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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは
やたら拾いはやめましょう。「せきひのかい」さんです。
 
せきひのかい 石碑怪

岩代の国の二本松に住んでた薬屋久兵衛というひとが
山からいい具合にふるぼけた石碑を持って来て庭石にしていたら
アラワレタ、というおばけで、『怪談藻塩草』などに載ってるもの。

家のなかに髪をみだした女の姿で現われたり、
一斉に家中のあかりを吹き消して青い怪火を浮かばせたり、
いろいろと怪事を巻き起こして来ましたので
「これは、この石碑を持ってきたのが悪かったのじゃ」と考えて

ごめんなさい、と山の中のモトあった場所に戻したら
ぱったりしずまったということですから、まぁめでたしめでたし。



この手のおはなしは、同類のものが各地にあって、
特に石とかに多いですが、「瓦のお告げ」などのように
「もとに戻してくれ」の要求が高いものもあったりして、

瓦石もいろいろあるわいナ。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップどんどんどどん、は
某「真面目な幻獣」さん。「こりのようかい」さんです。
 
こりのようかい 古狸の妖怪 

生生瑞馬シショーがつづった『一閑人』って本に出て来る
「古狸の妖怪」という文字面どおりの狸のおばけで、

むかしむかしのある夏のこと、
「まちなかじゃあ色々さわがしくって集中できないよね」と言って
吉野山のお寺の空き部屋を借りて勉強に集中していた
静斎と蘆庵という性格が正反対のふたりがおりました。

性格が正反対なものですから
いろいろお互いにブツクサしながら勉強してたのですが、

一番大きかった性格の違いは
静斎は日没とともに眠くなって朝までグググガピーな性格で
蘆庵は夜になってもガッツンガッツンまぶたが開いてるという性格だった点。


なので、この「古狸の妖怪」が
部屋のそとで石を投げたり、カツカツ足音をたてたりしても
蘆庵は夜あまり眠らない性格だったのでこの妖怪にびっくりし、
静斎はググググガピーと高いびき。

なんだか、かわいそうな蘆庵クンですが
一方の静斎は朝まで熟睡な性格だったために
そのあと、ふたりのいた部屋に雷が落ちて火事になった時は
髪がこげちゃうまで眠ってたんだトサ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
ぶらんこだいすき!! 「さがいまた」さんです。
 
さがいまた 下い股

薩摩の国の南のはしっこ、河辺郡につたわっているもので
「どん坂」って呼ばれてる坂道にぽこぽこ生えてた大きな木から
ぶら下がって来たんだソウナ。

人間の股みたいなのがぶら下がって来て、
下にいるひとをクレーンみたいにがっしりつかんで持ち上げて
バクバク食べてしまう、という、野生味もりもりなお方です。

「つるべおとし」とか「なべおろし」とかいったおばけと
大体似たような性質のものなんですが、
人間を足でつかまえるってあたりは、どことなく
アフリカの「ササボンサン」な感じもしたりしなかったり。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
切ったら血が出るたーららら。「ぬすっとみや」さんです。

 ぬすっとみや 盗人宮

信濃の国は安曇郡の柿ノ木にあるという小さなほこらにまつられてるもの。
むかし、この村の畑に出没した瓜盗人、うっかり見とがめられて
畑の持ち主に「このぬすっとめ!」と組みつかれて、ドタマをどっちん。

ところが、その一撃が脳を破壊したのか、この盗人が即死。
その後、その畑でつるものの野菜をつくったりすると
蔓や実の切り口から、真っ赤な血のようなものが、ダクダクぽたぽた。

これは盗人の…という感じがしたので、例の盗人のほこらを建ててやり、
以後はその畑でつたもの野菜はつくらぬように言い伝えていたソウナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップさまさまは、
木の股から生まれる、の実地。「こうみのとち」さんです。
 
こうみのとち 子生栃

中山道でテクテクと歩いていって信濃の国は
薮原と奈良井の宿場の間にある鳥居峠という峠道に生えてる木で、
この木にある穴から人間は生まれるんだ、とか
この木の道に突き出てる枝は天狗のこしかけだ、とか
いろいろ言われてたもの。

泣き激しい子はこの木の穴に入れれば止むようになりますわ、とか
この木の皮を煎じてドリンキングすりゃイイ子宝が授かるですわ、とか
名前のとおり、いろいろと子供に関することが言い伝えられてます。
本日の「和漢百魅缶」へのアップにょろにょろりんは、
ふためと見れないおそろしさ。「ふたくちへび」さんです。
 
ふたくちへび 二口蛇

越中の国は氷見郡などに伝わっている野山で目撃すると
命が無くなる、と言われている、お口がふたつあるへび。

「見たひとが死ぬのなら、どうやってそれを見たってほかの人がわかるの?」
と、いう難坊論がありますけど、このへびサンを見た人でしたらば、
「七日のうちに死んじゃう」という言い伝えですので、
まぁ、ほかのひとに「わしはアレを…アレを見てしまったんじゃ……ガクッ」と
懺悔することも出来るでしょう。ハイ。



