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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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昨日の「和漢百魅缶」は地面の中から出て来たので
本日も地面の中から、「ちよろずのしこお」さんです。
 
ちよろずのしこお

よみの国は、地面の中なのかぃ?と問われると、
ええそうでございますのヨ、と
スッパリ唐竹割りに断言出来ないのですが、

(行ったことは無いので)

まぁ、そこらへんは置いといて。

(大陸では、地べたの下って事になってるので、そのイメージが勝ってるのですナ)

そんな、よみの国にいるひとです。


神代のことをこまかくしるした、というスタンスでつづられた文章
『上紀』のなかで、「おおまがつひ」が地上の人に悪さをしたときに
出て来るよみの国の大勢多士のなかに名前があがってるもので、

やまとことばにからもじをあてれば
「ちよろず」は「千万」――「しこお」は「醜男」――で、
『古事記』などに出て来る「しこめ」の配偶者な方々。


『上紀』のものは、原文から語意がくみとりづらくて
漢字をあてるのが無塚しい名前も割りと多数あるので
まるがな表記で統一しております。あしからず。

(いままでの収録例……「かたぬい」)
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さて本日の「和漢百魅缶」のアップは、
昨日が竜宮城に関係あるものでしたから、
もしもしかめさんで、「どちゅうだいき」さんです。
 
どちゅうだいき 土中大亀

むかし、楚州の街中を歩いていた比丘尼が
いきなり道でうづくまってしまって、

そのまま何日も、ずーーーーーっと
その姿勢から動かなくなってしまったので、
これは大変だ、と、町の人はお役所に報告、

ところのエライヒト、李宗が下官に命じてこの比丘尼を救け起こさせ、
その地面の下が怪しいと、掘らせて見ると、まぁふしぎ、

道の真ン中の地面の中にいたのはデカい亀。

これを早速、水辺に運ばせて放流してあげたところ、
カチコチにこわばっていた比丘尼の体はモトに戻り、
また、普通に動けるようになりましたとやら。


ココから出して!というかめの念が
比丘尼を引き止めたのでしょうかネ?

……とは言っても、「この地下にナニかある」という
すごい判断が発生しなければ、見つからないのですが(苦笑)
めっきり夜が蒸し暑い昨今ですナ。そんな気候の中での本日の「和漢百魅缶」は
むりやり、波音、聴かされる、「ろくべえいわ」さんです。
 
ろくべえいわ 六兵衛岩

陸中の国の和賀郡に住んでいた六兵衛さん(美男子)は
ある年、伊勢参りに行きました。

その道中、船にのろうとしたとき、フッと吹き上げた水面の風に
バサッと飛び上がったのが、六兵衛どんの笠。

そのまま水面に落ちてしまったかと思うと、
それまでの水面の状態からはかんがえられない想像すらできない
ものすごい勢いで笠は吸い込まれたんだとか。

で、

無事に伊勢神宮へお参りもすませた六兵衛っち。
村にかえって来たのですが、直後に急に気分悪し。
ばったりと臥せってしまいます。

安静に養生につとめる六兵衛クンでしたが、
ある日、とつぜん布団からはね起きると、
ひとつの岩に吸い込まれるように入ってしまって
そのまま行方不明になってしまったんだトカ。



ミスター六兵衛は、どうやら笠を落としたときに
竜宮城の乙姫さまに花のかんばせを見そめられて、
ついには竜宮につれていかれてしまつたのじゃろう、
という噂がたつようになって、

六兵衛が吸い込まれていった岩を
「六兵衛岩」と呼ぶようになったんだとかナントカ。


乙姫様は意外に略奪党なのですナ。
グン、グン、グンダララー、本日の「和漢百魅缶」のアップは、
あかい袴と檜扇でかろうじて官女、「たれかんにょ」さんです。
 
たれかんにょ 垂官女 

ほっぺたやおむねがだらりと垂れ下がっていて
腹出しみたいに顔がお腹や胸の部分にもついてる、
といったかんじのデザインおばけで、
さがせばだいぶ古い時代からある感じのものです。

暁斎サンがいろいろおばけを描き込んでいる肉筆の折帖の
ひとコマにも、なんだか狆だかブルドックみたいな顔をして、
お日さまを呼び戻したときの清盛みたいに、檜扇をブワッとあげてる
この手の妖怪が描かれております。へい。
本日のぽん「和漢百魅缶」のアップぽんぽんぽんは
沼川よりもぽんぽん深いところは海の底ぽん「おとなしのつづみ」さんです。
 
おとなしのつづみ 無音鼓

護良親王(もりながしんのう)の御愛器だったというふしぎな鼓で、
はってある革は、フツーのものではなくて、
海の奥底に泳いでいた竜の革をはってあるものだったトカ。

誰が打ってみても、音が鳴らなかったというシロモノで、
のちに、鼓の名手として名を知られた
松尾局(まつおのつぼね)が、この鼓を拝領しましたが、

はじめのうちはぜんぜん音が鳴らせず、
このままでは殿様から手打ちにされる!
という状況になってしまうのですが、

巨大な竜巻に飲まれて以後、これを打てるようになった、
というあたり、やっぱり竜の革のはってある鼓なのネ、とわかる
昔話でありますナ。
本日の「和漢百魅缶」は、昨日の水から流れをついで、
おおきなカープ、「こやなぎぬまのおおごい」さんです。
 
