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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
幽閉されてるやつ。「おきつだい」さんです。

おきつだい 沖津鯛

駿河の国の沖のあわびが多く採れる岩場の洞穴の中にいたという、
ものすごく大きなぬしのような鯛(たい)。



もぐった蜑(あま)たちが近づいたりすると
驚き怒って動き回ったりしておそろしかったそうですが、
洞穴のさけめよりも図体が大きくて
外に出ることは出来なかったといいます。
こちらからも顔あたりしか見えないため、全体の大きさとなると
わからなかったトカ。





『譚海』には、稚魚だったころに洞穴のさけめから中に入って、
そのまま年をへて成長した結果、外に出られなくなったものと記してます。




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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
こりこり来迎。「こりのぼさつ」さんです。

こりのぼさつ 狐狸の菩薩

蜷川新右衛門(にながわしんえもん)が亡くなる直前に、
屋敷に現われたという西の空から来迎した菩薩たち。



家の者たちがありがたやと拝んでいましたが、
新右衛門は「念仏往生を願ってない者のもとにこのようなことは起こりようはない」
と起き上がって弓を射かけると、それは狐狸たちが化けたいたずらだったソウナ。



蜷川新右衛門についての説話にみられるもの。
『本朝語園』では「皆功を経たる狐狸にてぞ有ける」とあるのですが、
「狐狸」という熟語が「きつね」をさすのか
「きつねとたぬき」をさしてるのかは不明瞭です。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
おさる生成のパターン。「へいさらばさら」さんです。

へいさらばさら 平佐羅婆佐羅

ふしぎな石。えんこうなどの猿(さる)が
猟師から弓矢や鉄砲できずを受け、それの癒えたあとに生じるこぶが
これになったりすると語られてたりもします。




「へいさらばさら」や「ごおう」などといった
鮓答の類が、どのように出来るかについてを説明する文脈にみられる
へんな発生説の一ッ。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
ひつじのあしあと」さんです。

ひつじのあしあと 羊蹄跡

蝦夷地の東にあるシリベシ山のてっぺんにある湖には、
ふしぎなことに泥に羊(ひつじ)の足跡のようなものがびっしりある
といったはなしが語られてたりしたソウナ。


山崎美成『海録』巻13には「湖の汀は皆泥なりその泥に羊の足跡ひしとありといふ
奥地のシリベシ山を日本紀(斉明五年)に後方羊蹄[しりべし]とかかれたると
此蝦夷の山と同名にして其文の如く羊の住めるはいと怪しと蝦夷へ往来する人語りし」



――とあって、『日本書紀』の斉明紀に記されてる、
蝦夷地に政所が置かれた場所「後方羊蹄」(しりべし)と、
たまたま文字づらが合ってしまうという妙さが語られてるわけですが、
「後方羊蹄」の「羊蹄」(し)は植物の和名からつけられてる仮字で、
別にひつじではないとのハナシ。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
三光があたまにある。「さんこうのうし」さんです。

さんこうのうし 三光牛

ひたいに日月星を示す模様をもって生まれた牛(うし)のことで、
弔事の起こる兆しとして生じるといわれたソウナ。



このような文牛が、高貴なおかたの葬儀の牛車の牛になるために、
こういわれてたようで、生まれたときは
非常に大切にとりあつかったといいます。


あけましておめでとうございます。
本年も「和漢百魅缶」へのアップのはじまりの日、
毎年恒例の連続アップ興行でございます。
今回も12体を連続でぼんぼんごごん、とお送り致します。


とざい、とーーーざいーーーーーーーーーー。




ごそくぎゅう(五足牛)
うしどしですから、やっぱり牛からはじまってしまうのは
安直ですが、大陸の五行志のなかにある牛禍の例から
まずはこれをひとつ。もぉー。

りょうとうしそくけい(両頭四足鶏)
もぉー。大陸の五行志のなかからこちらの牛禍ですが
こっちは牛からふしぎなものが生まれるといったタイプのもの。鶏です。
四本足の鶏というのはこういう妖怪としての発生率はあるようで
日本でも『日本書紀』に「よつあしのとりのこ」(四足の鶏子)がいたりもしますネ。

こけらおけっこ(鱗鶏)
鶏が出たので、『妖界東西新聞』で「農作妖怪」さんと共演したりしてた
こちらのコケココーさんも描いてみました。

きょだいなるはくぎょ(巨大なる白魚)
明治の新聞だねのなかから、正体不明だったおさかなさんの話題。
波の色ぬりに結構時間がかかったりしましたネ……(でもたのしい)

おうこうこうしゅ(黄蒿公主)
『妖界東西新聞』で登場した、おくすりの陣営の薬将。
このおーがにっくな薬の原材料のひとつである黄花蒿(おうかこう)というのは
和名だと「くそにんじん」なのですが、その響きのひどさを
突撃レーザーさんが植物園で撮って挙げてた直後あたりに
このニュースが出たので、割と「くそにんじんフィーバー」だった時季でもありました。

