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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おおきうござい。「おおおんな」さんです。

おおおんな 大女

夜道など、ひとりで歩いてるひとの前にあらわれる女の妖怪。
はじめは普通の背丈ですが、いつの間にかずんずんくずんと大きくなって
1丈ぐらいにまで巨大化してびっくりさせて来たといいます。

尾張国飛島村の服岡にあったやぶに出たものは、
正体がきつねだと言われてたようです。
ひとりで歩いてる人間だけがターゲットだったようで
ふたりづれで歩いてたりすると、現われなかったようですじゃ。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
前方視界悪し。「かしゃのあめ」さんです。

かしゃのあめ かしゃの雨

壱岐につたわるもの。
少し先も見えないような真っ白い霧がかかったような雨のこと。
「かしゃのかかった雨」あるいは「かしゃがかくる」などとも呼ばれてます。

葬列のあるときに出て
よくないことを起こしたりしました。
また、生前に悪事を積み重ねたひとや、
「があっぱ」に願を掛けて何かひとつの願いを
叶えてもらったりした人間が死ぬとき、
そのたましいを奪いに降る雨だとも言われてたそうです。


魔物と火車雨をさけるために
遺体には綛(かせ)とか刃物が置かれました。
このあたりは、よその魔よけとかと同じですね。


……(資料が増えたので、直後に改稿しました)


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
だかせこぞう。「おおだのうしおに」さんです。

おおだのうしおに 大田の牛鬼

石見の国の大田の海にでた「うしおに」(牛鬼)です。

女の姿で海上にあらわれて船頭に
石に変わっちゃう赤ん坊を抱かせてきたり、
水の中にしずんだかと思うと
大きな牛鬼のすがたになって現われたりしたといいます。


赤ん坊を抱かせてくるときに
「昔だけな、父[とと]んなかれ父[とと]んなかれ」
と言ったり、
「昔のことだけ、父[とと]うはどがした、父[とと]うはどがした」
と言ったりもして来たそうです。



むかし、これにおそわれた船頭さんのひとりは、
あまりにおぞかったので、漁師を廃業したなどというはなしも。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
牛とバトった。「おうみのいけのえんこ」さんです。

おうみのいけのえんこ おうみの池のえんこ

石見の国のおうみの池に住んでた「えんこ」で、
むかし牛とどっちのほうがちからがあるのか
比べるためにひっぱりあいをして、
そのとき腕がちぎれてしまったために、
かたっぽの手しか無かったといわれてます。


「えんこ」というのは河童の種類のひとつ。
中国地方に多いものです。



『石見大田昔話集』によれば、牛のちからが強すぎたわけではなく、
牛が合図より先にひっぱりだしてしまったのにえんこが驚いてしまい、
力まかせにさらにひっぱりあげた結果、ちぎれてしまったそうです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
南洋さいだいのかまきり。「イサトーゆうれい」さんです。

イサトーゆうれい イサトー幽霊

与論島の海にいたという大きなかまきりの妖怪。
「イサトー」は「かまきり」という意味。

与論島のちからもちである
サーギマートイとウフドーナタのたましいを吸い取って
殺そうとたくらみます。

そのたくらみを事前に耳にしてた
サーギマートイは命びろいしましたが、
「怖いものなんかないぞ」と言ってたウフドーナタは
家への帰り道にこれにたましいを吸われて死んでしまいました。


すがたかたちは見えないようです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
開化派です。「ぎゅうにゅうかいゆうれい」さんです。

ぎゅうにゅうかいゆうれい 牛乳買幽霊

子供をお腹に宿したまま死んでしまった女性の幽霊で、
夜毎夜毎にお寺の近所の牛乳屋さんを訪れて、
少しずつ牛乳を買っては、お墓の中で生まれていた赤ちゃんに
それを与えて育てていた、というもの。

だいたいの流れからピン!と来たかたも多かろうでしょうが
こそだてゆうれい(子育て幽霊・飴買幽霊)の仲間です。

石見の国の富山町土井の一部などでは、
買うものがこのように牛乳になってるはなしがあったりもしました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
化かすのはーじてんしゃでー。「たぬきのじてんしゃ」さんです。

