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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
長寿なのなの。「ちょうせいか」さんです。

ちょうせいか 長生蝸

漢字で書きますと、「長生蝸」。
ひさびさに大陸からのアップですぜ。

100年ちかくも生きる事が可能だというふしぎなかたつむり。
酢がすきらしい。

ある家は、先祖がこれを家に飼っていて
それが100年ぐらい家にいたあと死に、残ったカラを
たからものみたいにして保管してた、とか。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
お昼のタブー。「あまからあし」さんです。

あまからあし 火天から脚

加賀の国の江沼郡西谷村につたわるもので、
まっ昼間から家の中で昔話をすると、
囲炉裏の上につるしてある板・火天(あま)から
にゅるーーーっと脚がぶらさがってくるんだトカ。


「昔話は夜になってからするもの」

ということを言い聞かせるために言われていたもの。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
浜辺でおっ死ぬ。「はまひめ」さんです。

はまひめ 浜姫

加賀の国の江沼郡橋立村などにつたわるもので、
浜辺に出るというおばけ。

物凄く美しい女のひとが浜辺に立っているというもので、
これに見られると魅入られてしまい命を失うといいます。


『加賀江沼郡昔話集』には、橋立村に
「山には山姫、浜には浜姫、辻には辻姫」という言葉があったことも記しています。



かわひめ」(川姫)とかにも近いイメージ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
昨日につづいて淵つながり。「あかごぶちのぬし」さんです。

あかごぶちのぬし 赤子淵の主

河内の国の滝畑村にある「あかごぶち」という淵のぬし。

淵のそばで赤ちゃんが声をあげて泣いているので
「大変だ」と抱き上げに来た人間を
ざばーーーーーーっぶくぶくぶきーっと、水の中に引きこんで
食べてしまったといいます。

一説では、このぬしというのは、
「がたろ」(この村あたりの地域での「かっぱ」で人間の内臓を「吸う」)
だとも言われてました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
無限発生・笠。「さんどぶち」さんです。

さんどぶち 三度淵

阿波の国の松尾川にあった淵。

むかし、川の上流でむらびとが集って博奕(ばくち)をしていると、
ひとりの旅の僧侶が「わしにも打たせてくれ」とその輪に参加。

すると余りにもこの僧侶が強い。みんな大負け。

そこでむらびとたちはこの僧侶を帰り道で待ち受けて捕まえ、
松尾川にドブン。殺してしまいます。

その後、この僧侶を殺した日になると、淵のあたりから
ふしぎと僧侶がかぶっていたのと同じ形の三度笠が
ぞくぞくと流れて来るようになったそうで、むらびとはそれを恐れて
法要をするようになったんだトサ。



川・坊さん・「なにをしとるのかね」という展開のせいで
一瞬、「いわなぼうず」(岩魚坊主)とかの系統(「毒流しはやめなされ」)なのかなと思ったら
かなり違う角度から攻められたので、はじめて読んだときは
「こう来たか」という感じでした。

――僧侶とか六部とか座頭とか旅人を殺しちゃう系統のひとつなのですね。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
純白・しろたえ・ホワイティ。「しろくま」さんです。

