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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
スパイダーマ。「ちしゅせい」さんです。
 
ちしゅせい 蜘蛛精

鉱物や風雪ですら妖精が化ける大陸のことでございますから
生物などは、どれもこれもみんな何十何百歳を保てば
妖精をいだいて化けちゃうものです。というわけで、こちらは蜘蛛(くも)のおばけさん。

人間に化けて、ひとを巣穴におびきよせて食べちゃったりもしますが
こっそり知恵を授けてくれて、助けてくれたりしたものもいたようでがんす。


今年の七月に「妖界東西新聞」で描いたデザインがまぁまぁ好評をたまわりましたので
他にもデザインがいくつかあるのですが、そちらのほうをババッと採用してみましスパイダー。
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本日の「和漢百魅缶」へのアップはガラガラズッシャン。
現在、日本海側はご注意ご注意。「へきれきしゃ」さんです。
 
へきれきしゃ 霹靂車

大陸につたわるもので、向こうのかみなりさま
「雷公」たちが乗り回している車で、

ごろごろがらがら音を出しますが
たまに故障が発生するのか、暴走っ子がいるのか知りませんが
地球に向かってニュートンの法則を適用、ズドーンと落ちたりしましたトカ。


余談。

大陸の「雷公」を見てるとよく思うことは、
かなづちぼう」(金槌坊)の絵は、これに似てるンだな。ということ。

ひとつは、「雷公」さんたちが雷を起こすといわれてる道具に、
雷槌とか雷斧とかいうのがあるんですが、
この雷槌を振り上げてる仕草の形が、似てるという点。

もひとつは、「金槌坊」の顔はトリっポイくちばしが伸びてたり
目のまわりに赤隈がひいてあったりするんですが、
「雷公」の絵に多いのも猛禽顔。という点。


以上の点からみてみると、

「金槌坊」は、
土佐家の百鬼夜行絵巻にある
木槌を持ってるおばけがモトになって描かれているのですが、

そのモトとはちょっぴり違って
顔が鳥めいたものになってるのは

「雷公」の絵のエッセンスが
オッパポロポロンと添加されてるからかしらん、

と考えるものであります。


狩野家の百鬼夜行絵巻
おとろしとか、うわんとか、ぬらりひょん)にない妖怪が
入って来ている型の絵巻物
(松井文庫や国立歴史民俗博物館のものなど)に

「はぢかき」(「謝豹虫」が原型とおぼし)や
胴面」(「刑天」が原型とおぼし)というものがあることも

大陸ものからオッパポロポロンとエッセンス添加がされてることの
ひとつの形跡でありMANDARA 。
和漢百魅缶」通算2332体目のアップどんどこどんは
こおりのありんこ。「ひょうぎ」さんです。
 
ひょうぎ 冰蟻 

お酒のうえにプクプクポカンと浮かぶ小さい泡つぶのことを
表現しているもので、漢詩などでも「これはうまき酒でござりますナ」という時に
出てくるシロアリ…否…シロモノでございます。

氷の字がございますので、シショーの氷厘亭氷厘の持ちキャラ
「こおりん」のシルエットに多少ちかいものにデザインしておりますゼ。
今年も立冬、いちの酉の日がやって来てございました。
というわけで本日の「和漢百魅缶」へのアップは
例年どおりのおとり。バード。今回はその中から「じちょう」さんです。
 
じちょう 次鳥

おなかに顔、でおなじみの「刑天」さんがいるあたりの地から見ること北、
そこにある維鳥の山のてっぺんに住んでいるという鳥で、
これがあらわれるというのは、国の衰亡をあらわすと言われていたソウナ。
つづいてビュワンと「和漢百魅缶」にすっとびださせますのは、
まがったことがすきナノだ。「かまおやじ」さんです。
 
かまおやじ 鎌親爺

「根性が見事にまがってる」という意味でつかわれる言い草「鎌おやじ」を
そのまま、直接、首を鎌状にもたげてるという形で描かれたもの。

ぎゃる廼夜夢紫樓ニイさんの調べによると『広辞苑』にも
言葉としての「鎌親父」は載ってたそうですが、
辞書に載ってるわりには、今となってはあんまり使わないような言葉ですナ。

