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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その18。「つちのこ」さんです。

つちのこ

山の中でころころころと転がって来る
まんまるいもので、ひとに咬みついたりします。



栗(くり)の木の枝で叩かれると弱いそうで、
叩かれるとたちどころにしんでしまいます。
その用心のための用途もあって、鎌や鍬の柄に栗の木はつかわれるんだソウナ。





山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』で書かれてるはなしに出て来る妖怪。
滋賀の山中で松本正平いうひとが遭遇して咬まれ、
医者のもとで聴いたはなしとして描かれてます。



正平が蹴ったところ、そこに赤い口が出来、
何度も蹴ったら口もぞくぞく増えた――という描写も登場しており、
そのあたりが特徴といえそうです。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その17。「ぬらりひょん」さんです。

ぬらりひょん
あおい顔をした妖怪。羽織を着てたりします。



山の中にいるという妖怪で、日暮れどきになると
いそがしそうにしてる家に現われるといい、
ものしずかで閑静な場所などには出ないようです。




山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』のはなしに登場する妖怪。
鳥山石燕の画像妖怪である「ぬらりひょん」を素材にしたもの。


(弊社のぬらりひょんのデザインがブルーでまんまるいデザインなのは
 この野理夫設定にある青いというフレーズを採ったものでもあります)



紀伊の国の和歌山の人里はなれた山中に
庵を結んで暮らしてた太田信衛(おおたのぶえ)という学者のもとを
無理に訪問した殿様の前に出たはなしが描かれてます。
(殿様が無理に来て、あわただしくしてたので、本来この庵にいないような
「ぬらりひょん」も現われてしまったと語られる)



顔があおい(石橋三宣による装画では緑色で彩色されてます)とされる点や、
ちょんまげ頭であったりするなど、 石燕の画像要素を踏襲してるようで、
そこから完全に分離されても(石燕に一切結びつけなくても)
成立可能な要素を持ってるところが、
野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その16。「おとろし」さんです。

おとろし

お寺の山門にいる妖怪で、不信心な人間が立ち入ろうとすると
腕をのばして持ち上げてつりさげ、境内に決して入れないといいます。



真っ赤な鬼のようなすがたをしてます。






山田野理夫『東北怪談の旅』の「オトロシ」のはなしなどに登場する妖怪。
鳥山石燕の画像妖怪である「おとろし」を素材にしたもの。



はなしの舞台は会津に設定されてて、
先祖のお墓参りなどもしたこともない不信心な男のはなしに登場してます。
男はつりあげられたまま、母親のとむらいが行なわれてた寺のなかには
一歩も入れなかったと描かれてます。



石燕の画像要素を踏襲してるようで、
そこから完全に分離されても(石燕に一切結びつけなくても)
成立可能な要素を持ってるところが、
野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。




本日はいよいよ山田野理夫のおたんじょうび。
今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その16。「やまのへび」さんです。

やまのへび 山の蛇

山の中に棲んでる蛇(へび)で、若い人間のすがたに化けて
女に近づき、蛇のたまご(子供)をうませたりします。




山田野理夫『東北怪談の旅』の「ドロ田坊」のはなしに登場する妖怪。
主題は鳥山石燕の「どろたぼう」(泥田坊)を使ってるわけですが、
そちらは本当に最後の一場面に出て来るのみで、はなしの9割は庄内の
アキという怠惰な女房と山の蛇のはなしになってます。




もともとの蛇婿・蛇の子を孕む内容のはなしに、
泥田坊をキャラクターとして添加した――という
構造が読み取りやすい例の一ッではあります。


今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その14。「あかじた」さんです。

あかじた 赤舌

水不足の季節に、田んぼの水門を
舌で勝手にあけてしまったりする妖怪。


河童に似てるけど、あたまの上に皿がないのが特徴で、
いつも赤い舌を出してるすがたをしてるといいます。





山田野理夫『東北怪談の旅』や『おばけ文庫 たたみたたき』などで
書かれてる妖怪。鳥山石燕の画像妖怪である「あかじた」(赤舌)を素材にしたものですが、
津軽を舞台とした水争いと水門が勝手に開くはなしそのものは
赤舌という要素ぬきで存在したものだろうかと思われます。



赤舌本人は水をのむわけではないとも設定されてます。



石燕の画像要素を踏襲してるようで、そこから完全に分離されても
(石燕に一切結びつけなくても)成立可能な要素を持ってるところが、
野理夫による画像妖怪を素材とした作品の特徴でもあります。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その13。「あめふりこぞう」さんです。

あめふりこぞう 雨降り小僧

雨の神様のつかいだという妖怪で、
雨の降るときはうきうき喜んで歩き回ったりします。


持ってるちょうちんをくるくるとまわして
雨の神様に知らせることによって雨を呼ぶことが出来るようで、
狐(きつね)たちが嫁入りのときに魚を雨降り小僧に贈って、
雨を降らしてもらったともいいます。







山田野理夫『東北怪談の旅』や『おばけ文庫 たたみたたき』
あるいは『妖怪魔神精霊の世界』などで書かれてる妖怪。
鳥山石燕の画像妖怪である「あめふりこぞう」(雨降り小僧)を素材にしたもの。