しろくま 白熊

岩代国の烏帽子岳(飯豊山の西南の山)にいると言われてる
まっしろい毛の大きなくま。

獲ろうとしても、山が物凄く荒れると言い伝えられてて、
誰も近寄りません。山に宿っている「ごひんさま」だとも言われています。


「ごひんさま」は「てんぐ」の仲間。
山のおそるべきもの、な存在であります。シャリシャリ。


ついにぐるりと今年も7月、今月の「和漢百魅缶」はじめのアップは
ザック。ザック。「あずきとぎのばばあ」さんです。

おずきとぎのばばあ 小豆磨の婆

常陸の国、里美村の捩首(ねじくび)という場所に出ると言われてたもの。

あずきあらい」の仲間で、この場所で耳を澄ましてると
「あずきとぎましょ人取って喰いましょかざっくざっくざっくざっく」
とうたっているのが聴こえたと言います。


また、夕方おそくまで遊んでる子供に、
これが来るぞと言っておどかしたりもしていたそうです。
一部分は「モウコ系統ガゴ系統」な感じなのですね。

これで、小豆洗なシリーズは

あずきあらい
あずきとぎ
あずきすり
あずきそぎばば
あずきとぎのばばあ
あずきばばあ
あずきあらいだぬき
せんたくばば
はしあらい

と、かなりならんで来ました。さらさらさら。


なお、今年も半分こをすぎましたので
缶にアップした連中の新鮮さがもれださないように
押戻のキャラクターを投入です。「たけくりひなえもん」さんです。

たけくりひなえもん 竹庫裡雛右衛門

ひよこみたいなのを履いてるんだよ。ぴわぴよ。
こんげつの「和漢百魅缶」の千穐楽のアップは!
ぴかぴかぴかぴかぴかぴか。「こがねのはしら」さんです。

こがねのはしら 黄金柱

むかし、越前の国は坂井郡の稲越の神明社に
ズドーンと立っていたという3本の黄金の柱。

ぴかぴかきらきら光りを放ち過ぎて、夜でもその光は遠くから見えた
というほどのおそろしいものだったので、
このぴかぴかのすごさのせいで漁をすることが出来ず
困ってしまったひとびとが

「これを焼こう」

と相談。えらばれた7人の蜑女(あま)たちが
なんとかそれを決行して燃やしてしまうのですが、
近くで休んでいたところ急に休んでいた土ぐろが7つに砕けて
蜑女をおしつぶしてしまったんだソウナ。

この蜑女たちがおしつぶされてしまったあたりについた地名が
坂井郡伊井村の「七つぐろ」という地名なんだそうです。


それにしても、この黄金柱、なんで立ってたのかね。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
耳の工事。「やまのあやしきひと」さんです。

やまのあやしきひと 山のあやしき人

むかし、但馬の国のあるお寺にいた道幸(どうこう)という僧侶が、
「魔物がでる」とか「ばかでっかい山伏が出る」とか「高入道がでる」とか噂されてた
寺の裏山に、本当にそんなもんがあるのかどうなのか確かめにゆくことに。

入ってみても何も起きなかったので「気の迷いだったんじゃろう、へへーん」と、
山に行った証しに木の皮を削って下山しようとすると、
ふしぎと辺りが真っ暗になって嵐が起こり

「こたびは許すとも、ついには命はあるまじ」

と不気味な声が。

すると、その四五日後、夢のなかに1寸ぐらいの大きさの立派な衣冠をつけたひとと
その供ぞろいたちが現れて、

「今日よりそのほうの命を毎日毎日ちぢむるなり」

と告げると、しもべに鋤鍬(すきくわ)を使って道幸の耳の中から
あぶらみたいなふわふわしたものを掘り出させます。

道幸は「……これは何だろう」と思っていましたが、
その後、毎夜毎夜ふわふわを掘り出されるたびに道幸は痩せてゆき、
2ヶ月後に死んでしまったんだトカ。



こいつは『新説百物語』にあるはなしで、元文のころ(1736-1740)の事としてあります。
『稲生物怪録』や、もっとむかしの百物語の本などにもある
魔所などおそれるに足りぬと言って乗り込んだひとが襲われる話のひとつで、
1寸くらいのちまちましたひとが、耳から何かを掘り出すのは面白い型。

小さい頃から、すきなおはなしの一ッです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いっぱいいっぱいいっぱいいっぱい。「せんにんぞろい」さんです。

せんにんぞろい 千人揃

肥後の国の葦北郡あたりなどにつたわるもので、
山の中に「やまわろ」がぞろぞろ大量に集ってるというもの。

炭焼きのひとたちがよくこれを見たそうで、
天の橋立でグルッとのぞきこむみたいに、
足のまたの間からのぞくと「やまわろ」たちの姿が見えたといいます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
スネークヘッドの呪い。「へびだ」さんです。

へびだ 蛇田

むかし、ある男が借金のかたに取った田んぼで草取りをしてると、
うっかり鎌でへびの首を切ってしまいます。あたりを探しても頭がみつからなかったが、
家に帰って水をのもうと水甕(みずがめ)をのぞきと、そこにへびの頭が。

男はおどろいて、それを潰して殺してしまいますが、
その後もたびたび怪しいへびが田んぼに出て、ついに男は
その田んぼを手放してしまったんだトカ。
 

あくだ」(悪田)や「えんぎだ」(縁起田)、「やみだ」(病田)など、
けちがついた田畑にまつわるものの仲間な、信濃の国におはなしです。

へびは、田んぼを取られてしまった家の者の恨みが化したものだと言われたソウナ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ふわふわ不審物。「くずぬの」さんです。

くずぬの 屑布

道にちぎれてぼろぼろになったような布が落ちてるもので、
通り過ぎても知らないうちにまた行く手にまるっきりおなじものが落ちていて、
それがえんえん無間ループにつづくというもの。

きつねやたぬきなどの化け種目の一ッで、
そんなことが続いてるうちにくるくると道に迷わされちゃうようです。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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