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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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今年最後の絵はコチラですじゃ。よく拝むべし。
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さて、いよいよ本年の「和漢百魅缶」も舞い納め、千穐楽でございます。
と、いうことで、やっぱりきました連続アップ、どばっと
東西からいろいろと戯作やら戯曲やらをひっぱりだしてまいりましよヨ。

では、とざいとーざいーーーー。

(びら は こちら

やぶにらみ(籔にらみ)
 ――万象亭デザインの中でも最もみんなに書かれないであろう方をチョイスしました。
ふくろうほうし(梟法師)
 ――江戸初期のものがたりは足利時代のメルヘンチックが色濃くのこっていてステキです。
こうみょうだま(光明玉)
 ――にんげんの心裡をついた事件。最明寺入道の裁判物なおはなしのひとつ。
リリス(Lilith)
 ――いまはその存在が失われてしまった遥か昔の活動写真の筋書きから。
トロイヤン(Troian)
 ――とろとろします。
ヴィエイユ・ソルシェール(Vieille Sorciere)
 ――物語に出て来る魔物は生き血をものすごく重要視しますよね。東西問わず。
クイーン・マブ(Queen Mab)
 ――シェイクスピアは坪内ハカセの翻訳でよむと時代劇すぎて佳い。
ラウアール(Rahouart)
 ――「かしゃ」に近いですよね。考え方としては。
そうじょうひ(草上飛)
 ――商取引用語のなかに混じっててもわからなさそうな音ですが、実はすごいケモノ。
ごしょうこうがん(蜈蚣紅丸)
 ――はじめにコレを腫物につけてみた、という某廟のおじさんは相当なものずき。
じょうせいしゅ(上清珠)
 ――「珠もの」は「石もの」に続いて描き分けのむづかしい峠です。
きゃっかじゃく(却火雀)
 ――この名前をキーボードで打ち込もうとするとドウシテモ「却下」になっちゃうのです。
 誰か辞書に搭載してください。
ぺらのたい(紙幣鯛)
 ――明治の戯文ものから、今回は突瓢子史の茶説。
 ほかにも、色々とへんな魚仲間が何種類かいますが、それはまた後日。
おみなえしひめ(女郎花姫)
 ――京伝の『浮牡丹全伝』から、牡丹灯篭をともしてやって来るユーレイさん。
おおゆきのけしょう(大雪の化生)
 ――大昔の浄瑠璃『あさいなしまわたり』を久々に読んだらみつけたのでジャーンとアップ。
きたいわくらのそうげん(北岩倉の宗玄)
 ――「清玄×桜姫」の亜種「宗玄×唐琴姫」から。万象亭デザインの「箱入娘」はこの作品から。
あかのぼうこん(垢の亡魂)
 ――京伝のお湯をテーマにした戯作から。大晦日に出たというところから今回の主任です。
 「あかなめ」が実はあんまりメジャーになれてなかったことの証明のひとつ?。

たけつぶもろこしのすけ(竹十部もろこしの介)


以上、つつがなく、2400項目目に達しまして、
本年の和漢百魅缶はひとまず千穐楽。
また明年も、あいかわらず色々と描き散らして参りますにつき
あいかわらぬごひいきのおひきたての程、
ひとえにこいねがい上げまする。(平伏)

とざい、とーーざーーーい。
さて本年の「和漢百魅缶」のアップももうじき舞い納めな本日は
ゴトゴトゴトとゲンキよく。「くるまひき」さんです。
 
くるまひき 車引

備前の国は上道郡の一ノ井関に出没しました、と伝わっているおばけ。
あんまり詳しいことは残されていないので、あいまいふわふわなのですが

佐藤先生の辞典には「法被を着て居る」とメモリーされているので
最低限、くるまがごとごとぎたぎた通り過ぎる「音だけ」のおばけでは
無いことがうかがえます。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップもっくもっくは
昨日が「じぃ」なので本日は「ばばぁ」。「はくはつろうふ」さんです。
 
はくはつろうふ 白髪老婦

大陸の麗水県につたわるおばけで、
野中にとつぜんぼんやりと茶店のような小屋と一緒に出没しては
とおりがかったひとに「いっぷくしておいきなされ」と
煙草などを進めて来たりしますが、

