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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
なんでおなかを壊したの。「えんしょうぐん」さんです。

えんしょうぐん 猿将軍

山の中に住んでいる大きな猿の親分。
『西遊記』の孫尊者みたく、たくさんの山のお猿たちをしたがえています。

むかし商州のある医者が突然
見知らぬひとの一団に連れ去られたかと思うと、
そこは山の石室のような場所。

そこに臥せっていたのがこのお猿で、
まわりにいる婦人たちが「将軍はお腹を痛めて困っております」と頼んで来たので、
医者が薬を処方してあげたところ、痛みは平癒したらしく、
お猿たちからあつく礼をされ、お礼の品をもらって帰ったんだソウナ。

しかし、実はこのお礼の品、猿たちが近郷の家から盗んだものだったので、
医者はいらぬ疑いを受けましたが、これは、品物をもとの家に返す事で解決。

すると後日、「猿将軍」たちが医者の家をおとずれ、
改めて、支障のないお礼の品をたくさんくれたので
この医者は、なかなかな富豪になったんだソウナ。


お礼にもらったおみやげが実は近所の家から失くなってた品物だった、という展開あたりまで、
日本に伝わっている狐や狸などのもとへ往診にいった医者の話と大体同じかたちのものです。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おいかけてコロリンコ。「ひょうたんころばし」さんです。

ひょうたんころばし 瓢箪転ばし

阿波の国の池田町に伝わるおばけで、
ごろごろごろとひょうたんが道に転がって来て、
ひとの注意をひいて化かしたりするというもの。

(追いかけていたったらみぞに落ちた、とか
 草むらの中に入ってったので探してたら、もうそこにはいない、とか)

狸の化け種目の一ッだと言われています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
実際は何をしてたのかよく知らない。「なかむらしんえもんのじょう」さんです。

なかむらしんえもんのじょう 中村新右衛門尉

豊後の国の守江浦に出たという武士のぼうれい。
中村新右衛門尉というこの人物は
関ヶ原のいくさに負けて軍船で逃げてきた西軍方の武士のひとりで、
黒田勘解由のひきいる番船にさまたげられた時に
この地で大沈没をしてしまい、海のもくずになってしまったおかた。

船上に乗ってるひとにたびたび取り憑いたりしていましたが、
(このときにどんなことをしてたのかは特に書いてないから不明)
寛永のころ、ある娘に取り憑いた時
泣きながら「わがために法事をいとなみてたべ」と願い込んでおり、
ひとびとが新右衛門の法要をしてあげたら、悪さはしなくなったそうな。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
キラキラフイッシュ!! 「こうろうぎょ」さんです。

こうろうぎょ 黄蝋魚

南の地の湖などに棲んでるというふしぎな魚で、
漢字の表示は「黄蝋魚」

これを一回まるごと焼いてから干しておくと、
暗い中でろうそくみたいな明るい光を発すると言われています。

ある旅の人が旅先で便所に入ったところ
真っ暗い中にボワーーーッチラチラチラと明るくひかってるものを見つけたので

「これは何かこわいもんが便所に住んでる!!」

と思って、灯りを採って来て便所をくまなく探ってみる事に。
しかし、特に邪悪そうなものは存在してないので

「なんだ、気のせいか」

と安心したのですが、また便所に来ると
ボワーーーッチラチラチラとナゾのひかり。

わけがわからなくて怖いので、ついに宿の者に訊いてみたところ

「どれ……、あれあれ、おまえさま、黄蝋魚が落ちちょるがよ、アッハッハ」

便所に黄蝋魚の頭が落ちてたんだトサ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
しーろーいーカーテン。「しろいまく」さんです。

しろいまく 白い幕

丹後の国の竹野郡に伝わるもので、
狸などがおこなう化け種目の一ッと言われていたようです。

夜あるいてると目の前に白い幕のようなものが垂れ下がってきて、
行く手をさえぎるといったもので、強く払いのけると消えますが、
あとからペラン、あとからトサッ、次々と出て来て
しばらくの間は歩くのを止められてしまったと言います。

