです。

むかし摂津の国の真田山で、山寺(やまでら)というお武家が遭遇したという妖怪で
歩いているうしろから、「ゴニヨゴニョゴニョ…」とひとが話してるような声を
間欠ありつつも、えんえんと、たててきた、というしろもの。
「この声はなんだ……!!」 と、イライラしてきた山寺うじ、
道をうしろに振り返って見てもそれまで誰もいなかったのに
フト見ると、町人風のオトコと、虚無僧が後ろに。
だんだん近づいてくるそのふたりづれをチラチラと見ていると
どうもなんだか虚無僧の顔がおかしい。
(あの独特のかぶりものをスッポリかぶってなかったので、見えた)
「いままでの変な声をたてていた妖怪にちがいない、よし、真後ろに来たら斬ろう!」
と、丹田にパワーをこめて、神経はピリっパリ。
いま真後ろに来たであろう! という瞬間に、くるっと振り返ると
「ギャー!!」
おどろいていたのは、町人ひとりだけで、虚無僧は影も形もなかったトサ。
以上、『北窓瑣談』に南谿センセイが書いてる文をモトに
おちゃらかしてみた次第ですが、この文には、このあやしい虚無僧の顔が
「ちりがみにてつくりたるかおのごとし」
という具合だったので「あやしい!!妖怪だ!!」と確定したと出ていて、
なんだか、その、ルイス・キャロルの文章でも読んでるみたいな
ふしぎな感覚に満ちあふれる気がしたりもする一文であります。ハイ。
「ちりがみにてつくりたるかおのごとし」って書いてあるから
ホントに原画はちりがみで作って、スキャニングしています。
押し絵みたいになってるのデス。もっこり。
さて今月の「和漢百魅缶」千穐楽のアップどすん! は、
時代とともに目の玉の数が進化してます。「しゅべつぎょ」さんです。

『山海経』に載ってるへんなおさかな(ホントは爬虫類?無脊椎動物?)で
足がまず6つ。肺臓みたいなすがたかたちをしてるんだトサ。
目の玉は、諸本諸書によってバラバラと数が違って、
絵にあるごとく、2つ、4つ、6つが存在するのですが
(2は特に数を書いてない『山海経』や『初学記』のスタンス、
4は『南越志』のなかにあるとゆー解説文、6は『禽虫典』の註)
一部では、クラゲだかウミウシみたいなふにょふにょな形に
目の玉がふたつだけついてる、みたいな絵も伝わっていて、
『山海経』の中身を絵にした本やら絵巻やらの
「フタシカサ」を露呈しがちな一体であります。
(足、6本、ってのはどの絵でも共通してるのが面白い点。)
時代とともに目の玉の数が進化してます。「しゅべつぎょ」さんです。

『山海経』に載ってるへんなおさかな(ホントは爬虫類?無脊椎動物?)で
足がまず6つ。肺臓みたいなすがたかたちをしてるんだトサ。
目の玉は、諸本諸書によってバラバラと数が違って、
絵にあるごとく、2つ、4つ、6つが存在するのですが
(2は特に数を書いてない『山海経』や『初学記』のスタンス、
4は『南越志』のなかにあるとゆー解説文、6は『禽虫典』の註)
一部では、クラゲだかウミウシみたいなふにょふにょな形に
目の玉がふたつだけついてる、みたいな絵も伝わっていて、
『山海経』の中身を絵にした本やら絵巻やらの
「フタシカサ」を露呈しがちな一体であります。
(足、6本、ってのはどの絵でも共通してるのが面白い点。)
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
けっきょく正体はみしらぬコ、「みしまのきぎょ」さんです。
伊豆のお国のいちのみや、三島大社の境内にあった池から
明治40年(1907)にびょっこりんこと見つかったという、みょーでふしぎなおさかなさん。
おさかなさんとはいうものの、足が四ッはえていて、しっぽは二ッ、
眼の玉がピカピカとひかるおかんばせは爬虫類のような感じだったといいますから
もしかしたら、トカゲやらイモリやらの仲間だったかも知れませんが
寸法は一尺ぐらいあったといいますから割と大したもの、
三島大社のおまつりに、これが見世物として出たらしいですが
その後、この奇魚のいかなりましたかはサテ、ハテ、
けっきょく正体はみしらぬコ、「みしまのきぎょ」さんです。

