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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
間接照明も必要ありません。「つじぼうず」さんです。

つじぼうず 辻坊主 

但馬の国の二方郡の、砂見坂という場所にでたという
大坊主な姿のおばけで、いたちとかが化けたものと言われていました。

道ばたの石とか木とかに腰を落ち着けて、
じーーーっと帳面を熟読している姿をしているダケ、というものなのですが

これが出て来るのは、空の星さえ黒みがちな暗い夜。
じーーーっと考えてみると、暗い中で文字が読めるのだろうか。

疑問が生じて、このヘンな大坊主をじーーーーっとカンサツしてやろう、と
振り返ったりすると、もうそこにこの大坊主の姿はナイ。
などという化かし方をしてきたそうですが、こういう

「あ、いまのなんなんだろう!!えっ、ヘンだろうキニナル!!!」

と感じてジックリ見てみようとしたら、その対象がドロンしてるというのは
割りとあって、越中に伝わる「わらかつぎ」(藁担ぎ)さんなども
この手のものでございます。うまいもんだネ。ハァ。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
煙草、お酒、にんにくなどのキニナル点。「しゅうき」さんです。
 
しゅうき 臭鬼

『夷堅志』などに記されている霊鬼のひとつで、
衣装はキレイ目な白衣なのですが、そこから発する香りは
鼻が向かいのカドでドリフト走行して爆発するほどのニオイ。
と、いう、名は体をあらわす、の金言どおりなお方。

むかし、都へ上京して来た男がこれにとり憑かれて、
日に日に、そのニオイのひどさに困っていたのですが
(――とり憑かれていない人には姿もニオイもきこえない)
ついに「コレは死ぬ!」と思って田舎に帰ったところ
スッキリこの霊鬼が現われなくなったのでホッとひと安心。

それから時は過ぎて、このクサイ思い出も忘れ果てたころ
あるとき、たまたま、このひとが上京をして、お酒をのんで
ちょっとヘベのレケになったところ、どこからともなく変な声と
例のとんでもなくクサイニオイがたちあらわれて、
数日後、このひとは病気になって死んでしまったそうな。

どうやら、まったく霊鬼は取り憑き状態から離れておらなかったようで、
特定の活動場所はから動けない、という霊鬼だったダケなのでした。


なんとお仕事領域に忠実な霊鬼さんですこと。ハァ。
あれなる音はヤマガのタイコ、ザ・赤穂の討ち入りデーな本日の
和漢百魅缶」へのアップいたしますのは、赤穂の名産は塩と並んで
専売なケムリの出る草に縁のある、「たばこいし」さんです。
 
たばこいし 煙草石

奥州とはいいつつも、ポキンと分類しますと、岩代の国な、伊達郡に伝わるもので、
石の表面にたばこの葉っぱのようなものが浮かびあがって見えるふしぎな岩石。

この、表面に葉っぱが見える、という現象は
その年のたばこの市場価格をうらなうものと見られていて、
これが見えない年は、値段が急上昇、
見える年は、それなりに価格が低廉にお安くなる、
と、言われてたんだトサ。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
非ロールキャベツ野郎。「てんうそう」さんです。
 
てんうそう 天雨草

今月は、大陸勢を特に『捜神記』から引っぱりだしているのですが
本日のコチラさんも、そちらのご出身です。

天空から、ぽつぽつと葉っぱがぐるぐるとオトシブミって虫がつくりだす
葉っぱの封じ文みたいに、まんまるく固まったものが降って来る、

という、もので、

なんでも、道家のあいだでは
「これは君主が臣に適切な禄高を与えていないことを示しておる」と
いったような判断がついてるそうで、
なんとも、資本主義的にはあまり降って来てはもらいたくない
ロールリーフなのでございます。ハァ。



(残菜話)
昨日の「呼子」から、どういうところが連想かというと、
「呼子」→「やまびこ」→「こだま」→「木」→「葉っぱ」といった具合。
本日の「和漢百魅缶」への大投入は、
大声々でヤッホホホーーーイ、「よぶこ」さんです。
 
よぶこ 呼子

何度か、妖界東西新聞の画面にチョコチョコっと出たり、
以前、三枚つづきのどっさりイラスト『御霊峰首魁嶽山開図』のなかにも
描いたりしてもいましたが、いよいよ、ちゃんと「和漢百魅缶」に編入です。

昨日の、叫び声の持ち主「鴨鬼」さんとは違って、
こちらさんは、山での「おーい」や「やっほー」に反応して
それを真似して返してくるという、例の山のこだまの楽しさヨ、のおかたです。

あなたと呼べば。ハァ?

さて師走も一旬すぎて、やや深まった「和漢百魅缶」本日のアップは、
鴨ステーキはスキです。じゅわ。「おうき」さんです。
 
おうき 鴨鬼 

昨日はジャポンの天満七ふしぎ、からでしたから、
今日はシノワーの数でそろったおばけさんからアップしまショー。

ということで、『聊斎志異』などにも記されていて、
そこそこ有名?どころな、「衢州三怪」のひとつから「鴨鬼」さんです。

衢州の蛟池に出たというおばけで、ギャグワーーーと響く
この鳴き声を聞くと病気になって死んでしまうと言われていましたソウナ。

一説に曰く、「西王母」のもとに仕えていた鴨の精が
『西遊記』によくあるパターンのように天から地上にやって来て、
悪さをしてる…とかいう話もありますが、どうなのでしょうね。ハァ。

