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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ウシュクミアンマクワヤクトゥ、「ウシュクミアンマ」さんです。

ウシュクミアンマ

沖縄の宜野湾などに伝わる
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。




「宜野主(ジナシュ)宜野主、アイヌマタジ(綾斑)、
 ウシュクミアンマ(潮汲女)クワ(子)ヤクトゥ、ドゥキリ(退いたり)ドゥキリ」
(ウシュクミアンマの子だぞ、どけどけ)と唱えておけば、
決して蛇たちは咬んでこないと言われてました。



むかし潮汲みをしてた女のひとが、
火災に遭って逃げられなくなってる匙飯蛇(はぶ)を助けてあげたので、
その恩返しとしてウシュクミアンマ(潮汲女)の子孫たちは咬まないと
誓ったんだと語られます。



ナカマイスドヌ」も子孫であることを告げるかたちでは近いもの。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
かじやのおとむすめ」さんです。

かじやのおとむすめ 鍛冶屋の乙娘

信濃の国の安曇郡で用いられてた
蛇よけや虫よけのおまじないに用いられてた名前。



小正月につくったおかゆの残りを18日ごろに食べたり、
牛馬になめさせたりしてやるとき、
「へびもむかでもどーけどけ、おらは鍛冶屋のおとむすめ、
 手斧(ちょうな)も鉋(かんな)も研ぎすえて、蛇の胴中切りすえて、
 尾っぽを切られてぴーらぴら」などと唱えておくと、
草むらや山道で蛇に咬まれないともいわれてました。


野道などで唱えるときの「かじやのおとむすめ」(鍛冶屋の乙娘)
にも同様の呼び方が用いられてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
へびもはみも、そちへのけ。「はやとさま」さんです。

はやとさま 隼人様

土佐の国で蛇よけや虫よけのおまじないに用いられてた名前。
「はいとうさま」とも発音されます。



「へびもはみも、そちへのけ、隼人様のお通りじゃ」あるいは
「へびもはみも、そちよれ、隼人様のお通りじゃ」、
「へびもはみもあっちいけ、隼人様のお通り」、
「へびもはめも、先ょのけ、隼人様のお通りぞ」などと唱えると、
草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。




「隼人様」というのは長宗我部家の武将として知られた福留隼人(福留親政)、
「はみ」「はめ」は「蝮」のこと。隼人はたいへん強い武将として知られてますが、
俗にあぜ道で蝮に咬まれて死んでしまったとされており、
そこから蛇よけの言い伝えが発生したようです。



隼人にゆかりのある土佐の国の長岡郡の田辺島には蛇が一匹もいないと言い、
隼人を祀った隼人神社のゆかしたからたまわった土を、畑や家のまわりに撒くと
蛇よけになるとも語られてました。



さなげだいみょうじん」(猿投大明神)などは蛇で亡くなったとされる点で共通点のあるもの。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
かじやのむこどの」さんです。

かじやのむこどの 鍛冶屋の婿殿

甲斐の国の巨摩郡で用いられてた
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。


「へびもむかでもどーけどけ、俺は鍛冶屋の婿殿だ、槍も刀も持ってるぞ」
と唱えておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。




きたみのいえもん」(喜多見の伊右衛門)や「かじやのこむすこ」(鍛冶屋の小息子)などとは近いもの。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
へびいたがっさもさ。「かじやのこ」さんです。

かじやのこ 鍛冶屋の子

羽前で用いられてた
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。



「蛇いた、がっさもさ、俺も鍛冶屋の子だもの、鉈も鎌も研いで来た」とか
「蛇いた、がっさもさ、俺も鍛冶屋の子だものかながらくずに火ぃつけろ」などと
唱えておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。


「かながらくず」あるいは「かながら」は
「かんなくず」のこと。



かじやのむすこ」(鍛冶屋の息子)、「かじやのおとむすめ」(鍛冶屋の乙娘)や
かじやのこむすめ」(鍛冶屋の小娘)と近しいもの。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
じゃなら打ち据え打ち曲げよう、「ふじわら」さんです。

ふじわら 藤原

蛇よけや虫よけのおまじないに用いられてた名前。



琉球でも、蛇に出遭ってしまったらひと息に
「藤原、藤原、どけなれさいなれ、蛇(じゃ)なら打ち据え打ち曲げよう、
 ぐわんじゃーちゅーぶーかちしんて千手観音、あやまだらあやまだら、
 吾が行く道に立つならば山辺のあるじに語って聞かそうや、儀方」と3回唱えると
蛇よけになるなどの唱えごとに用いられてたといいます。



藤原というのは、島袋源一郎『琉球百話』によれば
藤原秀郷(田原藤太)のことを示してるそうで、むかで退治などのはなしから
虫よけ・蛇よけとして用いられてたようです。
唱えごとの後半にある、文斑[あやまだら]……の部分は、
山神や山立姫などに告げるゾと威嚇する、別の系統の唱えごとも合併されてるもの。
「儀方」は5月5日に書いて虫よけとするおまじないの文字。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
胴腹切られてびりつくな。「かじのめいむこ」さんです。

