忍者ブログ
氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
  1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  
[422]  [423]  [424]  [425]  [426]  [427]  [428]  [429]  [430]  [431]  [432
桃の花咲く上巳の節句の「和漢百魅缶」へアップのおかたさまは
お節句ですので、おごそかに「きんりゅうせき」さんです。
 
きんりゅうせき 金竜石

上巳ですから、巳(みぃ)にかかわるものから何か、ということで
こちらのかみさまを選り抜き致しました。ニョロ。

武蔵の国は橘樹郡、苅宿村の苅宿神社にまつられている
ふしぎなまぁるい石で、こちらの神社のご神体さま。

この村には、むかしむかし平将門がおとずれた、という昔話があるので
この石にも、平将門が関連しているうんぬんの説があるそうですが
いつこのお宮が出来たのかがよく知れてないので、
実際はどうだったのかは、あんまりヨクワカンナイ。
PR
花の三月、花粉の三月、花の舞台の「和漢百魅缶」ふたつめのアップは
おそなえものをおくれよナ。「とうごろう」さんです。
 
とうごろう 東五郎 

陸前の国は登米郡の大関川につたわるもので、一名、東五郎明神。
釣りざおや網をつかって川でおさかなを捕るときには、
いちばんはじめにかかった魚をいっぴき、こちらさんにおささげ申さぬと
その日の漁の成果が、いつのまにやら影もかたちも消え失せてしまう
と、言われてつづけておりましたそうでござります。

お初のものをささげたてまつる、ということは
むかしから、自然のめぐみに対して
何かしら人間が敬意を示すために行なっていた動作なので
この、はじめに捕れた魚をささげないとイケナイヨというのも
やっぱり、川の恵みに対する敬まいのあらわれ、ナノデショウナ。

ぴちぴち。
花の三月、花粉の三月、花の舞台の「和漢百魅缶」はじまりはじまりのアップは
音もれみたいなおかた。「さなだやまのようかい」さんです。
 
さなだやまのようかい 真田山の妖怪 

むかし摂津の国の真田山で、山寺(やまでら)というお武家が遭遇したという妖怪で
歩いているうしろから、「ゴニヨゴニョゴニョ…」とひとが話してるような声を
間欠ありつつも、えんえんと、たててきた、というしろもの。

「この声はなんだ……!!」 と、イライラしてきた山寺うじ、
道をうしろに振り返って見てもそれまで誰もいなかったのに
フト見ると、町人風のオトコと、虚無僧が後ろに。

だんだん近づいてくるそのふたりづれをチラチラと見ていると
どうもなんだか虚無僧の顔がおかしい。
(あの独特のかぶりものをスッポリかぶってなかったので、見えた)

「いままでの変な声をたてていた妖怪にちがいない、よし、真後ろに来たら斬ろう!」
と、丹田にパワーをこめて、神経はピリっパリ。
いま真後ろに来たであろう! という瞬間に、くるっと振り返ると

「ギャー!!」

おどろいていたのは、町人ひとりだけで、虚無僧は影も形もなかったトサ。



以上、『北窓瑣談』に南谿センセイが書いてる文をモトに
おちゃらかしてみた次第ですが、この文には、このあやしい虚無僧の顔が

「ちりがみにてつくりたるかおのごとし」

という具合だったので「あやしい!!妖怪だ!!」と確定したと出ていて、
なんだか、その、ルイス・キャロルの文章でも読んでるみたいな
ふしぎな感覚に満ちあふれる気がしたりもする一文であります。ハイ。




「ちりがみにてつくりたるかおのごとし」って書いてあるから
ホントに原画はちりがみで作って、スキャニングしています。


押し絵みたいになってるのデス。もっこり。
さて今月の「和漢百魅缶」千穐楽のアップどすん! は、
時代とともに目の玉の数が進化してます。「しゅべつぎょ」さんです。
 
しゅべつぎょ 珠鼈魚

『山海経』に載ってるへんなおさかな(ホントは爬虫類?無脊椎動物?)で
足がまず6つ。肺臓みたいなすがたかたちをしてるんだトサ。

目の玉は、諸本諸書によってバラバラと数が違って、
絵にあるごとく、2つ、4つ、6つが存在するのですが

(2は特に数を書いてない『山海経』や『初学記』のスタンス、
 4は『南越志』のなかにあるとゆー解説文、6は『禽虫典』の註)

