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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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5月7日に

連続興行で「和漢百魅缶」アップをしたかたがたの
一束まとめでござい。

(「いっそく」って変換しようとすると出ないな……ぶつぶつ)

アップの順番をじーっと見ていた方のなかには
ナントナクきづいてた方がいたかも知れませんけど、
例によって、例ノゴトク、『蒙求』(もうぎゅう)っぽく
関連性のある一対ごとに並ばせてアップをしたので、
そんなところに触れつつ、ズラーーーーーーーーーーーーーっと。


くびばかりのばけものななつくび
連続興行のはじまり、首位にスタートということで、首なおばけの対幅。
首ばかりのばけものは『古今百物語』にある挿絵をリデザインしました。もとも結構とぼけた図。

てんぐづかみのおさんのてんぐ
首の真上は鼻の下、ということで、天狗にまつわるものの対幅。
箕面山の天狗は撃たれたときのキズを人間に化けて有馬温泉に湯治しにいったりしてます。

こんごういんのあしなまくびさがり
盛者必衰のことわりをあらわす。あがったらさがれ、ということでぶらぶら下がる対幅。
金剛院の足は、江戸の本所とか番町に伝わる「足洗いやしき」そのまんまなお仲間。

かぼちゃのへびしょうがのによいごえ
ぶらぶらさがるはカボチャの実、とつながったところから、ベジタボー!な対幅。
ショウガだいすき!ジンジャーエールだいすき!ガリだいすき!

ぎょふくのかがみしせき
たべたら入るよお腹の中へ。ということでお腹の中から目撃ドキュンな対幅。
『稽神録』に載ってる紫石の取得者・陳さんは、孫が酔っ払って石を割っちゃって斜陽しました。

よはちのよめおにのあぶら
お腹の中には鬼が居る。(節分のときよく言われるコトヴァ)つづくテーマは!でこんな対幅。
与八の嫁っていう呼び名は、なかなかもって妙に味のある呼び名。
 
たいとうがはなのばけものしらんばがたけのねこ
鬼はたびたび化けますドロロン。ということで、海と山の、人間に化けるおばけでこんな対幅。
大唐が鼻の化物は「あやかし」って紹介される時が多いけど、読んでみたらそうでもなかった。

なうなうそりかえし
中入り休憩なコーナー。オリジナルさんのなかからの対幅。
チャットで話題が出たせいで、ついに最近の「なうなう」が加入してしまった。
 
ほいほいどんよびさか
人間に化けるおばけは、ひとに呼びかけてきます、ということで人を呼ぶかたがたを対幅。
呼坂に出て来る左近将監は、神社を焼き討ちしたりしたのが原因で罰があたったんだとか。
 
ごかんのたゆうきゅうのあつがりほぐちなわ
じゃあさー、声を使わず人を呼ぶ方法は? 煙火(のろし)。 ということでに関係ある対幅。
火口縄がのってる『襍土一覧』は、京都の本なので、太夫子国は吉原じゃなくて島原?
 
たておべすおおやまめ
火の対抗馬は水でござる、ということでスイギョノマジワリおフィッシュの対幅。
あ、立蛭子は、魚類じゃなくて哺乳類か…ま、いいや。「たてえぼし」っておばけもこの仲間らしい。

おりづめぬきおはぐろばばあ
魚にお水、おミズは狐(芸者)狸(幇間)というわけでをコンポコっと対幅。
お歯黒婆の出現によって、お歯黒シリーズのレパートリーが増えました。
 
がわんばっちょコヌプキオトグル
おミズはふわふわ川端やなぎ。にまつわる対幅でござんす。
がわんばっちょ、って音の響きがとんでもなくパワフル。河童の中では相当パワフル。
 
どうらくじぞうかめさま
川といえばお地蔵さま。(――このへんから飛躍がとんでもなくなります。
片岡春香センセイもご推薦の百科事典の中に、町のうつりかわりというページがあって
そこに出てくる架空の土地の話の中に川でおぼれた子をまつったお地蔵さんが
過去から現代への土地のうつりかわりをかわらず眺めてるという設定で出て来るのです)
というスペシャルぶっとびによって、お地蔵さん的な信仰対象物の対幅。

