ほねーほねーほねー。「かいじょ」さんです。

海のなかに棲んでるというもので、
からだの上半分が人間で下半分が魚という
おなじみな「人魚」のかたちをしてるふしぎないきもの。
この骨は細工物に材料になったり
血止め(止下血薬)になったりするといいます。
こちらさん、大陸に伝わっているものなのですが
ヨーロッパの伝説などが流入して以後に設定が固まっていったようで、
骨が薬になる、とかいうあたりは、大航海時代のあとあたりから
目立って見えてくる? みたいです。
日本の「うみにょうぼう」につけられてる本草書などの解説は、
この「かいじょ」の解説がかなり入っているようです。(『大和本草』とかはかなりそのまま)
出現予告はポンポン。「とうけいようどう」さんです。

むかし、楽公滋(がくこうじ)というひとが
勉学にはげんでいた少年のころ遭遇したというおばけで、
夜中に勉強をしてると、ポンポンと皷(つづみ)の音が2回したかと思うと
灯檠(あかりの台)が、誰かが持って歩いてるみたいに
ふわふわふわっと部屋の中をあっちこっち動き出したんだトカ。
楽公滋はこれをあんまり怖がっていませんでしたが、
後日、この話をきいたひとがこれを見に来てびっくりし、
朝になってから灯檠を斧でバキメチョと打ち壊させたところ、
もうこんな事は起こらなかったんですトサ。
大陸の道具の妖怪は、なんともストーリーがおおらかでステキ。
呼び名がながいくなった。「もんのとのようなまっろくなもの」さんです。

徳川時代に編まれた『因幡怪談集』に載ってるもので、
むかし因幡の国の本陣山に夜狩りにいった安陪というひとの前に現われた
というよくわからないふしぎなもので、ニンゲンの頭の上の二三間ぐらい上を
スースー歩いていったソウナ。
安陪をはじめ一緒に狩りに行っていた犬や奴僕たちも全員
からだがすくんで動けなかったと言います。
正体がなんだったのかは全然わかんない感じですが
「天狗」か「山の神」だったんじゃないのかな、と記されています。
ハロウィンにあわせての西洋ものも輸入しちゃう連続アップ興行!!
それでは、ずらーっと15体、参りましょう参りましょう。
とざいとーーーざーーーーーーい。
■ カンネレド・ノズ(Cannered Noz)
お洗濯なかたから今回はアップです。
夜中にお洗濯をしてる怪異ってのはヨーロッパに割とひろくいるそうで
そのうちにまたズラリとならべて「布さらし」でも踊らせたい感じです。
■ シードッグ(Sea dog)
「海」なんとかシリーズのひとつです。猟犬らしいです。
■ オールドマンウィロー(Oldman willow)
日本でいえば「やなぎばばあ」の格です。
柳の木ってヨーロッパの石づくりの家にも似合いますよね
なんとなく薄ねずみ色ががったあの枝の色合いとかも。
■ シュネーフロイライン(Schneer fraulein)
一時期、フロントラインかとかんちがいしてました。
おくにのことばで「雪のおとめ」という意味なんですとさ。
■ からはんにゃ(唐般若)
まさかの、伝承細胞をもたない絵だけしかい妖怪の登場です。
しかも、メイドインジャポン。
■ ドルーデ(Drude)
スリラーやホラーな映画の著名なコレクターでもある芦屋小雁さんの
吸血鬼の本では、「ドルド」の名前で出て来ていて、
これが胸の上にのっかることを「ドルド圧し(ドルドおし)」と翻訳してました。
なんか音だけきくとカワイイ響き。ドルドおし。
■ ホブルディーズ・ランタン(Hobbledy's lantern)
ハロウィンですから、ランタンともして行きますか、なおかたも。
■ ボーマン(Bo men)
日本では、子供をおどかすときつかう魔物な声に
「もー」とか「がー」とかの音が使われていたんだそうですが(既に太古な世界)
ヨーロッパでは「ブー」とか「ボー」って音が使われてたみたいで
その手の音はおばけたちの名前にひそんでいるのぢゃ、――とかいうウワサ。
■ ソトレ(Sotret)
「座敷わらし」っぽいおばけはこの「ソトレ」みたいにヨーロッパにもいますし、
世界的にみても数多くいるみたいです。
■ ニャンドゥタタ(Nandutata)
「最強ふらり火」の南米版みたいな感じのおかたです。
「ニャンドゥ」ってのは大きな陸上をドスドス駆ける鳥をさすスペイン語。
(「最強ふらり火」……百鬼夜行絵巻のさいごにまるい火の玉やお日様ではなく
ふらり火がかかれてるものがあって、それをさしてる我々の俗称)
■ カバンダ(Kabandha)
もろに「刑天」です。それだけ。バナナじゃなくてアムリタをのみます。(虚言)
■ アリア(Aria)
太平洋あたりのものを増やしたかったのでニュージーランドから。
■ ホロマタンギ(Horomatangi)
同様に、ニュージーランドから。
『幕末降臨伝ONI』っていうゲームに「かつおたんき」っていう名前の
魚の妖怪?が出て来るのですが、なんとなく音が似てるので
「ホロマタンギ」っていう文字を打ち込むたびに「かつおたんき」の音が
平行して脳裡によぎる病気を発していました。(おばか)
■ ピクシーアローズ(Pixie arrows)
唐土では、古代人の石器などは雷様のものと思われたりしていましたが
泰西では、ピクシーだとかエルフだとかのものになったりするのです。
ところかわればしなかわり、ちょっとはなしもかわるもの。
■ れんだらにょ(恋多羅女)
世界万国というスケールにはなりませんでしたが、
ある程度ヶ国からアップしました今回の連続興行の主任は
どこにあるのかわからないふしぎな異国(これも万国のうちですので)
そんな中から、女護の島の女帝さまにご登場ねがいました。
そんなわけで、ちょっと時間がおしましたが、
いつものごとく当日当夜に枚数を描いて出しての連続アップ興行
まず、今回もこんなところにて舞い納めでござります。
とざいとーーーざーーーーい。
醗酵され地蔵。「もろみじぞう」さんです。

羽前の国は狩川の冷岩寺のまえに立ってたお地蔵さんで、
お酒を造ったとき、そのもろみをひとすくいかけて上げるとよいと言われていたもの。
ほうぼうの家からこれが来るので
(むかしむかしは、にごり酒を各家でもつくってたので)
各地によくある「塩かけ地蔵」みたいに、からだじゅうがもろみまみれ。
むかし、この大量ぶっかけもろみが腐敗して、とんでもなく臭くなったので、
ある男が「お地蔵さんも難儀だろう」と感じて(ほんとは単純にくさいから)
キレイにそうじしてさしあげたところ、その一家がことごとく重い病気になったそうで
以後は、それをおそれて誰もそうじをしなくなったんだとさ。
もろみをぶっかけられっぱなしでいるのがダイスキだったと見えます。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
Logo:Cyusonzi Ryunosuke
Design:O-Onigami Georgenomikoto
2008 新・妖怪党
Logo:Koorintei Hyousen
YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
Design:O-Onigami Georgenomikoto
2008 新・妖怪党
Logo:Koorintei Hyousen
YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
Design:O-Onigami Georgenomikoto
2008 新・妖怪党
Logo:Koorintei Hyousen
YoukaitoLogo:Cyusonzi Ryunosuke
Design:O-Onigami Georgenomikoto
2008 新・妖怪党