いつのまにか桶ちゃん。「やまだのさかのかんおけ」さんです。

河内国の滝畑村にあった山田の坂という山道を夜あるいてると、
ときどきポツンと道にあるというふしぎな棺桶。
「あんなところに棺桶がっ!? どうしてどうして?」――と人間を慌てさせたり
いつの間にかパッと消えてしまったりして、さらにひとをビックリさせたといいます。
狐たちがこれを出していたと言います。
なかなか、即物的な化け術ですな。
キツネとは無関係。「なすのがはらのひばり」さんです。

なすのがはらといいましても、ちがうところにもござんす。
こちらのなすのがはらは、相模の国は鵠沼(くげぬま)にある那須野原でござんす。
この鵠沼の那須野が原に棲息してたというふしぎな雲雀(ひばり)で、
ほかの雲雀よりとても綺麗な声で鳴くのですが、
ふしぎと片足が必ず無かったり、足の指が欠けてたりしたんだトカ。
たぶん、ほかの地域にも数多くのこってる
眼がいっこしかない、だとか、羽根のかたちが違う、だとか
その地方の武将だとか神社の神様とかの古い話にまつわるいわれが
関係してそういうことが言われてたんだと思いますが
特にそういうのはサッとみたところ見つかりませんでした。キニナルネ。
ボトルマニア。「あぶらつぼをひくあり」さんです。

熊野の山の中にいると俗に言われてた大きな蟻(あり)さんで、
油壷をごろごろ引っぱっていっちゃうほど大きいと言われていました。
ただし、こういうもんが居るノダ! と信じられていたというより、
知らない土地には思いもよらないものがあったり居たりするよ、
というたとえのひとつとして言われていたものです。
熊野は、蟻が群がってるみたいに参詣がつづくよ、みたいな俗諺もあるので
なんとなく蟻にしたんですかね?
かーとーこっちゃん、かとこっちゃん、「かとこ」さんです。

大陸にはいくつもバリエーションがござる
生物をとりつかせたり、とりついたりするという蠱(こ)の一ッで、
漢字で申すと「蝌蚪蠱」――「蝌蚪(かと)」は「おたまじゃくし」のことです。
これにかかってしまうと体が腫れて痛んだり、
口がものすごく渇いて水しかのめなくなったりします。
車などにつかうあぶら(車輪のすべりとかをよくするためのものでしょか)を
少しずつ服用させると、これにかかった患者さんは快復すると伝方されています。
同様のものに「蝦蟇蠱(がまこ)」があります。
おとっつぁんということですね。
水を欲しがる……という症状などを見ると
「すいこ」(水蠱)にも近いものかなぁ……とも思われます。
きれいなオイルをごっくごく。「しゆはつちゅう」さんです。

しばらくのあいだ大陸ものがごぶさたでしたので、ポイっと出して参りました。
漢字で書くと「あぶらをたしなむかみのむし」――「嗜油髪虫」と書きます。
人間のなかに、にゅわーーーん、と住みついて
油をいっぱい飲まないと体調が悪くなる症状を引き起こさせ、
そのひとに大量の油を飲ませるという虫。です。
体の中に入った毛髪が胃の中で変化して
これになると言われています。雄黄の粉末を飲めば体から出て来るソウナ。
髪の毛が変化をして体に変調を起こす虫になるという点では
「はつちょうちゅう」の一種に近いものです。コチラも油に関連があります。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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