とうたぬしげんたぬし
信仰の対象をたよるよりも、自らがそんな対象になっちゃった仙人の対幅。
この藤太主と源太主、浄蔵という坊様が川を渡れず困ってると丸太を山から呼んでくれたとか。
 
けいそくそうけいそう
男の仙人が集合するところは東王父のところ。ことで東天紅(とーてんこー)なの対幅。
鶏窓は『蒙求』から採った呼び名。リアル対句は簫史の簫に鳳凰が寄ってきたという「簫史鳳台」

ようめいかいひだるぼう
鶏が鳴きます朝はまず、ごはん食べなきゃ動けません。食べることに関する対幅。
姚明解さん、地獄にいるくせに結構ひんぱんに友達のもとに出て来てます。地獄って実はひま? 

ほろどぬまのぬししょうじんがいけのぬし
「食べる」といえば「飲む」。昔話で人や者をのみ込んじゃう沼や池の主さまの対幅です。
「ほろど沼」ってなかなか思いつかない地名ですね。やっぱり北奥羽にはこういう地名が多い。

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和漢百魅缶」は、本日の(2020)「わうわう」さんを持ちまして、
サイト容量調整とタグの変更作業、見やすさの向上工事を展開のため、
アップの作業が一時お休みとなります。わう。

「苧うに(おうに)」とか「うわんうわん」とか言う名前がついて
絵がのこされているものの、モトのほうをたどっていくと、
こういう名前が基本だったのかな? と思われる
狩野家に伝わるデザインおばけさんのおひとつ。

ですが、
最近、妖界東西新聞で何回か登場してる「おとろし」の「音呂志さん」や、
すでにアップされてる「うわん」などと同様に、
こっとんきゃんでいでは、こんなに女のコ女のコなおデザインに。

なっとります。

わうわう

「和漢百魅缶」、工事作業します、とは言っても
別にページのリンクを抜いたりせず、に、
替えの作業が出来た所からタグなどは更新してゆきますので、
フツーに見物なさる分には、いつもと同様、差しさわりありません。
いままでどおりサランパァ~とご覧下さい。

歌舞伎座の改造工事よりはお時間かけませんので。
へぃ。



ほんとは昨日(2月22日)に「2020」とうたつ!! だと
なんだか数字がイイ具合~、になったんでしょうケド、

まぁ、そこいらへんはイイです。


「2222」とうたつ!! を狙ってたら、
十二指腸が大ジャンプするほど苦しんだでしょうケド。(笑)
ごもくずしによって、冷蔵庫内のでんぶは、だいぶ、
食物連鎖のうずの中へ淘汰されました。(笑)

そんな本日の「和漢百魅缶」は、食物連鎖というフレーズを活かしつつ?
ハンティング、フィッシング、「つりおんな」さんです。
 
むかし、ある池の中に、両手おっぴろげた以上の
デカさをほこる巨大な魚、つまり、ヌシですな、
そんな魚がいるですよ、などという噂をみみにして、
ある釣り好きの男が、

「よし! オレがいっちょゲッチューしてやるか」

と、考えて、つり道具をかかえてエッチラオッチラ、
池について、糸をたらして、じーーーーーーっ。

やった! 糸ひいてる! ひいてる!
――と、急いで上げたそのサオの、先に浮かんだその影は、
巨大なサカナ、ならぬ、華麗なビジョ。
糸の先に釣り上がったその美女が、
いきなり顔を前に向けて、ニッコリとほほえんで来たので
男はドギモをぬかれて、サオ放り出して、
自分の家まで猛逃走。

戸をとざしてガタガタ震えていたそうですが、数日後にぽっくり。
ヌシを釣ろうなどとは考えぬことじゃ、という昔話。

つりおんな 釣女

昔話中に、固有名詞な呼び名は無かったので、
おんなのこが釣り上がる、ってところからの連想連環で
歌舞伎の松羽目物(狂言をモトにしたお芝居)の演題から
字句を持ってきて、項目名に致しますた。
冷蔵庫内の、桜でんぶの賞味期限が近いので
ごはんがおピンクな日々です。

