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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その30。「やまびここぞう」さんです。

やまびここぞう 山彦小僧

山の中にいる妖怪で、やまびこ(こだま)を起こすといいます。



笠をかぶり、一本足の子供のすがたをしており、
ひとが「おーい」などと山や谷に向かって声をかけると、
急いでやってきておなじことばを返して発します。




山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』などで書かれてる妖怪。
会津の山の中で義治郎(よしじろう)という猟師が出遭ったはなしが書かれてます。




野理夫は『おばけ文庫 ぬらり ひょん』のあとがきに、
会津で実際にこのはなしを取材して「そのゆたかな空想力におどろきました」
と強調して記載してます。しかし、『東北怪談の旅』の「やまびこ」のはなしも
舞台が会津であるいっぽう、人名設定や内容が異なるはなしが展開されてるため、
実際に会津で「やまびここぞう」「やまびこ」の伝承情報を採録してたとしても、
作品として書かれたもののどこまでがそれであるかはハッキリしません。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その29。「しょくいん」さんです。

しょくいん 燭陰

岩山に住んでるという真っ赤で大きな竜蛇。
しっほがとても長くて、どこに先があるかワカラナイほど長いといいます。




山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』などで書かれてる妖怪。
「中国・九州地方」にいると記しており、
日本の妖怪として描写されます。



「しょくいん」(燭陰)は『山海経』などに当然記載があり漢土のものですが、
野理夫は、水木しげるが鳥山石燕の絵に拠って描いて紹介したものを参照して素材としたようです。
そのため、昼夜や夏冬に関わる部分の描写が設定に存在して来ません。



「しょくいんにであった人」という存在もはなしのなかに出て来ますが、
この登場人物には名前が特に設定されてません。



今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その28。「さんもんにすむおに」さんです。

さんもんにすむおに 山門に住む鬼

異国の地の山門の上に住んでたという「おに」(鬼)で、
碁(ご)を打つのをたのしみに暮らしてたといいます。



むかし、7人の若者が学問をまなびに異国へ渡った際、
そのうちの藤麿(ふじまろ)という男がこの鬼と仲良くなり、
いつも囲碁でたのしんでました。しかし、7人が祖国へ帰る際、
鬼は「ほかの者は、わしの相手をして遊んでくれることがなかった」として、
あとの6人を全員ぼりぼり食べてしまったので、
藤麿は満腹になって眠ってる鬼を食べることで、6人を連れ帰ったソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 だんまり ゆうれい』の「七人分」というはなしに登場してる妖怪。
この巻は落語から採られたものが主となってますが、野理夫が採集したはなしを
「落語」風にアレンジして載せたはなしもあると書かれており、
そちらにあたるものかと思われます。




漢土の地の楼門山門に鬼がいるのは
吉備真備のはなしなどに見られる要素でもあります。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その27。「どじょうのせいれい」さんです。

どじょうのせいれい 泥鰌の精霊

泥鰌(どじょう)を、いつもいつも好んで
ぱくぱく食べつづけてたひとのもとに現われたという妖怪。



「この世のどじょうを喰い尽くしてやらぁ」と豪語してた
泥鰌好きのふたりぐみのもとに出て来たはなしでは、
泥鰌屋のあるじに化けており、ふたりが声をかけたところ泥鰌そのままの顔になって、
「おれたちどじょうを本当に喰い尽くす気か」と呶鳴ったソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 だんまり ゆうれい』の「ドジョウ屋」のはなしに書かれてる妖怪。
この巻は落語から採られたものが主となってますが、野理夫が採集したはなしを
「落語」風にアレンジして載せたはなしもあると書かれており、
そちらにあたるものかと思われます。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その26。「やかんつる」さんです。

やかんつる 薬缶吊

夜道の森などで「水がのみたいな」と思ってると、
するするすると吊り下がって来るふしぎな薬缶(やかん)の妖怪。
中には甘い味の水が入ってるといいます。



山田野理夫『おばけ文庫 たんたん ころりん』の「やかんつる」のはなしに登場する妖怪。
「妖怪名彙」で紹介されてる「やかんづる」を素材にして書かれており、
中身を飲んだ味の感想が出て来るところが特徴です。




薬缶の中身を飲んだ人間は田中豊太郎という人物で、小諸に向かう道中での
はなし(太った体格なので途中で水が欲しくなったところ、これが出現した)と
舞台設定されてます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その24。「ひとのことばではなすねこ」さんです。

