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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
マウスたべます。「おおやもり」さんです。

おおやもり 大守宮

明治26年(1893)、東京の麻布西町の
「ばけものやしき」と噂されてた家に起こってた
やなり」や「畳などに血がべたーっとついてる」といった
ふしぎなことの原因だったという大きなやもり。

身の丈は1尺7寸もあったといいます。



やなり」の原因をつきとめた、という話で、
(家鳴りの音は動き回ったりする音、血がべトーは鼠とかを喰ったあとだったらしい)
これが判明するまでその物件はそうとうお安い価格で家賃設定されていたものの

(部屋が4つで、お勝手と庭もついてる造作)

この「大守宮」の起こしていた(むこうからすりゃ生活音)のガタバリ・ブラッドベターのせいで、
長くても3日しかひとが住まなかったんだそうです。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
あてさき・大和朝廷さま。「うしのひづめのうま」さんです。

うしのひづめのうま 牛蹄馬

宝亀3年(772)の7月に、上総から大和朝廷に献上されたというふしぎなうま。
前足だけが牛のひづめみたいになっていたそうで、めでたい兆しだとして納められたそうです。

大陸の史書などにも、こういった蹄の様子のちがう馬が出て来たりもしますが、
よその国が攻めて来る兆しととられてる事例もあったりして、一定ではなかったりもします。


(ex.)『老学庵筆記』曰
「興國中 霊州貢馬 足各有二距 其後霊州陥于西戎  宣和中 燕山府貢馬 亦然而北鹵禍之遂作」
 

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
コンコンドッサー。「やまおろ」さんです。

やまおろ 山おろ

五島列島につたわる山にすんでるもので、
あかちゃんみたいな大きさをしています。

四国の「ふるそま」や信越地方あたりの「ききり」などのように、
山の中で木が倒れてくるような音をたてて来たりしたと言います。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ぴかぴかおフィッシュ。「りゅうじんさまのおつかい」さんです。

りゅうじんさまのおつかい 竜神様のお使い

昭和4年(1929)10月6日に能代湾で網にかかってとれたというへんなさかなで、
漁師さんたちは「竜神さまのおつかいだ」と言ってお酒をのましたりしたと言います。

頭がふたつで、蛇みたいなうろこつきの4尺の体、
うなぎみたいな尾っぽをして、夜になると光ったトカ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
箱根の山にデンといる。「しめんしゅらおう」さんです。

しめんしゅらおう 四面修羅王

『ともなが』に出て来る「鬼の大将」

箱根の山にたくさんの手下たちをひきいて巣食っていて、
日暮れどきに子供たちをさらっては、都のひとびとをふるえ上がらせていました。

これらの鬼たちの出て来る話といえば、のおさだまりの展開ですが、
大和朝廷から征伐の命を受けた「和田ともなが」たちの一行によって退治されました。


『ともなが』は、鬼質時代区分でいうと、おとぎ紀のころにあたる頃の作品で、
徳川時代のはじめごろ、奈良絵本に描かれたものが残されています。

きょうは、もう一個、急遽の「和漢百魅缶」へのアップもござる。
パンクパンクパンク。「パンキッシュおんな」さんです。

 パンキッシュおんな パンキッシュ女

女の首から腕がいっぽんニョッキリ生えてる形のおばけ。とてもパンク。

ごく手短かに解説を申せば、先日、
ミセスゾンビが『稲生物怪録絵巻』に出て来る首に手が生えた妖怪をさして
「これはパンクですね」と言って言葉が勝手気ままに増幅変転して
「これはパンキッシュ女です」という呼び名に発達した、だけ

というしろものなノダ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
もとは武田の落武者で。「こうべごんげんさま」さんです。

こうべごんげんさま 頭権現様

信濃の国の小野川の太平霊社というおやしろにまつられてるもので、
首からしたの部分すべての病気やけがなどにご利益があると言われています。

むかし、あるあやしい山伏が村にやってきたので
これを村人たちが殺して埋めたところ、ある年、疫病がまんえん。

その患者のひとりが

「わしは殺され埋められた山伏じゃ、埋められた骸骨に
 木の根っこがからみついて痛いのじゃ、どうか安らかにしてくれ」

と言い放ったので、そこを掘ってみると確かに骸骨がそんな状態になってたので、
これをまつって上げたのが、これなんだソウナ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
シジミがパール。「しにみがい」さんです。

