中身はゼロ。「まくらのしたのたまてばこ」さんです。

甲斐の国などにつたわるもので、
悪い夢を見て起きたときには櫛の歯を折って外に捨てて、
誰にもきこえないように「枕の下の玉手箱、ひらいてみたらなにごとも無し」
と唱えるといい、というおまじないに出て来るもの。
悪い夢を打ち消すおまじないには、
ほかに「ねなしかづら」などもありますが、
なかなか珍奇なものがポロポロ点在してるのですね。
10いく日もつづけてきました強化イベント、画+名の絵巻物をおえまして
ちょっと昔話の畑からチョイチョイな、と拾い上げまして「しょけら」さんです。

こちらさんは実際、庚申の日に関する話に出て来る「しょうけら」で、
(しょきら、とか、せいきら、とか言われて、出て来ることは出て来る)
庚申のかみさまに仕えているらしいおかた。
3尺くらいの背丈のふしぎなひとで、なんと、お料理が得意スキルです。
羽前に伝わっている話では、
庚申講をしていたらそこへ旅の六部が「泊めてくだされ」と訪ねてきたので、
みんなで親切にしてやったところ、この六部が
「お礼にわたしの家に来てくだされ、ご馳走をします」と家に招きましたんだソウナ。
そこではさっそくお酒がふるまわれましたが、
ひとりお酒のいけない男が、ちょっと興なげに、ソッと隙間から台所をのぞいてみたところ、
この「しょけら」が直垂(ひたたれ)すがたで大きなまな板に向かい、
ご馳走のお料理をつくってたので 「うーっわーっ」 と、ビックリぎょうてん。
こいつは何かおそろしい家なんじゃないかと思い、
「しょんべんにいきます」と言ってトコトコ自分の家に帰ってしまいました。
そんな様子を知らないほかの面々は、
そのあと六部が出してくれたご馳走をモリモリパクパク「うめぇなぁ、うめぇ」と食べて帰ったのですが、
しょけらの作ったご馳走を食べたこの人々は、その後とても長生きをしたトサ。
庚申を信心していた人々が庚申の神の化身に招待されて、
寿命の延びる食べ物で饗応される、という型の話の一ッに出て来るものです。
むかしのキッチリしたお料理の式みたいに
直垂すがたでお料理をつくってたってあたりが、なんか面白い点。
おおきなふくろに邪鬼いっぱい。「やくしん」さんです。

ましょう、もくじい、いちねん、ゆきぼうず、うみほうし、
おうま、うぬめ、ぬらりぐり、はぢかき、かもせひ、
まじめ、てつしゃ、……と、今月はながながと強化週間して参りました
画+名な絵巻物の中からなシリーズも、ついに本日でひとだんらくです。
きょうのアップは、「やく神」さんという名前がつけらて
絵巻物などに描かれている、おおきなふくろを持ってる大きな魔物です。
土佐家の『百鬼夜行絵巻』に描かれている
唐櫃を破って開けている妖怪にかたちは似ていますが
なんで、その唐櫃が大黒さまみたいなふくろにデザイン変貌したのかは
あんまりよくわかりません。
(唐櫃も、ふくろも、中にまたこまごま妖怪(邪鬼?)が入ってる点はおんなじ)
「やく」というのは「疫」あるいは「厄」だと思われます。
「王摩」とかにもあるみたいに、なんとなくスケールの大きめな
漠然とした名前ってのも、絵巻物には割とあるのですな。うん。
(ほかにも、悪魔とか摩王とかいるし)
かたいおとこ。「まじめ」さんです。

画+名だけな絵巻物からの妖怪シリーズも、そろそろ佳境。
ほんじつの、「まじめ」さんは、大きな耳をした坊主あたま姿のおばけ。
もちろん、詳しいことは不明です。
そもそも、どういう理論から「まじめ」って名前がついてるのかも不明です。
描かれている絵巻物が違う絵巻物なのですが
「ばっかんにゅうどう」(馬肝入道)や「にくらし」(為憎)といった妖怪の絵の耳が
この「まじめ」に少し似た、おおきい耳をして描かれていたりします。
――ですが、まるっきり同一かといえばそうでもないので、
絵巻物同士の関連性は、まだ詳しくわかりっちょりません。
ヘルシーなくいものがすき。「かもせひ」さんです。

画+名な絵巻物の中からなシリーズをつづけておりますが
きょうのは実は少し変化球でして、そういった絵巻物をもとにして
さらに、それへどこから採ったかしらないが、何か諸国から話というか
「これはこんなかんじな妖怪です」というのも書き添えちゃってる絵巻物からのアップです。
こちら、なんか白っぽいけどおはぐろをつけてたりする妖怪さんは、
山の中にすんでるんだというおばけで、
うりやなすび、あるいは虫などを食べるのがすきなんだトカ。
きらいなものは、いぬ。
名前につけられている「かもせひ」という字は
「かもせい」、あるいは、「がもせい」と読むのでしょうがはっきりしません。
絵じたいは、狩野家の絵巻物に描かれる「しょうけら」の画像をもとにして描かれているもので
どのぐらいまで、この妖怪の相をうつしていたり、想像したりしているのかも未知です。
尾張の国の山に出た、といったことも、絵巻物の書き入れにありますが、
実際の伝承なのかは不明です。
ぐりぐりぐりぐりかんけいない。「ぬらりぐり」さんです。

画+名だけの絵巻物にいる妖怪からピックアップして
アップをつづけているきょうこのごろですが、
いままでは、あんまり他の絵巻物でおなじみでないもの、が多かったので
今日は、ほかの絵巻物とか絵でもおなじみだけど、絵によっては……ちがう
といった、ところから、「奴羅利栗」とかいての「ぬらりぐり」さんです。
狩野家の絵巻物に描かれている「ぬらりひょん」とは同じもの。
大きなあたまをした黄色いおばけ。
(絵巻物中、ちゃんと人間とか人間みたいな肌には肉色で彩色してあるので
意図しての、黄カラーリング、と見ました次第です)
くりとの関係は、ハッキリ言ってなぞです。
ただ、「ひょん」を「票」と書いてたのがそのうち
「栗」になって「ぬらりぐり」になっちゃったのかも知れません。
――と、いった類推はかんたんにできますね。
「ぬらりひょん」は、ほかにも絵巻物によっちゃ頭が上のほうにのびちゃってたり、
真っ青にぬられてる絵もあったりして、まぁイロイロと見比べてもたのしいかもですわね。
こんこん、ウィンター。「ゆきぼうず」さんです。

絵巻物に、名と画だけで描かれてる妖怪シリーズ、どんどん行きます。
ほんじつのは「雪坊主」という、みたままきいたままそのままなもの。
「ゆきだるま」と「ゆきうさぎ」が主流な呼び名に君臨している現代の日本語ですが
むかしは「ゆきぼとけ」とかそのほかにもいろいろあったわけで
こちらさんも、そんなところから呼び名をはりつけたのかな、とおぼしいもの。
ただし、絵巻物で描かれるときに、その姿勢とかが
明らかに、狩野家の絵巻物にかかれるときの「塗仏」にそっくりだったりするので
単純に、色指定が抜け落ちた「塗仏」とか何かが白くぬられちゃって
その見た目から、「雪坊主」なんて呼び名が書き込まれたんではないのですかね。
――と、考えた次第。
(「塗仏」が白く、となると、佐藤有文が「びろ~ん」の画像につかっていた
「ぬれぼとけ」みたいな絵にくずれてっちゃった中間地点かも知れないね、という妄想)
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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