かじのめいむこ 鍛冶の姪聟

信濃の国の佐久郡で用いられてた
蛇よけや虫よけのおまじないに用いられてた名前。



「へびもむかでも出て来るな、おれは鍛冶の姪聟だ、
 槍も刀も差してるぞ、胴腹切られてびりつくな」と唱えておくと、
草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。



正月20日ごろにも、香煎の挽きかすやどんど焼きの灰を家の周囲に撒いて、
枡のおしりを叩きながら唱えごとを唱えてまわると、
家に害虫たちが入ってこないとされてました。



唱えごとの部分は「きたみのいえもん」(喜多見の伊右衛門)や
かじやのこむすこ」(鍛冶屋の小息子)などと近しいもの。
家のまわりに穀物の殻や糟を撒く蛇よけの俗信も重なってくる例です。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
焼き錐焼いてぶっ刺すぞ、「かじやのむすめ」さんです。

かじやのむすめ 鍛冶屋の娘

陸奥の国の津軽郡などで用いられてた
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。


「おらも鍛冶屋の娘だ、焼き錐焼いてぶっ刺すぞ、あぶらおんけんそわか」などと
唱えておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。




かじやのむすこ」(鍛冶屋の息子)、「かじやのおとむすめ」(鍛冶屋の乙娘)や
かじやのこむすめ」(鍛冶屋の小娘)と近しいもの。
焼き錐(きり)が入って来る点は陸前の「かじやのむすこ」(鍛冶屋の息子)などとの共通部分のようです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
こわいものはほかにない。「まむしのぎんえもん」さんです。

まむしのぎんえもん 蝮の銀右衛門

甲斐の国の都留郡上野原で用いられてた
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。



「銀右衛門だ」という名前を告げておくと、
草むらや山道で蝮(まむし)たちに咬まれないといわれてました。



銀右衛門というのは、里吉銀右衛門というひとで、
蝮よけの術を持った人物としてよく知られてて、家伝来の秘法で治療をしてくれたり、
蝮よけのわらびについて教えてくれたといいます。



そのむかし、夜道で大入道と遭遇してもそれに怖じずにいたので
感心した仙人(大入道の正体)から「おまえはおそろしいものは無いのか」と訊かれ
「ここを往来してて怖いのはまむしぐらいだ」と返答した際に、
その秘法を授かったと語られてます。



きたみのいえもん」(喜多見の伊右衛門)や「しむらばんしち」(志村伴七)、
やまぶきぜんべい」(山葺善平)など、蛇よけに用いられる人名の唱えごとは各地にあります。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
焼き錐とおして突っ刺すぞ。「かじやのむすこ」さんです。

かじやのむすこ 鍛冶屋の息子

陸前の国の本吉郡などで用いられてた
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。


「へーび殿、へーび殿、鉈と鎌持って来たぞ、
 俺も鍛冶屋の息子だ、焼き錐とおして突っ刺すぞ」と唱えておくと、
草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。




かじやのむすこ」(鍛冶屋の息子)、
かじやのおとむすめ」(鍛冶屋の乙娘)や「かじやのこむすめ」(鍛冶屋の小娘)と近しいもの。
焼き錐(きり)が入って来るのが少し変わって来る点。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
志村伴七、志村伴七。「しむらばんしち」さんです。

しむらばんしち 志村伴七

武蔵の国の八王子で用いられてた
蛇よけのおまじないやおふだに用いられてた名前。



「志村伴七、志村伴七」と名前を告げておいたり、
「蛇も蝮もどーけどけ、おれは持護子の伴七だ、槍も刀も持ってるぞ」と唱えると、
草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。



志村伴七は、蛇除けの秘伝を持ってる人物として知られてて、
蛇を自由に呼び寄せることも出来たといいます。
『武蔵名勝図会』にも見られ、家伝来の秘法で治療をしてくれたそうです。



きたみのいえもん」(喜多見の伊右衛門)、
やまぶきぜんべい」(山葺善平)など、
「蛇も蝮もどけどけ、○○さまのお通りだ」というかたちに属する唱えごとは各地にあり、
それぞれ用いられる人名が異なって来ます。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
鉈を挿してるぞ、あびらおんけん。「かじやのこむすめ」さんです。

かじやのこむすめ 鍛冶屋の小娘

信濃の国の安曇郡で用いられてた
蛇よけのおまじないに用いられてた名前。



「鍛冶屋のこむすめだで、鉈を挿してるぞ、あびらおんけん」
と唱えておくと、草むらや山道で蛇に咬まれないといわれてました。




きたみのいえもん」(喜多見の伊右衛門)、
やまぶきぜんべい」(山葺善平)など、
「蛇も蝮もどけどけ、○○さまのお通りだ」というかたちに属する唱えごとは各地にあり、
それぞれ用いられる人名が異なって来ます。

かじやのおとむすめ」(鍛冶屋の乙娘)や、「かじやのむすこ」(鍛冶屋の息子)
かじやのこむすこ」(鍛冶屋の小息子)と近しいもの。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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