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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
チョップスティックサムライ。「ちんちんちょぼし」さんです。

ちんちんちょぼし

備中の国あたりにつたわる、箸(はし)のおばけ。
折って投げ捨てられたままにされてた箸たちが、
夜中、唄をうたいながら動き出して眠っている人の近くを
小さな大名行列のような姿で歩いていったと言います。

仲間に「ちんちんこばかま」がいます。


箸は、主に山で枝をそのまま使ったときに
それを必ず折って捨てておかないと、ばちがあたるとか
魔物にそれをなめられちゃって害があるとか
いろいろと言われてるのですが、
もちろん、家でつかうふつうの箸や割り箸も、
捨てるときはきちん処理をして捨てないといけないのですぞ、
という教えが入ってるものでありやすが、
小さい小人の行列が出て来るというものは
大陸に多く伝わってる、ねずみとかアリが化けて出て来るものに
すがたかたちは近いものです。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
軟骨魚類さま。「やまのかみ」さんです。

やまのかみ 山の神

陸前の海につたわるもので、
赤いしましまが体にあるさめ。

山の神さまの使いだと言われてて、
これが見られるのは豊漁のきざしと言われてました。


かつおの群れなどを率いてやって来るという
「じんべえさま」などと似てます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
きつねやたぬきに続くほかの化け勢力。「ばけいたち」さんです。

ばけいたち 化け鼬

いたちが化け術をつかって人間を化かしてくるというもの。
もちろん、大入道に化けたり、人間の姿に化けたりとかも
よく出来ましたようで、狐狸にも負けず劣らずです。

伊豆大島などには、これがものすごく多いと言われてて、
よく人間の声を真似して呼びかけて来たりしたトカ。

こんげつの「和漢百魅缶」へのアップ、はじまりのアップは
わたしは立派な、にほんあし。「あしのあるあおだいしょう」さんです。

あしのあるあおだいしょう 足のある青大将

足が2本はえてたりするというふしぎなあおだいしょう。
めずらしな形をしてるというもので、古い時代でしたら
顔がふたつついてる「委蛇」とかのように、災禍の前触れとなる
怪異として、記録にのこったりしてるものであります。


昭和4年(1929)の7月27日に
豊後海部郡の北津留村で見つかった足のある青大将の足には
爪がいっぱい生えてたといいます。

ちょっぴりジュラシックですナ。


今月の千穐楽、ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ここ毎年のご恒例、ハロウィンにあわせての世界篇でございます!!
それでは、ではでは、20体どさっと参りましょう。

とざいとーーざーーーーい。


ヒンキーパンク(Hinky punk)
世界篇の連続興行は大体毎回、火のおばけは入れる!が鉄則になりつつあるので、
今回もちゃーーんと、ウィスプなお仲間をイギリスからお呼びしました。

フリテニン(Frittenin)
なんだか「リステイン」みたいな名前ですが、イングランドの「モウコ系統ガゴ系統」なのです。

ビルゼンシュニッター(Bilsenschnitter)
小麦を刈っちゃうおかた。夏至の日ごろにこういったものをつかまえる習俗が
ドイツあたりのお百姓さんたちにはあるそうですぞ。

ジュジュ(Juju)
ひと喰う樹木。

クリッピー(Klippie)
名前の発音がきゅあんです。
日本にも、狸や狐などがこういう「先を歩くひと」に化けるものはありますネ。

ヘルウェイン(Hell wain)
地獄馬車。

チカロシ
オロッコのひとびとの間につたわる海の妖怪です。
オロッコというのは樺太や満州の北あたりに住んでるひとたち。
このゾーンは、アイヌの妖怪とかに近い要素もあって、もう少し調べたいです。

チョワン(竈王)
朝鮮半島の本をいろいろあつめたので、今回は、朝鮮半島の俗信とかからも
いろいろアップをいたしております。

エイコーンレディ(Acron Lady)
農作物をまもる精霊さんの仲間のひとつ。木の実、椎の実。

ラ・ドーメット(La Dormette)
ザントマンの仲間であります。
ねーむーれー。ねーむーれー。

ファイブフィンガーズ(Five fingers)
手のひらが歩いたり、ピアノひいたり、つかんだり。

ヤニューファイサット(Yaliu fali set)
サイパンよりも、もう少し南にえんやらとっと、ぎっちらこ、と進んだあたりにある
サテワヌ島(サタワル島)に伝わる海のヤニュー(悪神・鬼神)でござる。
今回は、こういう描き方塗り方にしてみました。ゴゴーン。


ヤニューファイサット Yaliu fali set

サル
おさるさんではありません。
漢字で書くと「煞」(さつ――「殺」の別字)なんだそうです。

アマドン(Amadon)
ひとつまえの出番の「サル」とおなじく、こちらも
行きあたると病気になってしまうという「いきあいがみ」なおかた。
世界には、この手のものは基本、どの地域にも伝わってるので
盛大にこういうのを集めた事典とか、医学の歴史の本とかで企画して出してくれないモノカシラ。

ズウェンカ(Dzunukwa)
ネイティブアメリカンの一部族・クァクァカクァ族に伝わる「やまんば」な森の魔女。
おっぱいでかいのは世界の他の地域の「やまんば」と共通のプロポウション。

バンイップ(Bunyip)
オーストラリアに伝わる沼の怪物。
水底におやしきがあるのは日本の「いでもち」とほんの僅か似てますネ。

パイプモンスター(Pipe Monster)
19世紀ごろのヨーロッパの版画にあるもの。
あちらの画像妖怪でありますナ。

イフ
朝鮮半島につたわる虎も食べちゃうすごいふしぎなけもの。
絵にビミョーに「わいら」チックな香りを含ませたのは、
「山にいるらしいふしぎなけもの」という印象から。

