ふんわりちらちら。「やなぎのきのたませ」さんです。

下総の国の木野崎あたりにつたわるはなし。
「たませ」は総州や常州のあたりに広く分布してる
「ひとだま」や「たましい」の呼び名です。
むかし、ふたりぐみの男が
夜、利根川に仕掛けをつくって交代で魚を待っていたとき、
柳の木の上にピカピカひかるものが見えたので、
男が棒で叩き落とそうとしたり、つっついたりしていたところ、
光ってたものはパッ。消えちゃいました。
男が、休んでいたもうひとりの男のところに戻って、いきさつを話すと
「おれはさっきまで変な夢を見てた、空をとんでたら変な男に棒で叩かれそうになった」
としゃべったんだトサ。
この話自体は、ほかの国や地方でも「ひのたま」や「ろくろくび」
あるいは「虫」や「蝶」などの話として残っているものです。
深夜擬似労働。「ぱいすけかついだばばあ」さんです。

下総の国の行徳あたりにつたわるもので、
むじなたちの化け種目の一ッと言われています。
夜おそく道をあるいてるときにすれ違ってきて、
「あれっ、いまのばあさん、こんな時間にどこに行くんだろう」と振り返ると、
ギラリとした目を見せたり消えたりして、ひとをびっくりさせました。
「ぱいすけ」は物を入れて運んだりするときに使う竹などであんだかごのこと。
さがり+おいてけ。「こんぶくろ」さんです。

下総の国の十余二(とよふた)村にあるこんぶくろ池につたわるもので、
池のまわりの木の枝に、ふしぎなふくろがぶらさがっていて、
このふくろを「なんだろう」と手にとって持って帰ろうとしたりすると
どこからともなく「おいてけぇー」という声が響いて来て、ひとをびっくりさせましたトカ。
落とし物は届けなくちゃという良心につけこむのか、
人間の「やべぇ、これポッポしちゃお」という悪心をこらすのか、
どっちなのかわかりませんが、いたづらものですな。
何かものが落ちたり、下がったり、浮かんでたりして、
にんげんをおびき寄せる、という手法は、大蛇とか河童とか
水に関係するものに多いかんじがするんですが、どうなんでしょう。
(「みのがさか」(蓑が坂)とか「はすのかいい」(蓮の怪異)とか)
今後も百魅缶で似たものが出てきたらマークですぜ。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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