ひとのことばではなすねこ 人の言葉で話す猫

山田野理夫がひとりでつくえに向かって仕事をしてるとき、
どこからかひょっこり家にやって来たという猫(ねこ)で、
ひとのことばではなしかけて来たソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 いったい なんびき』の「あとがき」に
ちょこっと記載されてるもの。同書は動物の妖怪たちが主題になってます。



今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その24。「がき」さんです。

がき 餓鬼
道を歩いてるひとのもとに現われて取り憑くという妖怪。
取り憑かれるとお腹が減って動けなくなってしまいます。



若い男のすがたになって現われて、ひとの持ってる食べ物を欲しがり、
それをもらうと礼を述べてすがたを消したというハナシもあるソウナ。


山田野理夫『東北怪談の旅』などで書かれてる妖怪。



おいねという婆さんが羽州街道をとおって孫娘の家に行く途中に出遭い、
にぎりめしを渡してやったというはなしが描かれてます。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その23。「くびまり」さんです。

くびまり 首鞠

蹴鞠(けまり)をたのしもうと誘い現われるという
公家(くげ)すがたの妖怪たち。


正体は斬首の刑をうけた者たちの霊で、鞠と見えてるのは実は
彼らの生首なのだといいます。佐渡に流罪にあった公家の身近に現われて、
つれづれをなぐさめようとしたとされます。




山田野理夫『日本妖怪集』などに書かれてるはなしに出て来るもの。
くびこり」(くびまり)はこのはなしをもっと敷衍して、
生首を投げたり鞠のようにしたりする妖怪全般としたもの。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その22。「くびこり」さんです。

くびこり 首こり

白いきものを着た、髪の長い美しい女の妖怪。
20から30もの生首を投げて寄越して来ますが、実際には生首はなく、
受け止めた感覚ダケで、気付くと何も無いのだトカ。




山田野理夫「日本の妖怪」(『オカルト時代』創刊号)で紹介されてる妖怪。
仙台や佐渡にいると設定されてます。

見出しに「クビコリ」とあり文中でも「クビコリ妖怪」と書かれてますが、
「生首を蹴まりに」とあったり、「くびまり」(首鞠)という妖怪として
既に野理夫は佐渡のはなしを描いており、「クビコリ」は組版時の魯魚で、
原稿上は「クビマリ」(くびまり・首鞠)であったと考えられます。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その21。「てんじょうなめ」さんです。

てんじょうなめ 天井甞

天井板についた「くものす」をなめて食べてしまう妖怪で、
むかし館林城の田中勇之進がこれを捕らえて、城の天井そうじをさせたといいます。



『妖怪魔神精霊の世界』で山田野理夫が記載してるはなしのなかに登場する妖怪。
鳥山石燕の画像妖怪である「てんじょうなめ」(天井嘗)を素材にして設定したはなしだとみられます。



天井嘗を用いたはなしは、館林城のはなしとは
全く別の「てんじょうなめ」も野理夫は書いてます。



今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その20。「てんじょうなめ」さんです。

てんじょうなめ 天井嘗

天井板についた「あか」をなめて食べてしまう妖怪で、
からだは青くて、金色の髪の毛が生えてるといいます。




山田野理夫『おばけ文庫 下がったり なめたり』の「天井なめ」のはなしに登場する妖怪。
鳥山石燕の画像妖怪である「てんじょうなめ」(天井嘗)を素材にしたもの。



紀伊の国の土左衛門という、家からまったく出て来ず、
ねっころがって暮らしてたぶしょう者の家に現われ、
これになめられた天井がやがて腐って無くなってしまっても、
土左衛門はそのまま暮らしてた、というはなしが書かれてます。




石燕の画像要素を踏襲してるようで、そこから完全に分離されても
(石燕に一切結びつけなくても)成立可能な要素を持ってるところが、
野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。
天井嘗を用いたはなしは、このものぐさな男のはなしとは全く別のものも野理夫は書いてます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その19。「わたりびしゃく」さんです。

わたりびしゃく 渡柄杓

むかし、ある門前町で柄杓(ひしゃく)を売ってた商人が、
そこの神社に一度っきりもお賽銭をおさめずにいつづけた結果、
ある日お店の柄杓たちがみんな飛びあがって、火の玉のようになって
どこか遠くへ飛んでってしまったといい、
「わたりびしゃく妖怪」のしわざで起こったのだと語られたソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 たんたん ころりん』の「とびもの」のなかで書かれてる
はなしに出て来る妖怪で、「わたりびしゃく」(渡柄杓)の名称ダケを用いた作例とみられます。
山形のある門前町という舞台設定で描かれてます。


今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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