ことばからのもじりかえで出来たデザインおばけをたどると
こういうものを知ることが出来るのも、おもしろいところでござんスナ。
今月の「和漢百魅缶」いつつっとびめにアップ致しますのは、
寒冷なる方角から、「アルサラウス」さんです。
 
アルサラウス

めっきり朝もさぶくなって参りまして、
関東でも霜が棟上げをする季節、もうこうなってきたら!
というわけでは全然無いのですが、あいぬに伝わるおばけから、
巨大な悪獣なおかたをアップでござります。

雪山とかをウロウロ、ガオー、と来るんだったら
やっぱり白っポイ毛並みをしてるんだろうなぁ、という妄想からのカラーリング。
こそこそと「和漢百魅缶」にアップいたしますのは
足音ずったずたたたー。「あとおいこぞう」さんです。
 
あとおいこぞう 後追い小僧

相模の国にズドンと立つ丹沢の山んなかにでると言われていたもので、
山の中をあるいていると、後ろのほうから誰かが
ついて歩いて来るような音がしてくるというもの。

小僧と名前がついてるものの、実際のところ振り向いても、
誰もいない、というものなので、ケッキョクノトコロ、
べとべとさん」とか「びしゃがつく」とかと基本はおなじ。
さて「和漢百魅缶」にころころポチャンとアップいたしますのは
たからをはき出すスゲェねずみ。「とほうそ」さんです。
 
とほうそ 吐宝鼠

大陸では数々かかれてる神様の図像、そんな図像の部類のひとつに
財神、いこーる、どうぞおかねがもうかりますようにな願いを込める絵があります。

そんな絵にかかれる色んなドカラフルな神様の下のほうに
ちょろちょろ随身つかまつっておりますのがこちらさんで、
口の中からぽこぽこぽこぽこ、ヨッシーがたまごをポンスカ生むみたいに
宝珠を出すんだとか。

日本には、池の神様から無限に酢が出てくる瓶だとか、
竜宮城から金のうんこをする猫を貰って来るとかをもらってくる話がありますが
こちらの「吐宝鼠」さんも、そんな発想にちかいものでごすなァ。
さてはち「和漢百魅缶」今月のふたっとびめは
水の中からトンカラリンコン、「かんしちぶち」さんです。
 
かんしちぶち 勘七渕 

陸前の国は白石川にある勘七渕と呼ばれる渕の水底には
大きな屋敷があって、そこから機を織る音が聴こえて来る、
というもので、むかし、勘七という男がここに行って
わらじづくりを手伝ってあげたら魚をもらって来たんだトサ。

水の中から聴こえるものに機織りみたいな音がするというのは
全国各地にありますが、そういう音のする屋敷に行ったのに
機のことでは無くて、わらじをなうのを手伝わされたというのは
やっぱり機織りは女の仕事だったからなのでしょうかネ。
さて、十一月の「和漢百魅缶」でございます。
はじめのひとっとびは、「かうかうからす」さんです。
 
かうかうからす かうかう鴉 

三河の国などに伝わっている「からす鳴き」のひとつで
「ガーガー」屋根の上でからすが鳴くと凶デス、とかいうものの仲間。

「かうかう、かうかう」という鳴き声がすれば死亡届がある前兆、
「うがううがう」という風に聴こえてくれば出生届がある前兆ダ、
などと言われておりました。

きつねの擬声のひとつに「ぐわんげぐわんげ」とかいうのがありますが
この「うがううがう」ってからすの擬声もなかなか面白い字面でありますナ。
さて、先日の25体だとおもったら27体だった連続興行につづきまして、
今月の「和漢百魅缶」いよいよ千穐楽にアップいたしますおばけさんは、
闘牛士ではありません。「あかうで」さんです。
 
