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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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和漢百魅缶」2010年1月の千穐楽なアップは、
ボウズのコロモを着てごじゃれ。「ほうぞうじのねこ」さんです。

信州の法蔵寺という寺につたわる昔話に出て来る猫で、
夜毎に和尚さんの法衣を持ち出してはそれに身をつつんで
他の猫の前で、説法談義をするようなしぐさをとってたといいます。

ほうぞうじのねこ 法蔵寺の猫

そのことが和尚さんにバレてしまったために
「化けるのがバレちまったか」――と、お寺から姿を消してしまいますが、

そののちは、いくつかつたわってる猫の昔話のパターンで、
化け術をつかって、お寺にニュー檀家さんを呼んだりするなど
なかなかの恩返しっぷりをつとめたネコさまでございますニャー。
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和漢百魅缶」2010年1月30日のアップは、
いつもお世話になってる用具。「ふでおばけ」さんです。

文明の最先端(笑)ペンタブにも負けず、
おもに、書き文字をしたり、ベタをぬったり、なアナログ作業、
ここ最近はテレビで、カラフル&アグレッシブなお習字があったり、
まだまだ強固な態度の筆記用具【毛筆】。

それが他の道具同様に、古くなって化けたものがコチラ。

ふでおばけ 筆おばけ

色塗りにかかった時間。
うちわけ。(笑)

本体――5分
背景――55分
和漢百魅缶」2010年1月29日のアップは、
実際は、ツルっぽい、だけ。「つるのばけもの」さんです。
 
先日のちょうちん落としに引き続いて、
またもや夜道でそうぐう! な、おばけさんです。

夜中、水辺を歩いていると、目の前に
ツルが飛んでるみたいな形のものが、
ふわーふわーと見える、といったもので、
特にそれ以上のことはなにもない、といったもの。

つるのばけもの 鶴の化け物

夜道に出て来る率の高いおばけっていうのは
ひとに何かを物理的にしかけてくる、というより、
音とか光とか、視聴覚にうったえかけてくるのが豊富ですよね、

それにしても、なんで、
「ツルみたいな形のもの」って限定されてるんでしょうかね?
よっぽど、首のながーーーーーーい部分が目立ってた、とか、
森蘭丸か某航空会社のマークみたいに羽を丸くおっぴろげてた、とか
したんでしょうかね。ナゾです。



――とかいったことはおいといて、
ツルとかハクチョウって、リアルに目の前で見ると結構デカイ。
和漢百魅缶」2010年1月28日のアップは、
最近は、めっきり出番の無いワザ。「ちょうちんおとし」さんです。

お月さまのひかりを除くと、ちょうちんが唯一の照明だった時代、
その明かりを、どこからともなく、一瞬のうちに叩き落して
あたり一面を、まっくらまっくらにしてしまう、というもので、

狸や狐、カワウソ、といった、化け動物のワザとされていた事のひとつ。
 
ちょうちんおとし 提灯落とし
狸や狐の場合は、「油を好むから、ろうそくを取りにくるんだ」という
ちょっぴり合理的な風味のある俗説がつたわっています。

カワウソが、昔話の化かし役として、顔をきかせている
加賀とか能登のほうでは、これも主にカワウソの仕業とされていて、

どういうところからきたのか、根本的な理由は知らないのですが
「カワウソは赤い紙のちょうちんがキライ」とかいう俗説もあって、
一部で赤い照明器具は、この「ちょうちん落とし」除けに使われていたんだトカ。


ここらへんの設定が面白かったので、
イラストではカワウソさんをチョイス。
ブロック壊すマリオみたいに、下からジャンプです。
和漢百魅缶」2010年1月27日のアップは、
行楽シーズンの置き土産。「のじゅくび」さんです。

山にキレイな花が咲く春、色づく葉が照る秋、
おべんとうなどを持って物見遊山にやってきた人たちの
話し声やたのしむ声などが聴こえて来る、という火のおばけ。

のじゅくび 野宿火

天狗などが山の中で話し声をたててきたりするものに
ちょっと近いカンジのもので、
どこからくるのかわからない音がきこえて、ふしぎ。といったもの。
和漢百魅缶」2010年1月26日のアップは、
山道、細道、けもの道、十分注意。「やまいぬ」さんです。

肉食のケモノ、オオカミがまだ山などを歩く旅人に恐れられてた頃
山々でひろく伝えられていたもので、

群れをなして、あるいは個体でひとの後ろをつけて来て襲ったり、
術のつかえる技巧派になると、大入道をひとの前に立たせて
そのひとが「なんだこりゃ、でかい!!」と、顔を見上げた瞬間に
のどもとへガブブリ、と喰い付く、なんてわざを使ったりもしましたトカ。
 
やまいぬ 山犬

いまとなっては、山に出る怖いケモノは、クマとイノシシぐらいに。
……あ、イノシシは最近、駅前とかにも出没しちゃいますがネ。
和漢百魅缶」2010年1月25日のアップは、
どうぞギブミーライトをおくれ。「ひをかせ」さんです。

淵の主のしわざ、と言われている昔話で、
剛力を誇っていた力自慢の男が、煙草を吸いながら歩いていると
うしろから見知らぬ小さな女のコが「火を貸せ」と言って来たので、
軽くあしらっていると、