これを「どうも」と喫煙してしまうと、これがこの世の別れの一服、
恩賜のタバコみたいな文句ですが、このおばけに魂をぶんどられて
生きて帰ることは出来なかったそうな。

ああ、むかしのひとはいいました、ただより高いものは無し。ハァ。
さて、2010年もあとのこりちょぼちょぼ。「和漢百魅缶」への本日のアップは!
びっくらかせ「バァ。」の基本の基本。「ももんじい」さんです。
 
ももんじい

「ももんがぁ」とか「がごぜぇ」とか「ぜぜがこう!」とか
子供に向かって「悪いことしてると恐いのが来るゾ!!」ってのを
示していましめを与えるときに発するこわいものの名のひとつで、

石燕とか、デザインおばけを集めた絵巻物とかに
百々爺とか蒙悶爺とかいう字でじじい姿に描かれてるものは
これの語尾が「じい」だからくっつけたものでござるのよ。ハァ。

(そこからさらに進んでデザインされたのが「ごもんじい」)

浅草とか馬喰町にいっぱいあった絵草紙屋さんでむかし売ってた
おばけをいっぱい詰め込んであるおもちゃ絵などを何枚も眺めてみると、
だいたいが、翼がこうもりっポク出来てる鳥なおばけ姿が使われていて、
じじい姿のデザインの採用率ってのは、ぜんぜん低いのヨ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
ヘモグロビンがりりんりん。「けっしれい」さんです。
 
けっしれい 血尸霊

昨日は、血を吸い取るおかたでしたので。
本日は、もうおわかりでしょう。出してるほうでございます。

血みどろマッカッカな姿で人間の前にバァーーーと現われて
きもをつぶさせるというシロモノで、はずれ知らずなお方ですよ。これは。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
吸血むすめはゲロゲーロ。「ひきがえるのばけもの」さんです。
 
ひきがえるのばけもの 蟇の化け物

ひきがえるが人間の女の姿に化けたりなんかしちゃったりして、
山仕事をおえて山小屋でおねんねころりんグッスリちゃんな男のもとに
つつつつすぃーと立ち現われて、生き血をゴクゴクゴキュゴキュ、プッハー、と
吸ってはそのイノチを奪ったりする、といったものでございますのヨ。ハァ。

吸血鬼みたいなのは日本にいない、とか、少ない、とか、いう説が
むかしは一部で言われてたのですけど、
この手の動物がドロンと変化して出て来るおばけには
この手のものが割りとゾロゾロあって、
単に、吸血鬼っていう範疇が日本には確率されなかっただけで、
生き血をすする、っていう恐怖概念はヤッパリ人類共通なものなのですね。うーむ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
貴婦人ならぬ鬼婦人ですのよ。「きふ」さんです。
 
きふ 鬼婦

むかし、棣州学(だいしゅうがく)というトコに、夜になると
眠ってるトコにばけもんがぷわぷわやって来て、
安眠をすこぶるさまたげる、という噂と実事ないまぜな話が
伝わっていおりやした。

あるとき、そこにやって来た仲澤(ちゅうたく)という男が
その噂を聞いて、「こいつはいっちょう退治てやるとするか」とうでまくり。
夜になると、話どおりにそれが現われたので
グワーーーッとひっつかんで「みんな来い、つかまえたぞっ」と
大声でよばわったところ、つかまえていたのは一枚の板。

精密検査なマナコで見てみたところ、これはどうやら古い棺の板っきれ。
これが化けて出て来たのじやろうということで、燃やしたところ
のちはこの鬼婦の怪異が生じることはなかったそうな。ハァ。

琉球に伝わってる棺とかが化けたマジムンとかは
これのお仲間ですな。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ひゅうどろ出ませり。「きりしたんのゆうれい」さんです。
 
きりしたんのゆうれい 吉利支丹の幽霊

むかし、徳川幕府がキリシタンを禁教にして
全国的に取締りをキビしくした頃のこと。

伊勢の国でキリシタンがつかまって、処刑されたあと、
その死体を地面に穴をほって燃やしておいたところ
そこへ被布(かづき)をかけた美しい女性が下女をつれて現われて
骨をぽろぽろ拾っていって、スーーッと姿を消失させたというもの。

