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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その36。「くだん」さんです。

くだん 件

とつぜん人間のことばをしゃべったりするというふしぎな仔牛。
ふつうの仔牛として生まれて来ますが
何か異変が近づくと、そのことについて人間のことばでその内容を告げ、
それが実際に起きたころにはしんでしまうソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 いったいなんびき』の「クダン」で書かれてる妖怪。
「きんいちの家が焼けるぞ」と、出火のことについて告げたというはなしが書かれますが、
舞台は特に設定されてません。いっぽう、四国・九州地方に伝わる、と
「くだん」の基本的な部分の解説はふつうに設けられてます。



「よってくだんのごとし」ということばは、この妖怪の言動が正しいことから生まれた、
という部分は活用してるいっぽう、人間のような顔をしてるなどの描写はなく、
ふつうのすがたの牛として書かれてます。






7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その35。「くびきれうま」さんです。

くびきれうま 首切馬

むかし、馬をたいへん乱暴につかう貪欲な長者があって、
節供の日にも働かせつづけてました。
長者の娘が「かわいそうなので、やめてください」と頼みましたが、
長者は怒って馬の首を刎ねとばしてしまいました。
悲しんだ娘はそのまま家から居なくなってしまったといいます。



その直後、ちゃぐちゃぐうまっこの祭りのときの馬の行列のなかに、
首のない馬に乗ったこの娘をすがたを見た――というひとが出たソウナ。




☆ 莱莉垣桜文 附註
山田野理夫『おばけ文庫 いったい なんびき』の「くびきれウマ その2」で書かれてる妖怪。
岩手の盛岡が舞台設定されており、「あとがき」には、野理夫はこのはなしを
子供のときに父からよく聴いてたということを記載してます。



「くびきれうまという妖怪のはなし」という設定自体が、
馬のはなしを「妖怪名彙」などを経由して知られた「くびきれうま」という
妖怪の側に引き寄せて再構成されたと考えられます。





7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その34。「くもふり」さんです。

くもふり 雲降

真っ黒い大きな黒雲のむれで、ぐるぐると渦をまいてます。
悪業をつみかさねた人間のもとにやって来て、
空にまきあげて殺してしまいます。



殺された死体はそのまま黒雲に包まれたまま、
空を浮かびつづけたり、突然に地面に落下して来たりするといいます。





山田野理夫『おばけ文庫 よいさ よいさ』の「くもふり」に書かれてる妖怪。
「くもふり」と呼ばれる以外に「くもおろし」とも呼ばれるといったことが記載されてます。



「かしゃ」(火車)のはなしがベースになっており、
九州に向かう堺丸(さかいまる)という船に強欲な金貸しの婆の死体が降ったはなし、
天草の海のうえに武士の死体が3人分同時に降ったはなしが設定されてます。




7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間延長篇、その33。「おべんがみ」さんです。

おべんがみ おべん神

むかし、おべんという女が川で金のかけらを発見して、
金山を発見しました。しかし、採掘したその黄金を
横取りしようとした男に殺されてしまいました。
男がたんまりと持ち帰った黄金をあらためて眺めると、
すべて石になってたといいます。



おべんは村人によって近くの弁天山に「おべんがみ」としてまつられましたが、
それからは弁天山に男がのぼると必ず雨が降り、「いっししし」と
わらいごえが聴こえるようになったソウナ。



山田野理夫『お笑い文庫 しくじった笑い神』の「オベン神」で書かれてるもの。
舞台は岩手の橋場村、殺したのは高場(たかば)という男と描写されてます。



『遠野物語拾遺』の39話(弁天山のはなし)を素材にして書かれてます。
原話では金山は六黒見(むくらみ)山と具体的にいわれてますが、
殺した男のほうは逆に「悪者」というダケの表記です。
石になってしまったり、わらいごえがしたりするの描写もみられません。



お笑い文庫で野理夫が書いてるはなしは大部分が落語・狂言が材料になってますが、
なかには伝説・昔話などを素材にしたものもあり、こちらも
はなしの描き方や造り方をうかがう材料になります。



7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが
まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間まだちょっとつづけて、その32。「やまびこ」さんです。

やまびこ

一本足の子供のすがたをしており、山や谷で大きな音や声がすると、
急いで飛んで行っておなじ音を返して発します。



夏などには数が増えて、おたがい飛び交ってる際に衝突してしまい、
けがをしてしまうこともあるトカ。




山田野理夫『アルプス妖怪秘録』などで書かれてる妖怪。
日本アルプスの白馬岳などのはなしとして書かれてますが、
会津を舞台にしたべつの「やまびこ」のはなしもあります。




『アルプス妖怪秘録』の小原剛太郎による挿絵は、
カラフルでまんまるい顔に一本足の胴体がついたやまびこ妖怪たちが描かれてます。







式水下流さんがタイトルネーミングをしてくれた
「夏休みだよ 山田野理夫生誕100周年祭り」のタイトル画像に
描いたのが、この『アルプス妖怪秘録』の「やまびこ」さんたちですネ。



7月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、 NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致しましたが まだもうすこしつづけて野理夫特集中。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その31。「やまびこ」さんです。

やまびこ 山彦

山の中にいる妖怪で、やまびこ(こだま)を起こすといいます。



一本足の子供のすがたをしており、山や谷で大きな音や声がすると、
急いで走って行っておなじ音を返して発します。
「やまびこ」が骨を折ってしまったりして走れなくなると、
治るまでのあいだは山でやまびこがしないソウナ。