そんな本日の「和漢百魅缶」にアップ致しますのは、
ごはん時刻に出るとヤッカイ。「なべとり」さんです。

鍋を火にかけていると、天井がガタゴト鳴り出して
手がニューーーーーーっと、のびて来て、
その鍋をかっさらって行ってしまうというもので、

むかし、これが何回もつづけて出没するので
ずーっと空き家になりっぱなし、てな物件があったそうナ。
 
なべとり 鍋取り

デジタルとアナログを半々に調合して、
ちょっと軽いタッチの背景。
スイッチ一本で、瞬時に、刹那に、
どんな大きな版面でも光速に取り込める
絶大なる画像スキャン技術がポンっと開発されないものじゃろうか、
などと妄想しつつスキャナーを駆動させてますが

本日の「和漢百魅缶」のアップさまは
ねんねんころりよ、「ねんねんぐ」さんです。

赤ちゃんの泣き声をするおばけ、といえば
大著名なところで「こなきじじい」とかがいますが、
こちらのキツネさんも、そういうワザで
人間をビックリシャックリさせるお方。

ねんねんぐ

夕暮れも進んであたりがうすぐらくなって来たころ、
山の中を歩いているひとの耳の中に、
赤ちゃんが泣いてる声や、それをあやして歌ってるような人の声を
うっすら、ぼんやり、ときどき、はっきり、響かせて
うすら寒い気分にさせましたとか。
 
その時のこもり歌の声が「ねんねんぐー」と聴こえるので
こんな名前で出ています。
時刻が早朝になれば早朝になるほど、
ファックスの紙送りのズズズズ…って音が
エキサイティングに鳴るような気がする昨今です。

とか言いつつ、本日「和漢百魅缶」にアップしますのは
出たり入ったりかくれんぼ。「ほうそうのみや」さんです。

越後につたわるもので、
四角いお宮のなかに、イタチみたいなのが
何匹も何匹もすみついていて、

そこに出入りしている姿が急に見えなくなったなぁと思っていると
どこかで疱瘡(天然痘)が流行して、

これがお宮に出入りしてるのが見られるようになるのは
その流行が終息してるのと同じぐらいのタイミング、

ということがあったことから、
疱瘡をもたらす疫病の神様の使いなんじゃないかと
思われて、「ほうそうのみや」と呼ばれるようになりましたんだトカ。
 
ほうそうのみや 疱瘡宮

描いてると、ペット屋さんのフェレットコーナーにただよう
あの香りのイメージがお鼻にいっぱい。もりだくさん。(笑)
妖界東西新聞の今日の号は、
急遽入って来た藤田まことサンの訃報をうけ、
もともとアップしようとしていたニュースを差し戻して
追悼ものに変更しました。

体調復帰途中の急逝なので、
惜しいこと、この上ありませぬ。 黙祷。

……………………………………

本日の「和漢百魅缶」のアップは
歯に痛みを与えます、「せきちゅうし」さんです。

せきちゅうし 赤虫子

手もとにどんな形かの資料はなかったので、こんな形に。
きんかん葛湯ってのを飲んだんですけど、
こんなもんだろ、と目分量でお湯をいれたら
なっかなっかのドロンドロンっぷりで、
コップをかたむけても、口に届くまでが、のたのた鈍行列車でした。(笑)

のったのったと進むといえば、てなことで本日の「和漢百魅缶」は
うみへび様でござります、「うじゃ」さんです。

しっぽの先にパープルにきらめく宝珠がついてる、
という海蛇で、これが現れるのは豊年のしるし、というもの。
 
うじゃ 海蛇

しっぽに宝珠が付いとります、というのは、
弁天さまをまつっているお宮などに飾られてる
図像とか絵馬とかにある白蛇の絵にもあるものですが、

豊年の予言がありました、とのフレコミで売り出されたりしていた
「神社姫」の画にある、しっぽの先っちょの剣みたいな形の物も、
こういったものと関連性の深いものなんでしょうナ。うん。
いまさっき、某サイトのお天気表示の「雪」にあたるイラストを
はじめて目撃しました。(笑) 見かけたこと、ありそで無かった。