たぬきのじてんしゃ 狸の自転車

土佐の国、幡多郡などに伝わるもので、
たぬきの化け術の一ッ。

狸の自転車は、昭和20年代あたりまではときどき出たそうで
狭い坂道やあぜ道などで向こうから自転車を走らせてくるというもの。

じゃまにならないように避けたりすると、
みぞにはめられたり、やぶに突っ込ませられたり、
思ったところとはぜんぜんちがうところに立たされたりしたといいます。

振り返ってみると自転車はもう見えなくて、
たぬきがチョロッと走ってる姿が見えたりしたトカ。

ほんじつの「和漢百魅缶」 へのアップは
柚にうらみあり。「おびこさん」です。

おびこさん 産子さん

備後の国の東城につたわるもの。
子供の夜泣きが激しいときなどお参りすると
よく効くといわれてました。


むかし、この地にあったお城が攻め落とされたとき、
逃げ延びた乳母と若殿さまが追っ手から隠れるために
生えていた柚(ゆず)の林にむかって

「どうぞ隠してください、若様のいのちをお守りください」

と頼んだのですが、この柚の枝がガサゴソ動いて
隠れてたのが露顕、追っ手のさむらいたちによって
ふたりは殺されてしまいます。

その乳母と若様をまつったのがこの「産子さん」(おびこさん)で、
ガサゴソ枝が動いたのを恨んで、この地域には
これ以後、柚の木は生えなくなったといいます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
鳴きます鳴きます。「くろくちこい」さんです。

くろくちこい

筑前の国の十石山につたわる鳥。
「りょうしこい、くろくちこい」という声をたてて
山の中を飛び回ってるといいます。

むかし、山に狩りに来た武士がひと休みしてたところ、
連れてきていた黒口(くろくち)という犬が
飛び掛ってくるような剣幕で吠えまくります。

「わしを喰い殺す気か」

と思って鉄砲で撃ったところ、黒口は跳ね上がり、
近くにひそんでた大蛇を咬み殺して死にます。

犬が大蛇に気づいて吠えてたと知った武士は、
自分の短慮を恥じて犬をとむらったあと、山で自害をしてしまいます。
そのことを村人づてに聴いた武士の妻が、悲しみながら山に来て
「りょうしこい、くろくちこい」と泣いているうち、鳥になってしまったんだトカ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ゆめにでましょう。「たかさんば」さんです。

たかさんば 鷹三羽

筑前の国の甘木などにつたわるもの。
夢の中に3羽の鷹があらわれるというもので、
よくないことの前兆だと言われてました。

いちふじ、にたか、さんなすび、といいますけど
それ以外に鷹が出て来ることもあるんですナ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おさけだいすきなのですか? 「くりひめ」さんです。

くりひめ 栗姫

美作の国、梶並の大ヶ渕にすんでたというぬし。

こちらの栗姫さんは、若くて美しい女の姿に化けて、
ざるを手に持ち、近くの余野村の酒屋に歩いていって
酒を買って来たりしたといいます。


(ざるに酒を入れてもらう? という
 山姥の小さ~いひょうたんに、何升も酒を買う、みたいな買い物が
 具体的にどう行われてたのかどうかは不明)


いつも酒を買いに来るあのきれいな女は
どこのものなんだろうと思った村人があとをつけると、
大ヶ渕の中へじゃぶんと入って消えたので、
びっくりしたといいます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
亥の日ナイトにおどりまくれ。「ふくがいる」さんです。

ふくがいる 蟇蛙

「ふくがいる」というのは「ひきがえる」の転訛で、特に固有名詞ではないようです。
摂津の国、豊島郡北豊島村につたわるもの。

10月の亥の子の日に来る「ひきがえる」で、
家々をまわって家でごろごろりんところがったり
手ぶり足ふり踊ったりしていったといいます。

大正のなかばくらいまで村では行われてたそうで、
むしろを2枚つないだものをかぶって目の穴をあけたものをかぶって
2匹ぐらいの「ふくがいる」に子供達が扮しておこなってたそうです。


「ふくがえる」になった子供以外のこどもたちは、
竹をわらでつつんだものを持って、「ふくがいる」の踊ってる家の庭で
「亥の子の晩に重箱ひろてあけてみたら重兵衛はんのきんだま
にぎってみたらほこほこまんじゅう、ひとーつ、祝いましょう」と
いう歌(この歌の文句に似たものは近畿あたりの亥の子の日に多い)を歌って、
ビシビシバシビシ地面をたたくんだソウナ。

なかなか壮大だったのね。げこげこ

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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