すすきだるま(薄達摩)
原っぱで萱や薄を折って箸にしてごはんを食べる、というむかしの行事を
連続でいくつかみた直後につくった妖怪です。
この行事のときにも、使い終わったら箸は折って捨てろ、という
なまきばし」(生木箸)の系統のはなしがあったりして、
妖怪との接地面は大きいものだったりもする行事なカンジ。

つみもうりょう(罪もうりょう)
「ちみもうりょう」(魑魅魍魎)の単純な誤字として見られるものですが
「ち」を「つ」と書き間違えた結果「罪もうりゃう」とか「罪もう料」とか
そもそも字面からして変わっちゃったりもしてるといった例。
「つみもうりゃう」って書いてあるダケだったら、写し間違え魯魚か
翻字のミスだとかいえるわけですが、「罪」とハッキリ書いてる以上、
写本を実際に書いたひとは「つみもうりょう」だ……!!と
誤認識した上で書いてるとハッキリ知れますからネ。しかもこんなにまがまがしそうな
誤字……ずるいでしょう。培養させちゃいますよ?

おせきじょろう(おせき女郎)
節季候(せきぞろ)のひとたちの元祖だと仮託されてる存在。
あんまりこまかい描写もなく、単に「おせきじょろう」というひとがはじめにやったので
「せきじょろ」→「せきぞろ」って呼び名も出来た、といった
由来物語として、カタチだけで語られてたりもしてるので、
かなりワンダーな存在でもあります。ということで自由型で。

ちゃんこはにわ(ちゃんこ埴輪)
『妖界東西新聞』で大相撲が中止になった話題のとき描いたものでもありますが、
発想としてはそれ以前からもあったような気がする……といった具合。
人形のはじまりはハニワで、河童とも関係があるとする古註もあったりしますからネ……。
(人形の古註や由来話に、埴輪・人形の祖は野見宿祢で菅原道真の先祖とするものがある)

まこもうしのうまに(真菰牛の甘煮)
戯文にみられるあの世のグルメのシリーズですが
これは「牛」で、ビーフです。植物ながらも、あちらでは「なまぐさもの」と分類されてて
分類はハッキリとした肉料理のようです。

ジュニアびえ
ジュニアクラスのあまびえ。去年の3月からしばしば描いてて、
『大佐用』でもいろいろとイラストに用いたりしましたネ。

だいとんおう(大貪王)
塵倫を臣下としてつかったりしてる浄瑠璃のなかでの上司の悪王さまを
今回は主任として据えました。
去年のラスト主任(根无き悪鬼)がお神楽のなかの悪いものでしたので、
ちょうどそれと対になるカンジ。






ということで、連続12体、今回もとんとんとんと描き上げることができました。
今年もまた和漢百魅缶はいろいろなものを描いておとどけして参りますので
どうぞ、明日からもおたのしみくださいませ!


とざい、とーーーざいーーーーーーーーーーーーーーー。


あけましておめでとうございます。
本年もたくさん絵を描いて参りますので
どうぞ、よろしくお願い申し上げます。




――というわけで、恒例のはじめのいちまい、本年の試筆は
うしどしということで、市原野の鬼童丸とだっちょを描きました。
うしさんの皮の毛割りを描く作業がたのしかったですヨ。

2020年も、いろいろとみなさまには、お世話になりました。
今年は世界的な新顔疫病でいろいろと不如意なところもありましたが
なんとか露命をつなけることが出来ました。
また明年もお引き立て、ご鞭撻のほど、よろしくお願い申し上げます。



今年の描き納めは今月あたらしくデザインして
まだデザインノートにしか描いてなかった
「あやかす」(綾糟)くんと、きょうの造物大女王さま絵に描いた
「ひゃくせんこう」(百穿口)たち(砲台みたいなやつ、実際ロックマンの砲台な敵ロボ
――4のウォールブラスターのこと考えつつ描いた)にて描き納めでございます。


それではみなさま、どうぞステキな新年をば。








ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
本年のまいおさめ、恒例の2020年千穐楽連続興行でございます。
12連続うちつづきましてお目に達します。


とざい、とーーーーーーざーーーーいーーーーーーーーーーーーーー。


まくらだんごや(枕だんご屋)
戯文にあの世が出て来ると、いろいろな向こうの店や屋台も登場しますが
こちらの団子屋さんもそのうちのひとつ。
三途川あたりで営業してるそうですが、まくらだんご(死者の枕もとに供えるお団子)
ですので真っ白い素のままのおだんごだそうナ。

なしけんぶつ(梨看官)
『妖界東西新聞』で今年登場したシリーズの中から。
無観客というものは、またウジャウジャと出て来ると興行ものはあおいだですナ。

とんぼうび(蜻蛉火)
豆絵やおもちゃ絵にしばしば、デザインのみの画像妖怪として
蜻蛉は出て来るようで、歌川豊国のおもちゃ絵とかにもあるので
走りは、けっこう古いところの様子。