狐とのはなしは陸中の国の下閉伊郡が舞台として書かれてます。



雪には弱いようで、気温が寒すぎて凍ってしまったはなしなども描いてます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その12。「しょうこをかけたばばあ」さんです。

しょうこをかけたばばあ 鉦鼓を懸けた婆

首に鉦鼓(しょうこ)をかけてる老婆で、
かげおんなの出る家から退出した者のまえに
すがたをあらわすようです。



山田野理夫の「かげおんな」(影女)のはなしに登場する妖怪。
鶴岡城の城下町でのはなしでは、帰り道に門前にあらわれてうろうろ歩いてた様子が、
洗馬宿のはなしでは翌朝に鉦をたたきながら「影女をみただろう」と話しかけて来たことが
描かれてます。



今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その11。「かげおんな」さんです。

かげおんな 影女

影のすがたであらわれるという美しい女の妖怪で、
窓から顔をみせたりもしたようです。
女のいない、男しか住んでない家に出ることがあるんだソウナ。



山田野理夫『東北怪談の旅』などで書かれてる妖怪。
鳥山石燕の画像妖怪である「かげおんな」(影女)を素材にしたもの。



『東北怪談の旅』では鶴岡城の城下町にすむ酒井吉左衛門の家に、
妻女の死後あらわれるようになったというはなし、
『信濃化けもの秘録』では洗馬宿の、おとこひとりで経営してる旅篭(はたご)に出た
というはなしが描かれてます。



「影女の出る家には色々な妖怪たちが出て来るようになる」という旨の描写もあり、
このあたりは石燕の填詞にある「もののけある家には」というフレーズから
逆算された連想発展がある模様です。

(石燕の場合は「妖怪の出る家には影女が出る」だけれども、
野理夫の場合は「影女の出る家に色々な妖怪が出る」ということになる)





これとは全然別の「かげおんな」のはなしも野理夫は書いてます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その10。「こりのけん」さんです。

こりのけん 狐狸の剣

妖怪を打ち払ったという由緒の伝えられてたという刀。



詳しい由緒は明確じゃないですが、
名前から想像すると狐(きつね)を退治したときに用いられた刀のようです。




山田野理夫『日本妖怪集』の「江戸の変化」のはなしの最後に出て来る
余談(内容とは直接関係しない)に登場するもの。
野理夫が東北大学日本史研究室で見たと叙述されてて、
「秋田家より委託された刀」と書かれてます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その9。「ごたんだばしのかっぱ」さんです。

ごたんだばしのかっぱ 五反田橋の河童

薩摩の国の五反田橋のあたりにいた河童(かっぱ)で、
茶色い子供のようなすがたをしてます。



飛脚をしてた武士が、この首を刎ねて刀の先に刺して家に持ち帰った。
その後、また五反田橋をその武士が通りかかると
笠をかぶった男に化けた男が首を刎ね、同じように刀の先に刺してすがたを消しました。



その笠をかぶった男の正体は河童で、
河童たちはその夜、武士が河童の首をながめて杯をかたむけてたように、
武士の首をながめてさかもりをしたソウナ。




山田野理夫『日本妖怪集』の「薩摩の河童」で書かれてるはなし。
村田煕『薩摩・大隅の民話』の「河童の首」がベースになって書かれたものとみられますが、
冒頭や結末などもすこし異なってます。





 今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その8。「いとやのばあさん」さんです。

いとやのばあさん 糸屋の婆さん

糸がこんがらがってしまったときは、
「糸屋の婆さん、糸屋の婆さん、こんがらがった糸ば解いて下さい」
と頼むと、 きれいにほどけるといわれてたそうです。



仙台の雨傘屋には、やきもので出来た小さい婆さん像があって、
その像がこの「いとやのばあさん」で、糸を直してくれたり、
どろぼうを懲らしめてくれたり、家の子供と遊んでたりしたトカ。





山田野理夫『宮城の民話』に収録されてるはなしに出て来るもの。
家族から聴いた伝承をベースにしてるものとみられます。
この雨傘屋さんの婆さん像は、のちに近所の家に似た爺さん像があるというはなしを
たまたま耳にしたあと、その家にひとりでに行ってしまって
帰って来なくなったと描かれてます。




「糸屋の婆さん、糸屋の婆さん」といった語句部分が、
モトモトは糸がからんだときに唱えるとなえごとのフレーズとして
存在してたものなのだろうと考えられます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その7。「うみぐも」さんです。

うみぐも 海蜘蛛

海にいる蜘蛛(くも)の妖怪で、
はじめのうちは小さい小さいすがたですが、
いつの間にかに大きくなって、糸でぐるぐると船をからめて
空に吊り上げ、持ち去ってしまうといいます。



山田野理夫『おばけ文庫 よいさ よいさ』に収録されてるはなしに出て来る妖怪。
日本海に広くいると設定されてて、山口県のある海岸で
沖を眺めてた漁師の見たはなしとして描かれてます。


今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
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プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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