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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、少々ビローでございますが
世界のふしぎ、奇妙のなぞ、「しょんべんのみ」さんです。
 


讃岐の国は美合村の山につたわるおばけさんでして、
山の炭焼き小屋でつかわれていた小便桶(しょんべんたご)に
ドプンとたまってるお小水を、夜中のうちにサッと空っぽにする、
という芸当をしたという、古今あんまり未曾有のおばけ。

むかしはおしっこやうんこは田畑の肥料になっておりましたから、
もちろん、誰かその手のドロボーのしわざかと思われたフシもあるそうなのですが、
人間ではどうにも処理できない量と瞬発力だべこれは、という所から
なんだか小便をのみに来るヘンナモノがいるのじゃろう、という話に至ったソウナ。

おおかみがおしっこを呑みにくるんですのヨ、

という話もあるそうなのですが、そんなに飲めないでしょ。ハァ。


すがたかたちを、夢紫樓にいさんがデザインをしてくれたのですが、
いわく、頭についてるのは腎臓なんだだそうな。
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砒素細菌と暴風靂雨で明け暮れた本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
セキュリティーリーフ。「ごもんそう」さんです。
 
ごもんそう 護門草

『酉陽雑俎』などに記されている絶妙でふしぎな草で、
これを門のうえに生やかして置くと、

いざ! 泥坊や不審人物や間者や曲者やニンジャが!
その門をくぐろうものなら「貴郎は、どこのなに兵衛さんじゃ」と
たちまちこの草が警告警護をして下さるんですってよ、


まぁ、警告を呶鳴ってくれるだけなので、
立派なおキバの番犬や、腕筋モッキリな門番も置いておかないと
ノシノシ踏み込まれてしまうんですけどね。ハァ。
今月の「和漢百魅缶」、かけだす2番走者は、
返却期限はまもろうネ。「おおとものあかまろ」さんです。
 
おおとものあかまろ 大伴赤麻呂

武蔵の国、多摩の大領だった大伴赤麻呂(おおとものあかまろ)が
死後に畜生道に転生して、仔牛になっちゃった、というもの。

生前に寺院から借りたものをちゃんと返却しなかったのが、
畜生道へ転生した原因、と寺院は鑑定したそうな。


『日本霊異記』などにあるもので、
背中にくっきり「大伴赤麻呂」という模様が出てたので
最終的には家の者も家臣もこれを懺悔して
この仔牛を人々に示して、見世物にしたんだってサ。


江戸時代や明治時代の見世物に
お経の文字が背中にクッキリ出てる牛とか馬とかいうのがあって、
実際は、某薬品とかをつかって字を書いて浮き上がらせてたダケなのですが、

こちらの赤麻呂さん。
モロに名前が背中に出た、ってのは少々マユツバかも知れんネー。ハァ。
12月の「和漢百魅缶」、いちばんはじめのいちのみや、は、
のめやうたえのおまつり騒ぎ。「せいおうぼしょ」さんです。
 
せいおうぼしょ 西王母書

『捜神記』などにあるもので、時代は哀帝のころの建平4年(-3)。季節は夏。
都も鄙も、市街も田園も、どこもかしこも西王母のおまつりが大過熱。
おまつりに加わった民は、すべて飲め、歌え、騒げ、のNUSの一本づり。

そんな渦中であちこちにひろまっていたのが
「これを持っていれば死なぬ」といった西王母のお告げがしるされたこちらの書。

持ってれば死なない、とかいうと物凄くブッ飛んだお告げの紙きれですが、
洋の東西を問わず、この手の「救いを与えるべさ」な紙きれは多くあるもので。ハァ。
2010年11月の「和漢百魅缶」、いよいよの千穐楽は、
火曜日なので、「かよう」さんです。
 
かよう 賈雍

漢のころ予章(よしょう)郡の太守だった賈雍(かよう)が
界(くにざかい)に出没して往来の人々を襲っていた悪い賊を
太守としては見過ごせぬ、ということで退治しにいったものの、

あっさり、賊どものオフェンスにおされまくって、
「返り討ちじゃ」と閃いた賊の刃にお首がポトリ。

ああ、太守さま、ここにその命の花を散らせけり。

――と、おもいきや。

賈雍は首が無いままの体をぐるりと動かしだして
乗ってた馬に鞭声ペシペシ。ひづめを鳴らせてやかたに帰還。

おどろいたのは家臣たちやら郡の役人たち。

太守さまが戻ってきたものの、
血まみれだわ、目鼻口のあるべきところは無いわ、
どうみても、死体なのにしゃべりかけてくるわで、大騒ぎ。

すると賈雍は家臣たちに

「諸君みるに頭のあるが佳いか、頭のないが佳いか?」

とたずね、家臣たちが

「頭のある殿様が佳うございます」

というと

「ふむ頭のないもまた佳いものぞ」

と述べて、そのままサッと死んじゃったんだトカ。
なんとも不思議な太守さまの最期でござる。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
武将でござらぬ。野獣でござる。「ばちょう」さんです。
 