本日の「和漢百魅缶」へのアップは、これですニャグヮーーーーー!!
西のチェシャ、ひがしの「わらいねこ」さんです。
 
わらいねこ 笑い猫 

大阪の天満につたわってた七ふしぎのひとつとしてあげられていたおばけで
「池田町の笑い猫」と呼ばれていたことが知られてますが
実際のところ、どーいうふーなものだったのかは、あまり伝わってないのが
天満七ふしぎの少しザンネンポイントであります。ハァ。

天満の七ふしぎは、こちらさんのほかには
以前にアップした「めなしちご」と一字違いな感じの「神明の手無児」、
「鴬墳の燃え唐臼」、「大鏡寺前の傘火」、「曽根崎の逆様女」、
「川崎の泣坊主」、「十一丁の首絞縄」というのがあったソウナ。


今月は、和と漢をいったりきたりしつつ、前の日からの
連想でアップする面々をセンバツしてるのですが、
本日は、昨日の塊魂なぞうりの怪異の原因のひとつに
「猫にゃんが……」というのがあったから、という箇所からの
連結なのですが、だんだん高度になりつつありまんな。二度目のハァードッコイナ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップいたしますのは
かたまりぞうり。「じゅはいきゃく」さんです。

 
じゅはいきゃく 聚敗屩


むかしむかしの大陸のこと、元康や太安のころに道路のアチコチに
はき古されて道のわきの草っ原とかにポイと捨てられた屩(きゃく)が
どっさりと塊になって山を作ってた、というもので、

邪魔だよ、と捨てておいても、
また次の日にはおんなじところにおんなじような屩(きゃく)のかたまりが
出来ていたんだってサ。

あるひとは、これは疲弊した者たちが団結して
たちあがるんだよ、一揆だよ、そういう事の兆しなのだよ、などという
由井正雪みたいな説をとなえたりしたりもしたそうですが

「猫にゃんがアッチコッチから食わえてあつめてたヨ」と、いうお気楽な説も
あったそうで、なんともステキな温度差ね。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
ゾクッときたら葛根湯。「はしりがい」さんです。
 
はしりがい

陸前の国は石巻のあたりにつたわる「ゆきあいがみ」の仲間で、
外でいきなり高い熱がでて倒れちゃったりするのは
こういうものに道でブチ当たったからだ、と言われていました。

この手のものは、いまの時代では全然
みむきもされてないようなおばけ現象なのですが、
(「あ、風邪もらっちゃった!」とか「あ、血管プラークが脳に!」とかしか思わない)

実際のところ、病気になる、という部分だけで抽出すると、
セコいおばけよりも命にかかわるし、現在も多々発生する身の危険なので、
遭いたくない率は非常に高い部類のハイパーナチュラル現象ですな。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
脅威の脚先の器用さ。「しゅくけんけん」さんです。
 


むかし、桂陽郡の太守をつとめたという男・李叔堅が
若かった頃に飼っていたふしぎな犬で、
二本足で立ってそこいらをワンワンと駆け回ったりしてたと言います。

「旦那さま、こんな怪しい犬は殺しましょう、怖いです!!」
「旦那さま、この犬、旦那さまの冠をかぶって走り回ってました!」
「旦那さま、今度はひとりで台所でかまどに火を起こしとりました!」
と言われても叔堅は、

「いいや、単に人間を見て真似をしてるだけじゃ、よいよい」
と答えて、一切これを妖怪として見なかったんだとか。

結局、この犬は、巨大化したり、人間に化けたりする事なく、
家にも何も変事も事件も起きず、ただヘンな犬というだけで
フツーな日々が送られたんだそうな。


叔堅サンはこう言ってますが、
だれもいない台所でかまどで火をおこしてるってのは
かなり妖怪な感じだと思います。
まぁ、変事や事件の前触れにならぬと厳密には漢土では妖怪にはならぬので
しかたないといえばないのですがネ。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へアップいたしますのは、
なんだかヘンテコリなものが五日連続でしたので
キレイにファイアーしていただきましょう。「ヒニャハムガナシ」さんです。
 
ヒニャハムガナシ

かわいい感じの音の響きなコチラさまは、
南の海の浪の先、加計呂麻島につたわっている、かまどのかみさま。

「~ナシ」(主)というのは
加計呂麻島のかみさまたちにはつきものなフレーズです。

むかしの家な造りの台所では、どこでもかまどのあたりに、このかみさまに
おせんこうをおそなえするためのお茶碗みたいなのが置いてあったソウナ。

さぁ、火で消毒したので大丈夫々々。ハァ。
本日の「和漢百魅缶」へアップ致しますのは、
壊して直してイタチゴッコ。「はかいだん」さんです。
 
はかいだん 破蟹断

昨日アップした最強なお名前キャラ「小便呑」さんと対になるようなのを、
といことで、うんとこどっこいしょと漢籍を漁ってまいりましたよ。

こちらは、川にたてられたカニをかまえるためのワナ
蟹断(かいだん)を、ボコッと壊していったというもので

いくら直しておいても、パッと振り返るとまた同じところが同じようになってて
カニが、ザバヘーっとそこから逃げちゃってて一箇所、使い物にならなくなっちゃう
といったもの。


カニが大好物な「さんしょう」(山[鬼+肖])たちが
人間たちの気をそっちに集中させてるうちにカニをもってくために
やるいたずらだげな、といったような説があったそうで。ハァ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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