こやなぎぬまのおおごい 小柳沼の大鯉

陸中の国は御明神村、小柳沼にいたという巨大な鯉で、
この沼のぬし、だったというもの。

明治33年(1900)に、村の若い衆、2、3人が
相談しましょ、そうしましょ、ということで
この大鯉を捕獲してみよう!と沼の水を干しにかかったところ、

イッテンニワカニカキクモリ、
しのつく雨に、ごうごうの風、あたりは真っ暗、墨ながし、

ついに雨量は沼川の限界点を突破、
たちまち大洪水がまき起こって
若い衆の住んでる集落を押し流してしまったんだそうな。



110年前、という、意外と最近のむかしばなし。
黄色いおばけ「黄粉坊」と、
その色ちがいサンな妖怪についてのことを

ポッとページにつくっておきたくなったので、
作ってみました。


白い黄粉坊


考えてることが殖えたら、
またページを増やしてみたいと思います。
ゴボゴボガー。本日の「和漢百魅缶」へのアップは、
「虎」じゃないほう、「すいこ」さんです。
 
すいこ 水蠱

「すいこ」という音声をきいたれば、

歴史家は、聖徳太子の時代が思い浮かべ、
本草家は、川の中にいる「水虎」を脳に描くのですが、

医方家は、こちら、「水蠱」をカルテに書きます。

水のなかの毒気を体に多く摂取すると
それが体の中で積聚して、(ポリープっぽくなること)これが発生し、
お腹をゴロゴロ言わせたり、水をやたらと飲みたくさせたり、
という症状が発生いたししたとか。


赤小豆[せきしょうとう]いこーる「あずき」がこれには効く
という薬方の説も伝えられていますが、
現代医学に照らすと、この水蠱は「人工透析ガ必要デス」な病症なので、
小豆だけではやや心細い感もあったりなかったり。
さ、本日の「和漢百魅缶」にプワーッとアップさせますは、
ツキノヤ……は関係ありません。「えんきょ」さんです。
 
えんきょ 爰居

郭璞(かくはく)の「遊仙詩」のなかにも
別名の「雑県」(ざつけん)の名前で「吞舟」(どんしゅう)と一緒に出て来る
馬ぐらいの大きさをしてるというデカイ鳥さん。

『五雑組』のなかではエンキョタベレバウエズ。
といったような事が書いてありますが、

海に住む「猩々」(しょうじょう)はくちびるのお肉が
最上部位のおいしさでござるヨ、と同じ格で、

これをゲッチューして来ておいしく食べて、
「おお、餓えない餓えないハッハッハー」と
おおよろこびした人民は、まだおりませんとのこと。
どろどろどろどろしゅわー。「和漢百魅缶」に本日アップのお方は、
志士は命を捨ててもステキ。「ししき」さんです。
 
ししき 志士鬼

50000ヒット記念イラスト!『涵妖園遊歩之図』」でも
描いたりしてたこちらさん、やっとこさの百魅缶入りです。


こころざし半ばで、悪い大臣や兇漢にプチンと
意を果たすこと出来ず、狡い家老や悪人にポコンと
倒されてしまった志士の霊鬼をひとからげに称んだもの。

ほとんど怖いもの一辺倒でないのは大陸の霊鬼の常。

五月五日に食べる粽(ちまき)のはじまりのむかしばなしに出て来る
諫言受け入れられず入水した屈原(くつげん)の霊鬼も、
コレと言えばこれでがんす。

日本のお芝居などで言えば、
領主の悪政を上様に直訴して処刑された浅倉当吾(あさくらとうご…佐倉惣五郎)とか
藩に清廉な運営をもたらして暗殺された山辺清兵衛(やんべせいべえ…山家清兵衛)などの
ゆうれいがこれに当てはまる感じでがんす。

こちらはお芝居上、バリバリのおんりょー。
ジャプン。本日の「和漢百魅缶」のアップは、
かためとびこみハスしおれ。「きんのかえる」さんです。
 
きんのかえる 金の蛙 

大和の国の奥田の蓮池につたわるもので、
むかしここの池はものすごく綺麗な色とりどりの蓮が咲いて、
この金色の蛙が泳いだり風雅に鳴いたりしてたのですが、

あるとき、あるひとがヒョイっと投げた萱(かや)のくきが
このかえるさんの目玉に一直線に直撃して以後、

かえるはみんな片目になってふつうの色に、

カラフルだった蓮もしほしほしおれて、

すっかり荘厳さは失せて、地味な池になってしまったんだとかとか。


あるひと、というのは役小角のおっかさん、だとも。
はい、そろそろ梅雨ぐもりな季節です。「和漢百魅缶」本日のアップは、
昨日は星うらない、今日は夢うらない。「せいせいそう」さんです。
 
せいせいそう 井生桑

蜀の国の何祇(かぎ)というひとの夢に出て来た、
井戸の中からドゴォーン!と生えてきた、という桑の木。

みょうな夢だったもんで、これはなんなのだろうと思った何祇さん、
そこは昔の大陸。我が国の平安京のお公家どもがお手本にしたごとく、
すぐにコレナニ?ナンノキザシナノ?と、占いに着手です。

するとみちびきだされた占者からの答えは
「桑は井戸に生ずるものにあらず、汝の寿命を示しておるのじゃ」といったもの。

「桑」の字は、当時の字体だと「桒」なカタチで、
十かいて、十かいて、十かいて、十かいて、八の字、

何祇さんは48歳をもって卒しましたのだとやら。


ああ、なんという、知って損する夢しらせ。占いも知らぬが花が咲いてあり。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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