大陸にある「委蛇」(いい)とか「彷徨」(ほうこう)
あるいは『蒙求』の孫叔傲の話などで知られてた
「見ると近いうちに死んじゃう」という両頭蛇の話が
お口がふたつ、という姿に変化したものだと思われます。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
平安京でも平城京でもないよ!! 「ことう」さんです。
 
ことう 狐頭

平安京でも、平城京でもないとなるとドコなのですか、と問われれば、
ハイ、とこたえる難波京。ということで、こちらさまは難波京に出た、という
よくわかんないあやしげなるもの。

狐の素っくびが宮中のお庭さきに転がり出て来てた、というもので
あたりには毛と糞も散らばっていたんだソウナ。

『続日本紀』では、この日の記録の部分に「難波宮鎮怪」とあって、
これが発見されたことに対して、おまじないを施したことが書いてありますが
なにをやったのかは書いてないので、もしかしたら
ただ、燃えるごみの日活動をしたダケかもしれません。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
先日先々日が雲上な御邸宅でしたので、かたく。「てつじるし」さんです。
 
てつじるし 銕印

戯文などに登場して来る、言葉をそのまんま、直球にデザインして
この世にない生命体に仕出しちゃってるシロモノのひとつで、
「てつじるし」というのは「石部金吉」(いしべきんきち)とかと同様に
ものすごくおカタイひとをさしていう悪口なことばのひとつ。

似ているものでいうと「折り目が高い」という言葉から
万象亭がつくった「おりめだか」とかが居りますので
すがたかたちのデザインにあたっては、ナントナク
一ッ目さんになっちゃいました。(呵)


ふんどしはアルミホイルです。ごわごわ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
先日同様、禁中に出たへんなもの。「きこう」さんです。
 
きこう 鬼絞

仁和2年(886)の7月、平安京の内裏に出没したという
正体不明のあやしいもので、

ものすごい大きな人影が紫宸殿のまえを、うろうろ徘徊したり
近衛陣あたりでは、なにかを絞めてるような音が響いて来たりして
護衛のものたちを、びっくりさせたり、しゃっくりさせたり、失神させたりしたんだトカ。

『日本三代実録』には「世に之れを鬼絞と謂う」ってことが書かれてますが
実際のところ、正体は何だったのかは、毎度のごとく不明。不明。

本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ハイっ、大きなお声でにゃーにゃーぎゃーぎゃー。「かもめ」さんです。
 
かもめ 鴨女

仁明天皇がまつりごとをおこなっていた承和元年(834)
御所の上空に出現したという怪しいもので、「ぬえ」や「いつまで」などのお仲間。

ぎゃーぎゃーと何百羽ものカモメの群れが大騒ぎして
鳴き飛んでいるような声がしているのに、空には何にも居ない、という
まさに「声はすれども姿は見えぬ、ぬしはみやまのほととぎす」みたいな
状態だったんだそうです。ハイ。


誰が言ったのかは記されていないのですが(「或いは言う」としか史料に書いてない)
「これはかもめとかではない!! この声は【天狐】の声でごじゃりますのだ!!」
――と、説明したひともあったそうですが、どういう理論からその結論に達したのかは不明。
流れ星の「天狗」とか「天狐」だとしたら、かもめっポイ音では、ないと思い…ますものネ。



「かもめ」ってのは何ともしまりが無いんじゃないの?

  とか、百魅缶の収録リスト作成時に言われたりしましたが、

そう言ったら「ぬえ」だって、ただの鳥の名前なんだから、
しまってはないと思いますよ。エエ。だからいいの、「かもめ」で。うん。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
雨がこんこん。「あめふりぼうず」さんです。
 
あめふりぼうず 雨降り坊主

遠江の国の掛川にあった小沢八太夫というひとの屋敷に
雨の降る夜になると出没したという小坊主さんの姿をしたもので、
屋敷の下男さんが夜回りなどをしているときに
その姿をよく目撃したんだトカ。

ある夜もこれが出没していたので、じーっと後をつけていったところ
屋敷の庭にデーーーンと枝葉を広げまくっていた樫(かし)の大木の前で
この小坊主がスッと姿を消したので、これを聴いた八太夫は
「この樫の木の精が屋敷の見回りをしてくれてたんじゃろ」と結論づけたんだソウナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップぷっかぷかは
ひょーたんばかりが浮きものか、
机も夏には浮きだすよ、というわけで、「どんどけいけ」さんです。
 
どんどけいけ どんどけ池

甲斐の国からいまの時季にはその名のとおり、
真っ白に見える北岳の白峰山の奥の奥にあるという池で、
むかしこの池のぬしを猟師たちが怒らせてしまったとき
怒りを鎮めるために有難いお経を捧げたんだトサ。

そのときにお経と沈められた経机が
ふしぎなことに毎年7月15日になると
この池の水面にぷかぷか浮いて姿を現わしたんだって。

水のおもてにこういった特定の無機物がぷかぷか浮く、
というのは意外と各地に分布しているみたいで
その内で割りと多いのは「鞍」(くら)などの武具。

鞍には仕上げに漆が塗ってありますが、こちらの経机も漆が塗ってありますね。
このあたりに深い関係があるのかはあんまり考えた事ないので贅言できませんが、
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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