あかうで 赤腕

肥前の国は諫早の、多良越えというとうげみちに出たというおばけで、
ふつうの通行人をよそおっていますが、とおりがかったひとのもとに
ちょっと近づいてきて、突然に真っ赤な腕をズバッと延ばしてみせて
胆が消し飛べと言わんばかりにおどろかしてくるといったもの。

もちろん、この手のおばけでございますから
アフターサーヴィスもおこたりません。

ヒャーとおどろいて逃げ走っても、もれなく、
もう一度、「こんなおばけでございましたか」攻勢をかけてくれます(呵々)
和漢百魅缶連続興行

本日は、あしたのハロウィーンにあわせまして
世界のおばけさんがたも色々とつきまぜてお送りする連続興行にて
ドバっと27体、連続アップをさせていただきました。

ささ、こんな面々が出揃いましたわいな。
とざいとーーーざーーーーーーい。

マサン(Masan)
モルモ(Mormo)
まずは「悪鬼害巷」と題づけましての一対。やはりハロウィンですからまずは凄まねバ。

ミン(Hmin)
ファウニ・フィカリー(Fauni Ficarii)
おつぎは「木魅葉疫」と題づけ。木にまつわる縁起うんぬんは洋の東西問わずたっぷり。

ニクネカムイ
ヴィルデ・メナー(Wilde Manner)
つづくは「巨躯大力」と題づけ。大きいものってのはやたらといるんですこれもまた各地に。

シルトル(Shirutru)
インカニヤンバ(Inkaniyamba)
おつぎは「溟巣水棲」と題をこじつけ。片やジジンワニ。片やアラシミズヘビ。ごごぼーん。

サンカルチー
ナック(Nakk)
これは「異魚奇観」と題づけました。ナックにへんな足が生えてるのはアレです、「六物新志」とかのアレ。

かみときいわ(髪梳岩)
ラミニャック(Lamignak)
もうこれは「美髪濯流」との題しか思いつきません。ここーはーくしーもーとーーー。

きばき(鬼馬騎)
フェアリーライズ(Fairy rides)
じゃじゃんと「鬼奇行列」と題つけつかまつった。まさかのおとといの「白頭公」とのストーリー継続展開。

なないろのわかめ(七色の若布)
アダーストーン(Adder stone)
ごく明瞭に「珎貨霊物」と題つけしますた。冷静に考えると七色のわかめって発想が凄すぎると思います。

びゃくえにょし(白衣女子)
ヴァドレアーニュ(Vadleany)
だんだん大変ですが「華容奪魂」と題づけしました。関係ないですが「奪魂鬼」(だっこんき)って音が好きです。
「脱穀機」とかに近いせい?

やじょ(野女)
バボウシュカ(Baboushka)
ワイルドに「山河婦嫗」と題づけしました。あんまり河は関係ない気もします?ごちやごちや言うねェ。

ククイ(Cucuy)
ル・バブー(Le Barboue)
すいっとナと「童児畏怕」と題づけしました。お子様へのしつけに出て来るもの。ちぃちぃももんがぁですナ。

オオノオソオロオフノオ(Oonoosooloohnoo)
アル(Al)
これはおあそびです「或長或短」と題つけまして、外骨サマの「相対画譜」みたいなのをやったマデデス。

こぶんせんせい(古文先生)
ブック・ドライデン(Book Dryden)
ついに今回ラストの一対は「古今書籍」と題つけまして、古いの側を『付喪神絵巻』から古文先生、
モダンブックスの側を『ザ・バトルオブザブックス』の武将からドライデンを引いてきまして
洋の東西、時代の古今をとり揃えてみました次第。

こかぶのないし(小蕪菁内侍)

それでは、これにて明日の、ハロウィーンへのご景物。
いつもながらの連続アップで、まずはこんなところ。

当日昼からじっと見ておられた方も、ヤレヤレ全部出たかいなといま御覧の方も、
ご笑覧、かたじけのうございまするとホホうやまってもうす。

とざいとーーざーーーーい。




(後白)2010.11.3
シルトルのつづりにつきまして、「Shirutoru」では無うて「Shirutru」であると
ご教示たまわりましたので、修正させていただきました。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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