クラブモンスター(Crub monster)
でっかいカニ。
これを描くことが決まったことにあわせて、
古い映画とか小説とかの怪物な蟹を見てみたんですが
「地獄のしおまねき」みたいキャッチフレーズなのもあって
おもしろかったです。

ゲロウ(Gello)
今回の連続興行・世界篇の主任は、
文化の古巣・ギリシャのまものからお呼びしました。


ゲロウ Gello


長年のご愛顧をちょうだいしまして、だいぶ
収録数もフルッヘンドして来た「和漢百魅缶」でございますが
どうぞ、今後もよろしくお引き立てのほど、
とっくりと、トリックアトリート申し上げたてまつりそうろ。


とざいとーーーざーーーーーーーーーーーい。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぴこぴこ、わしらの家だ、出て行け出て行け、「びゃくそかい」さんです。

びゃくそかい 白鼠怪

『稽神録』などに見えるはなし、で、大陸にはちょこちょこと多く伝わってる
家に住みついて怪事を起こしたりする鼠(ねずみ)のおばけのひとつ。

むかし、蘇長史(そちょうし)というひとが引っ越して来た家は、
やたらと怪しいことが起こる凶宅でした。

しかし「そんなものはどうでもかまわん」と胆ふとく生活してたら、
夜に30人くらいの小さい道士がどかどかとやって来て

「この家から出てゆけ、さもなくばわざわいがふりかかるぞ」

と言って来たので、

「うるさいっ!」と叩き出したところ、
道士たちは逃げ去って竹やぶに消えてしまいました。


次の日、竹やぶを掘ってみると
白鼠が30匹くらい出て来たのでそれを退治したところ、
家に怪しいことは起こらなくなったんだソウナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぶらんぶらん。「おおきなあし」さんです。

おおきなあし 大きな足

天草の御領というところに出たもので、
大きな松の木などから、ぶらんと大きな人間の足がぶら下がってきて、
ひとをびっくりさせるというもの。


これにびっくりして逃げ出したあと、
たまたま出遭ったひとにこの話をしたら「こういう足でしたか」
と、そのひとの足が大きくなって、
ぶらさがって来た足と同じようなものになっておどかす、
といった、「のっぺらぼう」みたいな脅かし方に似たはなしも残ってます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ひらひらほねほね。「ダンガサマジムン」さんです。

ダンガサマジムン

沖縄につたわるおばけで、ダンガサ(こうもりがさ)みたいなかたちに化けて
ひとの前に飛び出てきたりしたと言います。

あくまでもその形の道具に化けてるのであって、
傘自体が化けてるものではないみたいです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ウィルスにきをつけましょうハックショイ。「だんぼかぜ」さんです。

だんぼかぜ だんぼ風

文政3年(1820)ころに江戸で流行したはやり風邪で、
「おそめかぜ」などの仲間です。

その頃「だんぼさんだんぼさん皆また買うだべな」という文句の俗曲が
流行っていた事から「だんぼ」という呼び名がつけられたようです。



以前アップしている「おせわかぜ」とおなじく
当時の流行りの俗曲が呼び名由来になってます。
(もともとは行商の飴屋さんがうたってた歌です。)

「だんぼ」というのは「旦那方」という意味の「旦方」であるとか言われてますが、
はっきりしていません。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
隠れ笠をば横ちょにかぶり。「かくれかさのきんまる」さんです。

かくれかさのきんまる 隠笠の金丸

播磨の国の姫路にいる「おさかべきつね」の配下にあたる
「四天王 と ひとり武者」に名前を連ねてる狐のひとり。

この「四天王 と ひとり武者」は、井原西鶴の『西鶴諸国はなし』に
その名前が出て来ていて、その構成狐員のご芳名はイカノゴトシ。

・二階堂の煤助
・鳥居越の中三郎
・隠笠の金丸
・鶏喰の闇太郎
・野嵐の鼻長

こういったあだ名つきの呼び名の形式は、
絵巻物の『大石兵六物語』に出て来る狐たちにもあるもので、
この四天王の名前のつけかたから影響を受けてたりする

かもしれません。




(四天王 と ひとり武者 という風になってるのは大江山に鬼退治に出掛けた
源頼光の配下の武士たちの構成【渡辺・卜部・碓井・坂田+平井】を
そのまま採ってるからです。)

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
のどの対決・問答シリーズのひとつ。「うんぽんぽん」さんです。

うんぽんぽん

壱岐の国に出たというふしぎな声。
むかし安兵衛というじいさまが夜道を歩いていると

「安兵衛じいはうんぽんぽん」

という声でどこからとも知らず呼ばれたので、

「そういうもんは、うんぽんぽん、うんぽこすんぽこすこぽんぽん」

とえんえん言い返すと、次の日の朝、
たぬきが倒れて死んでたんだトカ。



「うんぽん」というのは「おばかさん」といった意味。
すててぎてぎよ」や「ちんちろり」や「ほっくり」などの仲間です。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おおざかのなみだ。「なきぼうず」さんです。

なきぼうず 泣坊主

大阪の天満七ふしぎに数え上げられている不思議のひとつで、
川崎に出たというおばけ。
名前はわかってますが、具体的にどんなもんだったか
(どんなおどかしっぷりを誇ってたのか、どんな因果話があったのか)
は、わかりんせん。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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