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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おそろしきものウォーター。「もるど」さんです。

もるど

天井などで音をたてながら、
手先や足先から水を吹き出してくるという、おそろしいもの。
狼や虎などよりもはるかにおそろしいし、
弓や鉄砲でも退治することはできません。




紀伊の国の伊都郡の富貴などにつたわるもので、
むかしばなしの「古屋の漏」に出て来る「おそろしいもの」(あまもり)の部分が
強調されてるもので、話者によっては「たこのような怪物」と表現されたりもしてました。





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いよいよ「和漢百魅缶」4400体目のアップは
白狐のおくすりで出世。「びゃっこのおきな」さんです。

びゃっこのおきな 白狐翁

むかし、小野寺重道(おのでらしげみち)が上洛したおり、
道でいじめられていた子狐をたすけてあげたところ、
その夜、宿にふしぎな翁があらわれて子狐救助の礼をいわれ、
ふしぎな妙薬をもらったというもの。




そのころ、みやこでは帝の御悩(ぎょのう……やまい)が取り沙汰されており、
治せるものには褒美をとらせるというお触れが出ていました。
そこで重道がこの妙薬をたてまつったところ、帝は全快復。
褒美として出羽の仙北を領地としてたまわったというおはなし。



『奥羽永慶軍記』にみられるはなしです。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
くさかべさんを飲みます。「ふたまたのだいじゃ」さんです。

ふたまたのだいじゃ 二俣の大蛇

遠江の国の豊田郡二俣につたわるもの。
おおむかし、この地にすんでたという大蛇で、
男と女2匹だったともいいます。



ひとびとを食べたりしていましたが、
草壁大掾(くさかべのたいじょう)によって退治されました。
大蛇から流れ出た血がたくさんたまって
油淵という淵になったといわれてました。





ほんじつの「和漢百魅缶」 へのアップは
おこめごくごく。「こういんじゅく」さんです。

 こういんじゅく 虹飲粥

漢字で書くと「虹飲粥」でおかゆをのんじゃうおはなしです。
むかし、劉義慶という男が病気になって家でおかゆを炊いてたところ、
白虹が家にはいってきてそのおかゆを飲んでたというもの。



義慶が追い払うと風雨がまきおこって
いつの間にか白虹はいなくなってたトカ。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
僧侶の粉の効果。「さるちょうじゃ」さんです。

さるちょうじゃ 猿長者

大歳の晩にたずねて来たきたない旅の僧侶に対して
宿を断った大金持ちの長者夫婦。



僧侶が宿をかりた先の貧しい家の夫婦が
お礼にもらった粉で若返ったことを見て僧侶をあつくもてなしますが、
もらった粉の効力で猿になってしまい、
屋敷も失ってしまいました。





喜界や沖縄のほうなどにつたわっている昔話に出て来るもので、
その後、屋敷にやって来るのを追い払うためにしかけられた焼け石に
坐ってやけどをしたために猿のおしりは赤いのだ、という説明につながります。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
名前がすでに正体。「ふしだいおう」さんです。

ふしだいおう 斧子大王

漢字で書くと「斧子大王」で、中国につたわる大鼓書のひとつ
『劈山救母』(二郎劈山救母)に登場するもの。



老君廟にすみついて毎日毎日
村人をひとりずつ食べていたという妖怪でしたが、
弓の名手・楊二郎によって退治され、
その正体が斧(おの)であったことがわかりました。



で、この斧をもって山をこわして楊二郎は母親を救います。
楊二郎は後の二郎真君であるとされます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
オイルなめなめ。「あぶらなめばば」さんです。

あぶらなめばば 油嘗婆

行灯(あんどん)のあぶらなどをなめる妖怪。
妖怪を素材としたかるた等に見られるものですが、
くわしいことは不明です。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
南方あぶらとり。「アホラ」さんです。