これを目撃シタヨという武士によれば
被布をかぶった女性が骨を拾い出したら、おなじような女性が
これまた何人か現われて、おんなじように骨を拾ってたんだとか。

――このむかしばなしは、
『諸国百物語』に載ってたもので、この本が刊行された延宝5年(1677)は
天草四郎の乱とかから数えても40年たらずの頃で
まだ、この手の噂がうっすら残ってた頃なのですな。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのあっぷは、
あの、ハエ。「ほうおんよう」さんです。
 
ほうおんよう 報恩蝿

昨日は、日本の蟻をつぶすとイクナイ! というものでしたので、
本日は、大陸の蝿をたすけてあげたら命びろいしたよ、という
『夷堅続志』などにあるむかしばなしから引っぱりだして来ました。

むかし、都にいたある酒匠さん。
いつものようにお酒の具合を見ていると、水の中で
あぷあぷしてる一匹の小さなハエを発見。
これはかわいそうに、と、それをすくってあげました。

それから何日か時は過ぎて、
なんだか知らないですが、この酒匠さん、嫌疑をかけられて
獄舎につながれ、死刑な判決を受けちゃうハメに。

さぁ、この酒匠の死刑執行てつづきの書類を書こう、と
判官さんがすずりをすりすり、筆を紙の上におろそうとすると…

筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。
さぁ書こう、
筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。
さぁ書こう、
筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。
さぁ書こう、
筆にハエがぴとっ。
判官さんが「ぶれいもの」とはらいのける。

…何度も何度もおんなじように、まるで判におしたように
ハエが動いておる、これは一体…もしや何かあるのか?と

ミョーに気になりだしてしまった判官さん、
早速、再審をおこなってみたところ、酒匠は真犯人じゃなかった、
といった具合で、イノチがたすかった。めでたし。というもの。


ハエとかハチは、害虫系なのに、こういう感じの昔話が
わりとある感じでイイですね。とうらやましがるのはゴキブリです。ハァ。
ホンジツノ「和漢百魅缶」ヘアップイタシマシタハ。
うっかり踏んだら、うみのもくず。「ありのたたり」さんです。
 
ありのたたり 蟻の祟

美濃の国などに伝わっていた俗信で、ありんこを踏み殺すと
「お伊勢参りに行くときに船が嵐に遭遇しておぼれ死ぬ」と、言われていたもの。


昨日の「馬」からは、「蟻」を漢語で「玄駒」とも呼ぶところからの連想です。


ありんこがお伊勢さまとどう関係あるのかあんまりよくワカンナイのですが
神社や寺院に関連して、特定の虫を殺すとイイ、殺すとイクナイ、といったようなものは
各地にもバラバラパラパラ点在していて、

ひょーせんの家のあたりでは
「はがちを見つけたら、殺せ、成田山にお参りにいったのと同等になるョ」
とかいう「殺すとイイ」の例が伝わっています。

この手のものはババーンと一大リストになってるのが欲しい感じですな。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
昨日が手なら本日は足でショーブ。「じゅうさんぞくば」さんです。
 
じゅうさんぞくば 十三足馬

賈思誠(かしせい)というひとが夢の中で目撃して
「ギャーーー」とびっくりして起きたという十三の足をもつふしぎな馬で、

これを夢で観た日の朝から
思誠の背中には腫れ物が出来て、それがジクジク重くなり、
ついにそれから十三日、これが体をむしばみつくして
思誠はあの世へ行ってしまったんだソウナ。


賈思誠は、うまどしの生まれだったそうで、
馬が出て来たのは、それに対応していたのではなかったのだろうか
というコトでございますが、寿命があと5600日とかだったら
足の5600本ある馬が出て来たんでしょうかね?
…数えるのが途方もないですけど。ハァ。


おなじく午どしな生まれだった織田信長が夢に観たというものに
きのうま」がありますが、これはこれと同じようなもので、
(きのえうまの生まれなので木のうま。子どし生まれの明智光秀も、鼠の姿で出て来る)
十二支と夢に出て来る動物が関連するという法則が
日本の昔話にも出没している用例のひとつですネ。うーん。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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