山田野理夫『東北怪談の旅』などで書かれてる妖怪。
会津で長助という猟師がこれに出遭ったはなしとして書かれてますが、
日本アルプスを舞台にしたべつの「やまびこ」のはなしもあります。



『おばけ文庫 ぬらり ひょん』での「やまびここぞう」のはなしも
舞台が会津であるいっぽう、人名設定や内容が異なるはなしが展開されてるため、
実際に会津で「やまびここぞう」「やまびこ」の伝承情報を採録してたとしても、
作品として書かれたもののどこまでが採集内容を素材にしてるかはハッキリしません。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その30。「やまびここぞう」さんです。

やまびここぞう 山彦小僧

山の中にいる妖怪で、やまびこ(こだま)を起こすといいます。



笠をかぶり、一本足の子供のすがたをしており、
ひとが「おーい」などと山や谷に向かって声をかけると、
急いでやってきておなじことばを返して発します。




山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』などで書かれてる妖怪。
会津の山の中で義治郎(よしじろう)という猟師が出遭ったはなしが書かれてます。




野理夫は『おばけ文庫 ぬらり ひょん』のあとがきに、
会津で実際にこのはなしを取材して「そのゆたかな空想力におどろきました」
と強調して記載してます。しかし、『東北怪談の旅』の「やまびこ」のはなしも
舞台が会津であるいっぽう、人名設定や内容が異なるはなしが展開されてるため、
実際に会津で「やまびここぞう」「やまびこ」の伝承情報を採録してたとしても、
作品として書かれたもののどこまでがそれであるかはハッキリしません。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その29。「しょくいん」さんです。

しょくいん 燭陰

岩山に住んでるという真っ赤で大きな竜蛇。
しっほがとても長くて、どこに先があるかワカラナイほど長いといいます。




山田野理夫『おばけ文庫 ぬらり ひょん』などで書かれてる妖怪。
「中国・九州地方」にいると記しており、
日本の妖怪として描写されます。



「しょくいん」(燭陰)は『山海経』などに当然記載があり漢土のものですが、
野理夫は、水木しげるが鳥山石燕の絵に拠って描いて紹介したものを参照して素材としたようです。
そのため、昼夜や夏冬に関わる部分の描写が設定に存在して来ません。



「しょくいんにであった人」という存在もはなしのなかに出て来ますが、
この登場人物には名前が特に設定されてません。



今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その28。「さんもんにすむおに」さんです。

さんもんにすむおに 山門に住む鬼

異国の地の山門の上に住んでたという「おに」(鬼)で、
碁(ご)を打つのをたのしみに暮らしてたといいます。



むかし、7人の若者が学問をまなびに異国へ渡った際、
そのうちの藤麿(ふじまろ)という男がこの鬼と仲良くなり、
いつも囲碁でたのしんでました。しかし、7人が祖国へ帰る際、
鬼は「ほかの者は、わしの相手をして遊んでくれることがなかった」として、
あとの6人を全員ぼりぼり食べてしまったので、
藤麿は満腹になって眠ってる鬼を食べることで、6人を連れ帰ったソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 だんまり ゆうれい』の「七人分」というはなしに登場してる妖怪。
この巻は落語から採られたものが主となってますが、野理夫が採集したはなしを
「落語」風にアレンジして載せたはなしもあると書かれており、
そちらにあたるものかと思われます。




漢土の地の楼門山門に鬼がいるのは
吉備真備のはなしなどに見られる要素でもあります。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その27。「どじょうのせいれい」さんです。

どじょうのせいれい 泥鰌の精霊

泥鰌(どじょう)を、いつもいつも好んで
ぱくぱく食べつづけてたひとのもとに現われたという妖怪。



「この世のどじょうを喰い尽くしてやらぁ」と豪語してた
泥鰌好きのふたりぐみのもとに出て来たはなしでは、
泥鰌屋のあるじに化けており、ふたりが声をかけたところ泥鰌そのままの顔になって、
「おれたちどじょうを本当に喰い尽くす気か」と呶鳴ったソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 だんまり ゆうれい』の「ドジョウ屋」のはなしに書かれてる妖怪。
この巻は落語から採られたものが主となってますが、野理夫が採集したはなしを
「落語」風にアレンジして載せたはなしもあると書かれており、
そちらにあたるものかと思われます。




今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その26。「やかんつる」さんです。

やかんつる 薬缶吊

夜道の森などで「水がのみたいな」と思ってると、
するするすると吊り下がって来るふしぎな薬缶(やかん)の妖怪。
中には甘い味の水が入ってるといいます。



山田野理夫『おばけ文庫 たんたん ころりん』の「やかんつる」のはなしに登場する妖怪。
「妖怪名彙」で紹介されてる「やかんづる」を素材にして書かれており、
中身を飲んだ味の感想が出て来るところが特徴です。




薬缶の中身を飲んだ人間は田中豊太郎という人物で、小諸に向かう道中での
はなし(太った体格なので途中で水が欲しくなったところ、これが出現した)と
舞台設定されてます。





今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫100周年月間、その24。「ひとのことばではなすねこ」さんです。

ひとのことばではなすねこ 人の言葉で話す猫

山田野理夫がひとりでつくえに向かって仕事をしてるとき、
どこからかひょっこり家にやって来たという猫(ねこ)で、
ひとのことばではなしかけて来たソウナ。



山田野理夫『おばけ文庫 いったい なんびき』の「あとがき」に
ちょこっと記載されてるもの。同書は動物の妖怪たちが主題になってます。



今月は山田野理夫の生誕100周年月間として、和漢百魅缶でも、
NORIO作品からの妖怪たちをまるごとひとつきドシドシおとどけ致します。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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