アホラ

宮古島につたわるもので、
南のほうの海の果てにある島にいるとされるふしぎなひとびと。



人間が島にやってくると、肉づきのよい者はつかまえて
あぶらをしぼってしまいます。
やせっぽちの者は動けないように捕えておいて、
あぶらをつけさせてからあぶらをしぼったとか、
ちからがものすごくありそうな者にはおまじないをかけて
牛に変えてしまい畑作に従事させたりしてしまったりするとか言われてました。





慶世村恒任『宮古史伝』にある
野崎真佐利の伝説に出て来るアホラの描写には、
アホラたちの差し出してくるあつもの(人の肉が使われてる)を食べてしまうと
牛に変えられてしまうからいけない、と忠告される場面などがあり、
牛へ変えてしまうおまじないの一端がうかがえます。






ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
われはこれ一切の厄人なり。「しらがやまのやくじん」さんです。

しらがやまのやくじん 白髪山の厄人

一切の病気をつかさどってる存在。
どんなやまいでも治すことのできる方法を記している
紙だか絹だか知れぬ素材にしたためられた
ひみつの巻物を所持してます。




むかし、土佐の国の汗見川にいた松井道順という名医が、
白髪山に出たこの厄人からその巻物を授かったので、とても腕がよかったが、
世の動乱でその巻物も失われちゃったヨ、
というおはなしが写本の『土佐化物絵本』にあります。





『古今百物語』(拾遺おとぎ)にある「やくしん」(厄神)のはなしと
文の上での表現までそっくりな部分でほぼ占められていることから
実際の伝説ではなく同一素材の書き替えであることもうかがえます。







「白髪山の怪物」と「白髪山の厄人」


白髪山の厄人のはなしし白髪山の怪物のもとのはなしだけど、
けっきょくのところ、おはなし自体が『古今百物語』(拾遺おとぎ)にある厄神のはなしと
おんなじだったし、かたちのイメージも版本(古今百)をひきついでるままだった。
アダムとか薬品についても皆無。



写本『土佐化物絵本』は「いまはむかし」だけで年代特定がない。



小島徳治『土佐奇談実話集』(1957)は弘化ころって設定されてるけど、
「世の乱れ」の部分が年代的に戊辰に合いそうなのにその部分の描写は無い。
「厄人」の部分がおそらく「死人」と解読されて「死人のかたまり」設定になってる




『古今百物語』(拾遺おとぎ)に出て来る「一切の厄神」の「やくじん」の部分
(直接に版本をみたのかその写本をみたのかわかんないけど
 用字のぞいて文章がほぼおなじなのて参考関係にある)
をテキトーな用字でしるした「一切の厄人」(やくじん)が
小島徳治『土佐奇談実話集』「白髪山の怪物」だと「死人」になっちゃったワケ





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは 
石じゃないほうの那須野ヶ原。「なないろぎつね」さんです。

なないろぎつね 七色狐

那須野ヶ原に住んでたとされるばけぎつね。



陸前の国の伊具につたわるむかしばなしの中には、
七色狐と共謀して長者様に三国一のすばらしいお嫁さんを紹介する
というくわだてをおこしてまんまと一万両をせしめた
治右衛門というおとこのはなしがあったりします。




9月の「和漢百魅缶」はじまりのアップは 
小野路に多い狐のひとり。「びっこぎつね」さんです。

びっこぎつね びっこ狐
武蔵の国多摩郡の小野路にいた化けきつねで、
ひとを化かすためになにかに化けて出て来るときは
足を片方ひきずったかたちで出て来ることに
特徴があったといいます。



「どんどん」と呼ばれる谷の
大きな杉の木のあたりに出たそうで、
むかし、猟師の撃った鉄砲にあたって
片足をけがしたといわれてました。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
京伝デザインのなかから、「てじゃく」さんです。

てじゃく 手雀

銚子のような頭をした孔雀(くじゃく)のようなふしぎな鳥。


戯文などに見られるもので
「くじゃく」と「手酌」のぬえ合成によって出来てるもの。
山東京伝『気替而戯作問答』ではめずらしい鳥づくしな部分
(鸚哥と隠居を素材とした「いんきょ」が多く出て来る)に登場してます。




プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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