ばちょう 馬腸

『山海経』の中山経にあるもので、玄扈山(げんこさん)に居るというもの。
どうやら川の中とかにいる?らしいのですが、

実際のところ、「馬腸」というのは、
ひとを襲って食べたりするという別の獣、「馬腹」というものと
同じようなものなり、という意見が古くから出ていて、

ケッキョクノトコロ、よくわかってないおかたです。


とりあへず、和漢百魅缶では、『山海経箋疏』などに出てる
「馬腹とおなじョ」という意見にのっとって、人面獣躯な「馬腹」っポイ絵を
採りいれているのですが、いっそのこと、
だっちょ」みたいなのでもヨカッタかな。とも思ってる午後10時。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
言葉を漢字に、漢字を絵画に、「まちぶせ」さんです。

 
まちぶせ まち婦せ

同じ「へん」や「つくり」や「かまえ」を持ってる漢字を五七五七七の歌に折り込んで
漢字をいろいろおぼえましょ、という昔のおベンキョーのための絵草紙
『小野篁歌字尽』(おののたかむらうたじづくし)の形式をかりて、

むりやり色んな造字をつくって、くすぐりをかけてくる絵草紙
『小野ばかむら虚字尽』(おののばかむらうそじづくし)に出て来たりする
吉原のことを茶にした漢字がモトになってるデザインおばけです。

    大
    門
   女女
  女女女
(こういう感じの漢字だす)
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、収穫への感謝な祭りも過ぎた頃に、
こういうものをニョキニョッキ。「またののごろうのやかた」さんです。

またののごろうのやかた 俣野五郎の館

源平ごろの武士のひとり俣野五郎景久(またののごろうかげひさ)の
館が建っていた、という土地につたわる言い伝えで、

ここに立ち入ったり、寝ころんだりするとよくない事がまきおこったり、
ここを耕して何か作物をまいたりしてもろくな収穫がえられなかったり、
いろいろと踏み込むのはヨロシクナイ土地である、そっとしときましょ、
という事で、その館跡はぞうりも鍬鋤も入らなかったというそうじゃ。
本日の「和漢百魅缶」へのアップ。ジャッポンは、
三河の国のかっぱの中から、「とっこ」さんです。
 
とっこ

昨日のアップが、お酒な如来さんでしたから、
今日は酔い覚ましにお水を、ということで
三河の国の碧海郡のせせらぎの中からピックアップしました。

ほかの河童や池や淵の主と同様、
祗園さまのお祭りのころ(いまの暦だと7月ごろ)になると
活動がはげしく活発化するようで、
その時分に水遊びをするのはイケナイヨ、とたしなめられてたそうナ。

それにしても、この時季に
水泳のはなしなんてのは、夏炉冬扇でオツなもんでげすナ。へへ。
本日の「和漢百魅缶」、通算でいえば2350体目のアップさまさまは、
のみあみだぶつ。「やけのみだにょらい」さんです。
 
やけのみだにょらい 焼呑陀如来 

一筆庵こと渓斎英泉シショーの書いた『善悪道中記』に出て来るもので
「あみだにょらい」をモトに、やたらがぶ飲みをしてお財布に打撃を与える
ひとの性質をブチ込めて書いた地口デザインのほとけさま。

この仏像が置かれてるというお寺の名前は、
その名も、不経済散財寺(ふけいざいさんざいじ)。

とんでもなくワカリヤスイ寺号です。シショー。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、昨日の婆々居淵から
ずいぶん南にドンブラ、コッコ、「とうせんぶちのぬし」さんです。
 
とうせんぶちのぬし 唐船淵の主

九州からまた船にのってチャプコンチャプコン、屋久島にある
唐船淵(とうせんぶち)という淵にやどっていた、ぬしで、
子供を水の中に引き込んでしまったりしたといいます。

むかし、森の中で木々が自分の子が七ッになったら
唐船淵の主が水の中に引き込む事にしてる、と聴いた猟師が
「偶然でも知ったるは幸い」とコレを警戒して、無事にその難を避けた、
という昔話などが伝わっておりやす。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは、勤労感謝の日ですから
キンキンカンカンと、「ばばいぶち」さんです。
 
ばばいぶち 婆々居渕

越前の国は敦賀にあった渕で、そこにあった岩からニョッキリ幹を生やした
老松のえだのうえに、夜になると出た、という婆さま姿のおばけで、
カンカンと鉦(かね)を打ち鳴らしながら念仏を唱えていたといいます。

このばばあがいたので「ばばいぶち」という渕の呼び名が出来ましたトカ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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