てっきゅうひょう(鉄穹豹)
『妖界東西新聞』ではオロシヤだの諸国の新兵器たちも
ぞくぞくと画像妖怪に仕立てて出したりするのですが今年は
アイアンドーム(Iron Dome)が話題に出たので、そういうのを造りました。

きゅうしゅうのおば(九州の伯母)
昔話もの。九州からお産の見舞い・手伝いと称して
おかみさんの伯母さんだという人物がやって来るのですが
その正体は、ひとくいの妖怪だったといったもの。
伯母上が訪ねてくるパターンといえば渡辺綱ですが、
これは退治されたりするわけだはないようで、また少し異なる展開もの。

れんぎがえる(擂木蛙)
すりこぎはいろいろなものに化けるとみえる。奇妙きみょう。

じんこうちのう(沈香知能)
『妖界東西新聞』に出したもの。香炉でじわッと脳室温の高い人工知能。
のうみそを描くときは、唐草みたいなぐるぐる模様で描くという様式が
弊社にはありますが、ぐるぐる模様はそういう模様。

ばけかんビール(化け缶ビール)
外食産業のご不振は限りない年でしたので、ささのたぐいの売り上げも
あれこれあったようですが、そういう話題のおりに『妖界東西新聞』には何回か登場した
缶ビールさんがこっちの舞台にもご登壇。

ふうさんみつだいみょうおう(封三密大明王)
『妖界東西新聞』からの選り出しは、新冠病毒と関わってくるものが
やはり多くなってしまいましたナ……。といいつつ、
いまの機会に納めとかないと次に機会があるかどうかわかんねェからナ、
という願いを掛けての編入。おんますく、にますく、はらばった。

じゃざん(邪山)
沈香・啤香・抹香とつづいて、仏書のなかからの悪欲の香り。
こういうフツーの表現単語でしかないのもどしどし描くのが『和漢百魅缶』の本領。
造物大女王さま絵とかにも描きやすい描き割りですネ。

たのくらげ(田水母)
山で捕れた文蛤だとか、海の底で生える松茸だとか、雪の黒焼きなどが良く効く……と
いわゆるところの「この世にないもの」な、ことばあそびのなかに出て来るもの。
「田植えのときにサ、田の中で、くらげのとげが突っ立ったァーィ」

ねなきあっき(根无き悪鬼)
さいごは悪魔、魔王もの。神楽祭文などに出て来たりする
海の向こうから来る悪いもの。西の海へとサラりサラり。
きょうの和漢百魅缶のことを描いた『妖界東西新聞』でも、
こちらさんを描かせていただきました。
ときどきは種類を増やしていかないといけないので
衣裳方に頼んで、花びらの衣を工夫してもらいましたヨ。




さて、以上で都合12体。つつがもでなく、みやいり貝もなく、
無事に2020年もまいつくすことができましたから
最後はいつものごとく、押戻し、押戻し。

たけばこみついわ(竹方美頭石)さんです。










どすんどすん。









いずれもさまにおかれまししては、
本年も和漢百魅缶、限りなきご愛顧を受けまして
またいろいろと描きつらねることが出来ました。



明年もまた、つづけて参りますので、よろしくお引き立てのほど
こいねがい上げたてまつります。







とざい、とーーーーーーざーーーーーーーいーーーーーーーーーーーー。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
どこかでみたようなタコさん。「しおがまのおおだこ」さんです。

しおがまのおおだこ 塩釜の大蛸

明治31年(1898)に陸前の国の
塩釜の沖で捕られたという大きなたこ。
黒くて白まだらがあって7本足、
頭から足の先っちょまでが4.5mほど、
しゅろの毛のようなものが胴には生えていたと言います。



足が7本というのは「しちほんあし」(七本足)などに
見られる特徴ですが、こちらの場合、単にちぎれていただけかも知れません。




浜辺に流れ着いたとして書かれてる
しまだのおおだこ」(島田の巨蛸)とは
完全に新聞の文章での特徴描写が合致してるので
おなじ存在であるともいえますが、単に焼き直し話題なのかも知れません。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
ふわふわフイッシュ。「だんぎぼう」さんです。

だんぎぼう 談義坊

海にぷかぷかと顔をだしたりする、
ぼうずあたまのようなふしぎなもの。魚の仲間だといいます。



神田玄泉『日東魚譜』の「異魚」の部類に
「うみぼうず」(海坊主・和尚魚)や「すなめり」「ぬりおけ」(塗桶)のようなものとして
分類されてもいたりする段階がありますが、
「だんぎぼう」(談義坊)「だんぎほうし」(談義法師)などの呼び名は、
かじか・いしぶしの仲間にもみられる異名で、何か混雑があるようです。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 、
おっぱいに良い鯉だよ。「ちごい」さんです。

ちごい 血鯉

近江の国の余呉湖にいるという、体のどこかしらかが
真っ赤な鯉(こい)で、子供が出来たひとが食べると
乳がよく出るといわれてました。




賤ヶ岳の戦いのときに死んだ侍たちの血で
赤くなった鯉たちなんだソウナ。





プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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