伊豆のお国のいちのみや、三島大社の境内にあった池から
明治40年(1907)にびょっこりんこと見つかったという、みょーでふしぎなおさかなさん。
おさかなさんとはいうものの、足が四ッはえていて、しっぽは二ッ、
眼の玉がピカピカとひかるおかんばせは爬虫類のような感じだったといいますから
もしかしたら、トカゲやらイモリやらの仲間だったかも知れませんが
寸法は一尺ぐらいあったといいますから割と大したもの、
三島大社のおまつりに、これが見世物として出たらしいですが
その後、この奇魚のいかなりましたかはサテ、ハテ、
本日の「和漢百魅缶」へのアップは!
村のやっかいもの。「はたがかまのばけねこ」さんです。

丹波の国の吉富村に
朝倉谷という谷がありました。(ありました)
そこに大きな岩場があって
畑が釜といいました。(いいました)
おめめとおっぽがおなじかず
イコール化け猫すんでいて。(すんでいて)
村里おりてはガオガオ雄叫び
ガブガブ咬んでおりました。(おりました)
それをみかねた時はいま
桔梗の紋の明智家の。(みつひでのヤローか)
家臣で伊藤基(いとうはじむ)というが
ズバッと退治てめでたしよ。(ということでわかりましたネ)
村のやっかいもの。「はたがかまのばけねこ」さんです。

丹波の国の吉富村に
朝倉谷という谷がありました。(ありました)
そこに大きな岩場があって
畑が釜といいました。(いいました)
おめめとおっぽがおなじかず
イコール化け猫すんでいて。(すんでいて)
村里おりてはガオガオ雄叫び
ガブガブ咬んでおりました。(おりました)
それをみかねた時はいま
桔梗の紋の明智家の。(みつひでのヤローか)
家臣で伊藤基(いとうはじむ)というが
ズバッと退治てめでたしよ。(ということでわかりましたネ)
じゃゃゃゃゃゃゃん。2500項目の
「和漢百魅缶」どどんとアップいたしますのは、
神屋蓬洲シショーが作り出した天下随一のインパクト、「のかぜ」さんです。

神屋蓬洲(春川五七)シショーが書いた(挿し絵とかも本人がひとりで描いてる)
『天縁奇遇』という読本に出てくる登場人物のひとりで、
横島軍藤六(よこしまぐんとうろく)というこれまたスゴイ名前の夫とともに
強盗のようなことを常に行なって、大量の人間をあやめていましたが
その恨み+軍藤六に斬り殺された赤松春時の妻・咲花の亡霊の怨念で
体がどんどん腐っていく病に。
そして、咲花が殺されるときに身体を九十九回、斬られたのと付随するように
「野風」の身体には口がぽっかり九十九個生えてきてしまいます。
この作品は嘉吉ころ(足利幕府のまんなかごろ)の赤松家を材に採ったもので、
この軍藤太たちの話の舞台は讃州志度。
志度寺でこの野風が「九十九口の女」として見世物にかけられていたところに、
軍藤六によって親を殺された赤松米吉が観音のみちびきによって出遭い
かたきうちを果たすのが、まずこの物語のみどころのひとつ。
この米吉という名前は、「米」を「八十八」、「吉」を「十一」と「口」と分解できて
「野風」は九十九口が生じたものの、もともと人間だったときの口が
ひとつあるので実際は「百口」、この米吉こそほんとの「九十九の口」という
数字あそびみたいな伏線もあって、実はいろいろと面白い物語なのです。これ。
「和漢百魅缶」どどんとアップいたしますのは、
神屋蓬洲シショーが作り出した天下随一のインパクト、「のかぜ」さんです。

神屋蓬洲(春川五七)シショーが書いた(挿し絵とかも本人がひとりで描いてる)
『天縁奇遇』という読本に出てくる登場人物のひとりで、
横島軍藤六(よこしまぐんとうろく)というこれまたスゴイ名前の夫とともに
強盗のようなことを常に行なって、大量の人間をあやめていましたが
その恨み+軍藤六に斬り殺された赤松春時の妻・咲花の亡霊の怨念で
体がどんどん腐っていく病に。
そして、咲花が殺されるときに身体を九十九回、斬られたのと付随するように
「野風」の身体には口がぽっかり九十九個生えてきてしまいます。
この作品は嘉吉ころ(足利幕府のまんなかごろ)の赤松家を材に採ったもので、
この軍藤太たちの話の舞台は讃州志度。
志度寺でこの野風が「九十九口の女」として見世物にかけられていたところに、
軍藤六によって親を殺された赤松米吉が観音のみちびきによって出遭い
かたきうちを果たすのが、まずこの物語のみどころのひとつ。
この米吉という名前は、「米」を「八十八」、「吉」を「十一」と「口」と分解できて
「野風」は九十九口が生じたものの、もともと人間だったときの口が
ひとつあるので実際は「百口」、この米吉こそほんとの「九十九の口」という
数字あそびみたいな伏線もあって、実はいろいろと面白い物語なのです。これ。
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■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
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■職業
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まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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