本日の「和漢百魅缶」へのアップは
地名が長い。「むすこやのはまのひとつめこぞう」さんです。

むすこやのはまのひとつめこぞう 息子屋の浜の一ッ目小僧

豊後の国は海部郡の米水津(よのうづ)にある
息子屋の浜という浜辺に出たという目の玉がひとつだけしかないおばけ。

この浜辺はいろんな貝が棲息してる事で漁師たちに知られてたそうで、
ある日、ここに貝を採りに来た親子が「わぁ、いっぱい採れる採れる」と
船にいっぱい貝をひきあげて篭の中にドッサリ入れておいたところ、
ハッと気づくと篭が空っぽ。

こういうことが数回つづいたので、父親があやしんでいると
灯りの影に一ッ目小僧の姿がチラっ。

「これはまずい!」と子供をひっぱって船に戻り、
浜からものすごい速さで逃げ出したところ
「しまった、せっかく子供が食えると思ったのに」と
一ッ目小僧のぼやきが聴こえたんだそうな。
そんなこんなで、ここのおばけが人間を食べるという事が知れて以後、
ここに漁師たちは近づかなくなったんだトカ。


お話の形としては、四国や九州あたりに多く伝わってるもので
「だきのばけもの」とかとおんなじ感じのもの。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
すごいつりざお。「しながわのなまくび」さんです。

しながわのなまくび 品川の生首

むかし、あるおさむらいが品川の沖で釣りをしていたところ
あやまってつりざおを海の中へボチャン。

そのつりざおをあきらめてその日は帰ったのですが、
別の日、また品川の沖に釣りをやりに来ると、
海の中から例の落としたつりざおをくわえた生首が飛び出て来たんだトカ。

おどろいたおさむらいがそのあとどうしたかはワカンナイ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ウェザーファイアボール。「たかがわごえのおにび」さんです。

たかがわごえのおにび 高川越の鬼火

土佐の国の高知の北、高川越(たかがわごえ)という峠に
夜になると出たという怪火。

峠道から山の頂上あたりに浮いていて、
浮かんでる位置が山の低いところだったらば天気が晴れ、
高いところだったらば天気が雨、という具合に
ひとびとの天気予報の目安としても見られていたそうです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ブレードフラワー。「とうしょうか」さんです。

とうしょうか 刀生花

漢字で書くと「刀生花」で、これまた読んで字のごとく
刀に生えるお花さんでごぜえます。

お廟やお堂にまつられている神像や仏像の持ってる刀などに
黍(きび)くらいの大きさの花をもった小さな草が、
突然群れになって生えて来たりするというものです。

『続夷堅志』には済源関侯廟にこれが発生した時のことが記してあって
そのときの花は髪の毛みたいなかぼそい茎をしてて、花は白かったそうです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
顔がバナナ。「げんしょうぎつね」さんです。

げんしょうぎつね 元正狐

美濃の国の本巣郡に何百年も前から住んでたというおきつねさま。
学門や医薬の知識があって、人々に薬の処方を教えてくれたりもしたんだとか。

『怪談旅硯』には、長らく同地に住んでいたのだけど、
日本一の狐の支配役をしてた老狐が亡くなったので
この元正狐がその替わりとして京都の稲荷山に行くことになった、という話を載せています。

顔がバナナっていうフレーズのもとは
この狐さんが人間に化けたときのご面相に
ほくろがいっぱいあった、というトコロから。だす。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
あんまり出会いたくない。「かぜぼうず」さんです。

かぜぼうず 風邪坊主

美濃の国あたりなどにつたわってる夢の俗信のひとつで、
ゆめの中に坊主があらわれると風邪をひく前触れ、と言われているもの。

「感冒」と「坊主」で「ぼう」つながりなのかどうかは不明です。ごほごほ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
だいぶ年代が近づいて来てるゾーンから、「べんじょのあかいて」さんです。

べんじょのあかいて 便所の赤い手

お便所に出て来るおばけのひとつで、

便所の中で「いま何時ー」ときくと、いきなり現われて時刻を言って来た
という真っかっかな腕のおばけ。

福井のあたりでは昭和10年ごろ、この話がされてたそうですので
ざっと指折りかぞえると、70年くらい前のものですが、

いま現在、こわい話としてしゃべられてるおばけのパターンみたいなものが
既に出来上がっちゃってる初期の年代がそのあたりですので
いまのものと、そんなに感覚はかけ離れておらん感じのものです。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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