たちまちに何だかわかんない衝撃に襲われて
力自慢は気絶してバッタリ、――と、いったお話。
 
ひをかせ 火を貸せ

「かっぱ」の出て来る昔話には、いくつか似たようなものがあるパターンで、
村の力自慢が夜道を歩いていると、うしろから小さな小僧が出て来て
「相撲をとろう」というので、軽く投げ飛ばしてやる、と

力自慢が組み付いたところ、なぜか体が動かなくなってしまうし、
小僧に手がペットリくっついて離れない、
困り果ててそのまま朝がきて、よくみてみたら
小僧はただの岩でビックリ、――と、いったのがその一例。
和漢百魅缶」2010年1月24日のアップは、
ちょっぴり生えてるおツノ。「けんりつかく」さんです。

「繭栗」(けんりつ)っていうは、まだ生えたての
ちいちゃい牛のツノを表現する熟語。

同様に、ツノが生えてる鬼の子も、生えたての頃は
ちいちゃくて、かわゆきものでしょう、という
成長過程が想像されて出来ている、しろもの。
 
けんりつかく 繭栗角

全然カンケーないですが、さっき
テレビのチャンネルをコロコロ変えてたら
テレビショッピングで、商品の大きさとかを示してる画面の右上に

「デザインは異なります」

というテロップが出ていて、スゴイ説得性だな、と思ったりしました。(笑)


和漢百魅缶」2010年1月23日のおばけは、
オリジナルさんの中から、「ねじぎし」さんです。

『秘術の国クランヴー』の名づけ親、夢紫樓ニイさんと
むかし一緒にデザインしたもの、を、アップでございます。

カンタンにカイセツすると、ネジに手と顔がついてるもので、
実際、ネジを買って来てペタペタまわりに肉付けをすれば、
『MOTHER2』のキャラクターフィギュアみたいな
立体物もアラかんたんに作ることも出来る、のですが、

この、バカでかいあたまのベロベロが
絶対、重心バランスを天地崩壊させると思うので
つくる気は、かぎりなくネーじぇ。(苦笑)
 
ねじぎし 捩子軋

ネジが金物、ということで、「一本だたら」がそこはかとなく
デザインにとりこまれているのは、裏な設定事項。ぴょんぴょん。
和漢百魅缶」2010年1月22日のアップは、
妖界のちょぴっとだけ出てますエキストラ、「くちみつ」さんです。

絵草紙で、デカイ妖術使いとかおばけが出てきた時に、
一緒になって出て来る「こもの」なおばけの群れが出て来る時があって、
そんな時に、まれに顔を出したりしてるのが、

この、「そら豆に目がニョッキリ生えた」ような頭のおばけさんで、
多分、そういった絵草紙を参考にして描いたんだろうなーという感じの
おもちゃ絵にも登場してたりするのですが、

あいにくエキストラさんなので正式役名などはナイ、
ので、今回も、事務作業のために呼び名をデッチあげました。(笑) 

くちみつ 口三箇

でも、実際のところ、江戸時代の絵草紙、そのうちでも
いちばん種類と絵柄が高度に達した「合巻」の中には
こういったエキストラなおばけさんの群れが登場するような作品は
ほとんど数えるほどしか無いので、

実際のところは、江戸末期以後はおもちゃ絵とかの方が
この手のかたがたは、見つけられる率が高くなっております。ハイ。
和漢百魅缶」2010年1月21日のアップは、
たぶん、火の車の基本用材(笑)「しゃくせんだんのき」さんです。

幻花情史が『無飽散財図会』(あかんさんざいずえ)に搭載させた
「借銭」(しゃくせん)と「栴檀」(せんだん)をミキサーしてつくったヘンな木で、

国中に火がふりそそいで来るという「火の降る国」の首都・スカンヒンなどに
ムゲンに生えていて、いくら切り払っても生えてくる、といった設定。
 
しゃくせんだんのき 赤栴檀の木

この手のコトバからデザインされたヘンな木の中には、
やたらと経済にまつわるものが多くて、
明治のころには、「経材市場」(けいざいしじょう)とかいうタイトルをつけて
この手の木を何十種類も並べ立てたりしてる戯文があったりもします(笑)
和漢百魅缶」2010年1月20日のアップは、
「にんげんになりたい」が叶うと、こうなるです。「もといぬ」さんです。

人間になりたいです、と神様に願をかけた結果、
人間の姿になることが出来た白いワンコで、

ついつい、犬のときのクセが出て来ちゃったり、
犬のときにやってた事をそのまま言っちゃったりして、
ギャグになってくるという、「元犬」と呼ばれる落語に出て来るもの。


ドラクエIVのホイミンの「にんげんになるのがゆめなんだ」
ていうせりふを聞くと、つい、この落語を思い浮かべます。(笑)
 
もといぬ 元犬

絵に描いたところは、人間になりたてのワンコが
「ひとってのは素っ裸じゃいけないからなぁ……」
ということで、神社のてぬぐいを取って来てつくろってみた
はじめてのコスチューム(笑)から。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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和漢百魅缶wiki 検索用に。

2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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