一部では、クラゲだかウミウシみたいなふにょふにょな形に
目の玉がふたつだけついてる、みたいな絵も伝わっていて、

『山海経』の中身を絵にした本やら絵巻やらの
「フタシカサ」を露呈しがちな一体であります。



(足、6本、ってのはどの絵でも共通してるのが面白い点。)
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
けっきょく正体はみしらぬコ、「みしまのきぎょ」さんです。
 
みしまのきぎょ 三島の奇魚 

伊豆のお国のいちのみや、三島大社の境内にあった池から
明治40年(1907)にびょっこりんこと見つかったという、みょーでふしぎなおさかなさん。

おさかなさんとはいうものの、足が四ッはえていて、しっぽは二ッ、
眼の玉がピカピカとひかるおかんばせは爬虫類のような感じだったといいますから
もしかしたら、トカゲやらイモリやらの仲間だったかも知れませんが
寸法は一尺ぐらいあったといいますから割と大したもの、

三島大社のおまつりに、これが見世物として出たらしいですが
その後、この奇魚のいかなりましたかはサテ、ハテ、
さて、そろそろ今月もおしつまってまいりました「和漢百魅缶」本日のアップは
薩摩の国からこんばんは。「みつめこうえん」さんです。
 
みつめこうえん 三眼猴猿

「こうえん」は漢字で書けば「猴猿」で、おさるの意。
かおに目の玉が三ッついてるおおきな猿のおばけで、
「兵六餅」でおなじみの、薩摩武士、大石兵六どんが
きつねに化かされたことを書いた『大石兵六物語』に出て来る
きつねの化け種目のひとつです。ギャーギャーキャッキャッ。

アングルは『大石兵六物語』の絵巻物から採ってるのですが
木の上にいて、手がニューっと伸びてるのは
牧谿とかの漢画でおなじみの水にうつったお月さまをとろうとしてる
猿猴の絵からの影響でしょうネ。やっぱり。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは!
村のやっかいもの。「はたがかまのばけねこ」さんです。
 
はたがかまのばけねこ 畑が釜の怪猫

丹波の国の吉富村に
 朝倉谷という谷がありました。(ありました)

そこに大きな岩場があって
 畑が釜といいました。(いいました)

おめめとおっぽがおなじかず
 イコール化け猫すんでいて。(すんでいて)

村里おりてはガオガオ雄叫び
 ガブガブ咬んでおりました。(おりました)

それをみかねた時はいま
 桔梗の紋の明智家の。(みつひでのヤローか)

家臣で伊藤基(いとうはじむ)というが
 ズバッと退治てめでたしよ。(ということでわかりましたネ)
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
もみじふみわけピッピキピー。「ごそくろく」さんです。
 
ごそくろく 五足鹿

殖えちゃった生えちゃったシリーズも、牛だの羊だの卵だの
いろいろお送りしている今月ですが、こんかいは
あしが全部で5本はえちゃったてた、というふしぎな、鹿。

明のころ、嘉靖17年(1538)の七月に
建安堡でとらえられた事があると言われていますが、

『日本書紀』とか『続日本紀』とかにある、
足が多い動物がみつかったよ!とか真っ白い動物がでたよ!とかの報告記録みたいに、
単に「つかまえたよ!」だけくらいしか伝がないので
「なんかの前兆になった」ってあたりはあったかどーだかよく知りんせん。

