わたしはスチーム。「ゆうれいぶね」さんです。

上総の国は九十九里浜の沖あいに出るという「ふなゆうれい」のなかまで、
大きな汽船の姿になったりして出て来たというもの。
今まで晴れてた空が急にくもって波が荒れ、
汽船が突っ込んでくると思ったら消えたり、
まわりに火をいっぱい現わしたりしたと言います。
こういういたずらをして来たら、
すぐにおむすびを作って海に投げ込んでやらないと、
ほかの「ふなゆうれい」たちのように
「ひしゃくを貸せーー」をやって来たといいます。
おむすびを投げると、「ひしゃくをくれ」をやってこない、ということは
おむすびさえ投げて上げとけば、穴のあいたひしゃくを
わざわざ買って造っておかなくてもいい、ということ?でしょうから
まぁ、経済的なのかしら、これは。どうなのかしら。はてさて
むかしはどこでもいくさのせかい。「さんぼんあし」さんです。

下総の国の竜崖山(りゅうがいさん)にあった
栗巻弾正(くりまきだんじょう)のお城である竜崖城を
守っていたというおきつねさまで、三本足稲荷に祀られていました。
いくさの時に足を一本うしなって三本足になったんだと言われています。
いくさがたけなわな時代にお殿様を守護してた話がある狐には、
ほかに肥前の国は玖島城の「しろうざえもんぎつね」などがいます。
足が三本というのは三河の国の「おとらぎつね」と関係があるのかも知れません。
いそうでいないわからない。「おにごえのおに」さんです。

下総の国は鬼越(おにごえ)につたわるもので、
ここの「おにごえ」という地名は、むかし
曽我兄弟の討ち入りをたすけたり、
狂言で閻魔さまをなぐったりで昔の説話にはよく出るオトコ
朝夷奈義秀(あさひなよしひで)が
「鬼」を引っぱってこの村をこえていった
ということからついた、と俗に言われていましたトサ。
『葛飾記』のなかには
「朝夷奈義秀 鬼を牽て此所を越されし故に鬼越村と云
と俗諺に云伝へたり」
と、書いてあって、あくまでも、「まぁ俗にそういう伝説があるよ」
程度で、実際のところどうなのかはあんまりアヤフヤ。
風習の唱導役。「にゅうどうこぞう」さんです。

三河国は設楽郡、小田木にあった淵に住んでたというふしぎなもの。
むかし淵の中からボチャっと小僧さんが出て来て
「かどまつを立てんなよー」
と大声をあげながら辺りを歩き回ったことがあったので、
このあたりの多くの家々では昭和のはじめあたりまでお正月に門松を立てなかったんだトカ。
(ただし、この「立てんなよー」がいつだったのかが正確じゃないから
どのくらいの期間年月、門松を立ててなかったのかはよく知らない)
池や淵の主や水の精などと思われますが、「かっぱ」とかに近いものどうかは不明です。
でも、これが出て来たことから淵の呼び名も
入道淵(にゅうどうぶち)ってものになったんだソウナ。
風習の唱導役。「にゅうどうこぞう」さんです。

三河国は設楽郡、小田木にあった淵に住んでたというふしぎなもの。
むかし淵の中からボチャっと小僧さんが出て来て
「かどまつを立てんなよー」
と大声をあげながら辺りを歩き回ったことがあったので、
このあたりの多くの家々では昭和のはじめあたりまでお正月に門松を立てなかったんだトカ。
(ただし、この「立てんなよー」がいつだったのかが正確じゃないから
どのくらいの期間年月、門松を立ててなかったのかはよく知らない)
池や淵の主や水の精などと思われますが、「かっぱ」とかに近いものどうかは不明です。
でも、これが出て来たことから淵の呼び名も
入道淵(にゅうどうぶち)ってものになったんだソウナ。
糸をもりもり。くるくるりん。「くもおんな」さんです。

伊予の国の城辺あたりにつたわるもので、
糸車をまわして糸をつむいでいる姿で野道などにあらわれた
あやしい女の姿のおばけ。
どんなに弓や鉄砲で撃っても何ともなくて、
山道をあるく猟師たちにこわがられていましたが
「岩井のお兼」という名うての女猟師に猟師たちが訊ねたところ
「そういうものは、糸車の軸があやしい」と見破られ、
そこを射抜かれると消えたといいます。
正体はくもだったソウナ。
人間の体ではないものが弱点というのは、「おうみばばあ」とか
糸や綿をつむいでる姿に化ける妖怪によくあるもので
その正体は、狸だったり、ふくろうだったり、狐だったり、
蜘蛛以外にもいろいろ取り揃ってございます。
わら帽子をかぶーーってよーー。「にゅうとびがみさま」さんです。

肥前の国の平戸島にまつられてるかみさまで、
石がご神体。
「にゅうとび」は稲積のうえにかぶせるわら束のことで、
これをかぶせてることからの呼び名で、
実際のかみさまの呼び名はもう不明になっちゃってるんだとか。
毎年うえに稲わらの束をかぶせてあげるのがならわし。
この石はだんだん成長するらしくて、
巨大になりすぎないように、竹をしめた輪でおさえつけられてるんだトカ。
平戸島には、こういうその年のあたらしい稲わらとか萱とかを
毎年かぶせてあげる神様の言い伝えがいくつか残されてて、
「坂本さん」というかみさまも、ここの同じようなおかた。
明治の戯文つくりの大手株のひとり、きぼーさんの作品の中から
なまずさんをニョロリ。「なげかわしい」さんです。

「なげかわしい」とひらがなにしちゃうと意味がまるわかりですが
ちゅんと漢字をあてると「投川四位」と書きます。
礫川喜望(こいしかわ きぼう)シショーが明治15年に
政府の官吏名簿『官員録』をもじって鯰公たちの一覧表をつくろうとした
(ぜんぶつくったかどうかは不明)『苦椀員録』に出て来るもので
大苦労省(おおくろしょう)の大臣閣下さまです。
おやしきの住所は「おもてゆうらく町、うら苦番地」で
お名前どおり、ザ・赤字なかんじ。
大苦労省には、ほかにも、原岡公斎(はらおかこうさい)とか
笛田紙平(ふえたしへい)とか河合惣太(かわいそうだ)とか
いろんな名前の鯰公もいますので、追々のアップも、ゼシ、おたのしみに。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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