などと、めずらしいものをみた直後にデータを作った今日の「和漢百魅缶」は
ぷかぷかとびます。「むじながさ」さんです。

笠がふわふわ浮いて飛んでる、といったもので
その正体は、姿をひそめたムジナが
しっぽをヘリコプターみたいにぐるぐるまわして
笠を浮かせているんだトカ。
 
むじながさ 狢笠

最近の噂話は、よくわかんない正体不明のものを好んで飛ばせたがりますけど
昔の噂話ってのは、具体的な、身近なグッズを飛ばもの方が多いのですよネ。
ここらへんの感覚の差、かんがえてみると面白いかもデスナ。
単に資料のノートから調達している昔話をよりぬいてるので
別に、某団体がゴチャゴチャだの船室にどうのこうのだの
といったニュースがあったから、というワケでは……、
多分ないのですよ、ハイ、そうなのですよ、ホエール。

とか言いつつ、「和漢百魅缶」に本日アップしますのは、
雷公 VS くじら。「らいとう」さんです。

むかし、唐のころに雷州の地で発生した
雷公(かみなりの神様)と、海のくじらたちの大闘争は、
ピカピカバリバリ雷は吹っ飛ぶわ、
ギャーギャーゴウゴウ叫び声は響きまくるわ、で
相当のスマッシュ!でまくりの大乱闘。

一週間ちかくもそれが続いていたある日のこと、
連日ひびいていた音が止まって、ちかくの村人が
「アア、やっとたたかいおわったのことよ」
と、海辺に出て来たら、すっかり何も居なくなってて、
どっちが結局、勝利をおさめたのかも、わからずじまいだったそうです。

(ただ、海面は真っ赤になってたそうですが――コワイ――)

雷公たちの攻撃は大体想像がつくのですが、
くじらたち、どうやって大乱闘してたんでしょうかね、
そこらへんのほうが気になります。(笑)
 
らいとう 雷鬥

「らいとう」の漢字表記、「雷鬥」は、「雷闘」でもいいんですが、
まぁ、原典にしたがって「鬥」の字のほうにしておきました。

でも、パッと見たら「かみなりもん」かと思っちゃいますナ。「鬥」の字。
もう小学校のころから知ってるゲーム屋さんの店名が
今日、みてみたら突如、変貌していて、
(店舗や店員さんはそのまま、本当にただ改名したダケ)
一体ナゼに? しかもなんで2月に? と、悩んだりしましたが、

そんな本日の「和漢百魅缶」は、
山に出ます、山びとではないです。「やまとび」さんです。

山のなかを歩いていると、木の上の方から
ガサッガサッという何かが飛び跳ねてるような音がきこえて、
歩いても歩いても、それがついてくるよ。――と、いったもの。


音に対して人間の警戒意識が動いちゃうあたりから発するもので、
この手のものはやたらとあったりするんですが、

深々とした山とか森とかには、思った以上に音が聴こえてこない、
みたいな場所も、ポッカリ存在してたりして、
むしろソッチの 「若干、完全無音」 です、という方が
怖かったりするかも知れません。(笑)
 
やまとび 山とび

(注)
初掲載時に文字数が極端に少なかったのは
某サイトの接続環境が非常に悪くて、時間ギリギリだったためです。(平伏)
万城目正(「あの丘越えて」)古賀政夫(「崑崙越えて」)、
古関裕而(「高原列車は行く」)、佐々木俊一(「桑港のチャイナタウン」)、などなど、
古い歌謡曲のメロディーメーカーだいすきっコのひょーせんにとっては、
玉置宏さんの入院+訃報のニュース経過は、ショッキングでした、
(最近は、なつかし歌謡曲の番組にも出演してなかったし…オシイ)

そんな、今年の西暦と同じ数、2010体目の「和漢百魅缶」は
いっぱいかついでエッチラホー、「わらかつぎ」さんです。

昨日は薪(まき)で、今日は藁(わら)、
なんだか火気厳禁な素材がつづいてますが、

わらかつぎ 藁担ぎ

こちらのおばけは、
いーーっぱいのワラをかついだ人が
道の向こうからゆるゆる歩いてきて、

パッと、
すれ違う、

ふーん、いっぱい荷物で大変そうだな、どこまでいくのかな、
それにしても随分な量かついでたなー、……などと考えたりしつつ、
ふと振り返ってみると、さっきすれ違ったばっかりなのに、

ワラの山をかついだ人はどこにも居ない、消えてます、――といったもの。


ひと通りのうすい田舎道とかじゃないと、
この独特のゾクゾク感覚は生まれないですネ。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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妖界東西新聞 日刊紙だから まいにち更新中

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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