じゃゃゃゃゃゃゃん。2500項目の

和漢百魅缶」どどんとアップいたしますのは、
神屋蓬洲シショーが作り出した天下随一のインパクト、「のかぜ」さんです。
 
のかぜ 野風

神屋蓬洲(春川五七)シショーが書いた(挿し絵とかも本人がひとりで描いてる)
『天縁奇遇』という読本に出てくる登場人物のひとりで、

横島軍藤六(よこしまぐんとうろく)というこれまたスゴイ名前の夫とともに
強盗のようなことを常に行なって、大量の人間をあやめていましたが
その恨み+軍藤六に斬り殺された赤松春時の妻・咲花の亡霊の怨念で
体がどんどん腐っていく病に。

そして、咲花が殺されるときに身体を九十九回、斬られたのと付随するように
「野風」の身体には口がぽっかり九十九個生えてきてしまいます。

この作品は嘉吉ころ(足利幕府のまんなかごろ)の赤松家を材に採ったもので、
この軍藤太たちの話の舞台は讃州志度。


志度寺でこの野風が「九十九口の女」として見世物にかけられていたところに、
軍藤六によって親を殺された赤松米吉が観音のみちびきによって出遭い
かたきうちを果たすのが、まずこの物語のみどころのひとつ。

この米吉という名前は、「米」を「八十八」、「吉」を「十一」と「口」と分解できて
「野風」は九十九口が生じたものの、もともと人間だったときの口が
ひとつあるので実際は「百口」、この米吉こそほんとの「九十九の口」という
数字あそびみたいな伏線もあって、実はいろいろと面白い物語なのです。これ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、ニョキニョキ
ふえると嬉しい、ふえると怖い。「かねのりそく」さんです。
 


ニョキニョキと生えてのびさかる「利息」を
「利足」と踏みかえて造り上げているデザインおばけ。

基本が文字面でつくられてる単純なデザイン化けですので
戯文などにもチョクチョク出て来るものですが
山東京山が『人心掃溜荘子』で描かせているデザインが
お酉さまの熊手みたいに、ヤマブキイロのオカシがざくざくで
面白いので、リデザインいたしましそろ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、ぼこぼこ
毛がいっぱいなハチュールイ。「おおみのがめ」さんです。ぼこぼこ
 
おおみのがめ 大蓑亀

陸中の国、江刺郡、二子町の杉屋敷というところにあった沼にいた、という
大きなカメで、しっぽの部分やおつむのてっぺんにモクモクと毛が生えていた
おめでたい画題などにいわゆる「蓑亀」みたいな姿をしていたそうな。

明治のおしまい、大正のはじまりごろ、
その沼に魚をとりにやって来た若い男たちが
沼からぼこぼこ上がって来たこの「大蓑亀」の発する悪い気にあてられて、
何日後かに体調を悪化させて死んじゃった、などという昔話が残っているので
あんまりおめでたくない。みのがめダス。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
じゅーじゅー焼いたら毛玉やき。「もうしょうらん」さんです。
 
もうしょうらん 毛生卵

にわとりの卵のカラの部分に毛がもしゃくしゃ生えてるものが
生まれる、というもので、これが出て来るのは災禍の前兆、と
言われていたようです。

ないべきところに毛が生える、というのも
またこれ怪異の種目のひとつがや。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
妖界東西新聞

妖界東西新聞 日刊紙だから まいにち更新中

和漢百魅缶wiki 検索用に。

2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


最新コメント
[01/24 دکوراسیون منزل]
[11/29 NONAME]
[05/08 100]
[01/13 佐藤]
[01/05 ひょ―せん]
妖怪マガジンYOMIMANDARA
月刊?妖怪マガジンYOMIMANDARA

文車堂版社妖改革宣言

新・妖怪党 部署一覧


 Logo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党




 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党



 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党



 Logo:Koorintei Hyousen
 YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
 Design:O-Onigami Georgenomikoto
 2008 新・妖怪党

最新トラックバック
フリーエリア
© 2007-2024 Koorintei Hyousen

本ブログの内容、画像の無断転載、無断転用を禁じます。

忍者ブログ   [PR]