しにみがい 死身貝

恋の淵瀬、義理の海、ふかき思いの河水などといった所に生じるふしぎな貝で、
夜明けごろ、死んだこの貝が数多く打ち上げられて死ぬといいます。

暁鐘成の『無飽三才図会』に出て来るデザインおばけで、
「心中者」をもとに、デザインされたもの。
「しんじゅ」と「心中」が核になってる言葉のつながりで、
それに「しじみ」と「死に身」、が付属して、構造を強化させています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
トテモイイクスリニナルヨ、「みみずのどうぼね」さんです。

みみずのどうぼね 蚯蚓の胴骨

なかなかもって手に入らないふしぎな薬の材料で、
みみずのからだの芯になってるという骨。ようするに、「ミミズの脊椎」です。

「氷の素あげ」とか「雪の黒焼き」とかと同様のもので、
決して手に入らないもの、という意味あいを含んでいるもの。


狂言の『膏薬練』に出て来る「石吸膏薬」売りのおじさんが
そのグレートミラクルな石吸膏薬の原材料を誇って語るせりふには

「別に珍らしい物もいらぬが石の腸 木になる蛤 蚯蚓の胴骨などが入ることでおりゃる」

などと、この珍物を利用していることを開陳するギャグが入っています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ギブミー、みずくれろ。「とびがみ」さんです。

とびがみ

陸奥の国は津軽郡中川村などに伝わるもので、
道を歩いてるひとにパッとぶつかったりすると体に異変がでる
「いきあいがみ」とかの仲間のひとつで、
これに取り憑かれると、かかとの上あたりのすじが痛くなるんだトカ。

行き倒れで死んだひとや変死をしたひとの亡霊がこれになると言われてます。
水をほしがって人間のまわりに出るらしいそうで、水をまいてあげると消えます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
サルガクのサザエ。「さざえのせいこん」さんです。

さざえのせいこん 栄螺の精魂

狂言の『栄螺』に出て来るもので、
数百年をへた大きな栄螺(さざえ)の精。

貝殻浜(かいがらのはま)という浜辺が舞台となっていて、
人間に焼いて食べられてしまったあと、
夜な夜な浜にあらわれて人々をおどかしていました。

浜辺に落ちていた貝を見て無常を感じた修行者のあげてやってお経によって成仏します。

おわりのほうにでてくる地の詞章は、なかなか面白い文句です。
「あるいは打ち割り、塩をさされて悲しむ声は、猛火(みょうか)となってきえぎえとなりけるが
 ほどなくわれも網にかかり、引き上げられて炭火にあぶられ、角をもがるる苦しみなるを、
 今ありがたき御法(みのり)を受くる角栄螺(つのさざえ)
 曲(まがり)の心をうち捨てて、直(すぐ)なる道にひかれひかれ、
 直(すぐ)なる道に引かれ引かれて、栄螺殻(さざえがら)とぞなりにける」

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
みんなでうたおう。「すててぎてぎよ」さんです。

すててぎてぎよ

伊勢の国の神部高岡(かんべたおか)の法蔵院というひとの寝室に
夜になると出たというおばけで、

「法蔵院があたまは、すててぎてぎよ、すててぎてぎよ」

という歌をうたいながら拍子をとっておどるような声をたてたと言います。

誰がうたってるんだろ、うるせぇ、と、あたりをさぐっても誰も影もないので、
ふしぎに思っていましたが、ある夜のこと、これに対して

「法蔵院があたまがすててぎてぎなら、おのれがあたまもすててぎてぎよ、すててぎてぎよ」

と言い返しつづけたら、バタリと音がしてたぬきが倒れて死んでいたソウナ。



なにか延々といいつづけてくる言葉に対して
これに負けじと言い返し続けてればなぞの声(正体は大体タヌキ)が負けちゃう
という図式は、「ほっくり」や「ちんちろり」などと同型のもの。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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