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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
小さくなくて大きいタイプの漂流者。「ななしゃくあまりのおんな」さんです。

ななしゃくあまりのおんな 七尺余の女

万寿3年(1026)4月ごろに
丹後の海に漂流して来た船にいたという、背丈が7尺あまりの女。
船中には飯や酒も積まれてたといいます 。


これに近寄った者がつぎつぎに病気になったので、
人々は船を岸から遠ざけて沖に戻させたソウナ。



『古事談』にはなしのおさめられてるもの。
近世にもこれが再び紹介されてて
読書層には知られる故事のひとつになってもいたようです。




ふたのあるちいさなふね」(蓋のある小さな舟)や
わんのごぜんさま」(椀の御前様)、「ふじのごぜん」(藤御前)などをはじめとした
船やお椀で漂流してくるお姫様たちのはなしとも近づけて考えると
わかりやすくなってくる存在ではあります。


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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
8尺よりも前に出てたやつ。「ななしゃくばかりのにょうぼう」さんです。

ななしゃくばかりのにょうぼう 七尺計女房

7尺ぐらいの背丈の女房すがたの妖怪で、
室町御殿のなかにあらわれたといいます。



『看聞御記』(看聞日記)の嘉吉3年(1443)8月10日の条に記載のある
室町御殿に出たいろいろな妖物たちのうちの一ッとしてあげられてます。



はっしゃくあまりのにょうぼう」(八尺余女房)なども近いもの。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
巨大おはぐろにこにこ。「じょうよのきゅうそうのおんな」さんです。

じょうよできゅうそうのおんな 丈余で宮装の女

「宮装」は御所や御殿で着るような衣裳のこと。



1丈あまりの背丈をした顔の大きな女の妖怪で、
大きく口をひらいて鉄漿(おはぐろ)の歯をみせながら、
にこにことわらいかけて来たりします。



たぬきがこれを見せて道を行くひとをびっくりさせてたトカ。



石川鴻斎『夜窓鬼談』の「狸怪」という題のはなしで、
薩摩藩の武士が東海道の小田原宿あたりでこれに遭遇したことが書かれてます。



6月の「和漢百魅缶」へのはじまりのアップは、
室町に出たよ。「はっしゃくあまりのにょうぼう」さんです。

はっしゃくあまりのにょうぼう 八尺余女房

8尺あまりもの背丈の女房すがたの妖怪で、
室町御殿にあらわれて大きな声を発してたようですが、
やがて掻き消すようにすがたを消したといいます。



『経覚私要鈔』(巻8)に見られるもの。
「旧冬十二月十八日夕」とあり文明3年正月の筆記なので
文明2年(1470)12月18日にこれが見られたというはなしだとわかります。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
突然ばくばく。「ミンダリンマ」さんです。

ミンダリンマ 耳垂馬

ものすごくおとなしく何も大それた行動もしないような、
かわいいンマ(馬)ですが、
人間をばくばく食べます。


沖縄でいわれてる「ミンダリンマん どぅフトゥ ほぉう」(耳垂馬が人を喰う)
といった慣用句に見られるもの。
「なにもしなさそうな存在が思いもよらない大ごとを発生させる」といった意味合い。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
すこたこなまこさけすじこ。「すこたこ」さんです。

すこたこ すこ蛸

あたまのつるつる坊主な蛸(たこ)のこと。
「たこにゅうどう」(蛸入道)などの類。



肥後の国などで言われてた丸坊主なあたまを示す表現で、
「すこたこな和尚」などと僧侶を形容したりもします。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
デッドおに。「おんのしんだつ」さんです。

おんのしんだつ 鬼の死んだつ

「おに」(鬼)の死んだもの
――といった意味合いのことば。


肥後の国などで慣用句として用いられてたもので、
「あとの役に立たない」というときに使われてたソウナ。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
火止める多肉。「のびきゃし」さんです。

のびきゃし 野火消

家の梁(はり)あるいは戸口などに吊るしておくと
火難よけになるといわれてました。


岩躑躅(いわつつじ)仏甲草(ぶっこうそう)仙人絛(せんにんじょう)のこと。
和泉の国など各地で呼ばれてたようで、
「のびきゃし」という呼び方は「野火消し」から来てるようダ
という語源解説が『大和本草』などに見られます。


ちんかそう」(鎮火草)も同類のもの。


摂津の国では野鶏頭(のげいとう]狐火(きつねび)のような赤い花を
「のびきゃし」と呼んでもおり、こちらも火と関連があります。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
燃えない多肉。「ちんかそう」さんです。

ちんかそう 鎮火草

家のまわりに植えておくと落雷よけ、
家の囲炉裏の上の梁(はり)あるいは戸口などに吊るしておくと
火難よけになるといわれてました。



弁慶草(べんけいそう)・岩蓮華(いわれんげ)・仏甲草(ぶっこうそう)のこと。
火に焼けないとされる特徴に基づいて漢土からの知識として入ってきたようで、
近世のおまじないの伝書などにも記載されてました。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
もじゃもじゃ海藻やぶ。「いなあらめ」さんです。

いなあらめ 棘荒布

海の底にいる竹やぶのように茂ってる
背の高い海藻たちのことで、
蜑女(あま)さんたちの命綱をしばしばぐるぐると絡めて
上にも下にも進めなくしてしまい、いのちを奪う危険なものと語られてました。



これらがいる場所は、
良い鮑(あわび)のいる地点としても言い伝えてたそうです。



志摩の国の海などで言われてたもの。
「いな」の語義は未詳。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
絵画やお芝居でおなじみのおかた。「えぐちのきみ」さんです。

えぐちのきみ 江口君


むかし、摂津の国の江口(えぐち)の地にいた遊女で、
その正体は普賢菩薩がこの世に
「生身」のすがたをあらわした存在だったといいます。



むかし、西行(さいぎょう)法師は江口の里で
雨宿りをしたいと頼み込んだ家に住んでた遊女が、
実は普賢菩薩であるということを知り、拝んだソウナ。



能の『江口』に出て来るもの。
「江口君」の霊が旅の僧侶の前に里の娘のすがたで現われて
西行法師との思い出を語ったり、舟に乗って川に現われたり、
普賢菩薩のすがたを見せたりするのが内容。



『江口』の設定は、別々に存在した
性空上人の「むろづみのきみ」(室積君)や「かんざきのちょうじゃ」(神崎の長者)のはなしと、
西行法師が雨宿りをしようとして江口の遊女と和歌のやりとりをしたはなしを融合して、
西行法師のはなしとして出来上がったもの。



『時雨西行』などもこの設定に基づいたもの。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
性空上人がさがしにいった、別の道中。「かんざきのちょうじゃ」さんです。

かんざきのちょうじゃ 神崎の長者

むかし、摂州の神崎(かんざき)の地にいた遊女で、
その正体は普賢菩薩がこの世に「生身」のすがたを
あらわした存在だったといいます。



性空(しょうくう)上人は、お告げによって
神崎の地に普賢菩薩の化身がいるということを知って、
彼女に会いに言ったソウナ。



『古事談』や『十訓抄』でのはなしに出て来る普賢菩薩の生身。
むろづみのきみ」(室積君――室の長者)や、
西行法師と「えぐちのきみ」(江口君)のはなしとは、内容が共通してるもの。


プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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