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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
きのうの南房総から、ザブーンと沖縄まで行って、「くがにのいん」さんです。

くがにのいん 黄金犬

昨日は、にんげんにあだをなしたふしぎな犬でしたが
きょうのコチラは、にんげんに幸をくれたふしぎの犬です。

むかし、悪い兄と良い弟の兄弟がいました。
親が亡くなったあと、弟が遺言どおりに「一合のお酒」と「一本のお線香」をもって
お墓参りに行くと、この犬がじゃれついて来て、一緒に暮らすようになりました。

すると、この犬、一日に一合のごはんをふげると、
一合ぶんの金をおしりから出してくれるので弟はたちまちおかねもち。


これを見た悪い兄が犬をひったくって ( い つ も の 展 開 )
「大量にえさをやればそれだけ金を出すはずだ」と考えて
えさをドサーーーーーーーッリと与えたところ、この犬はおだぶつしてしまいました。

弟が、これを悲しんで犬をていねいにとむらってあげたところ、
そのお墓から知らない木の実をつける樹が生えてきたそうで、
これが「クガニー」(「シークワーサー」の仲間の柑橘類)のはじまりだと言われています。




おなじような金の糞を出すおはなしには「りゅうぐうのくろねこ」がいます。
また、これは牛島軍平の「沖縄の年中行事」(『民俗学』2巻2号)というものに報告されてるもので
「クガニー」のはじまりのはなしは、「犬」ではなく「猫」であったとするものもあります。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ごはんだいすきですワン。「ひゃくぼうのいぬ」さんです。

ひゃくぼうのいぬ 百坊狗

上総の国の長柄郡につたわるもの。

むかしここに建っていて坊の数が100もあった道鏡寺というお寺に、
いつもいつもごはんの時間になるとたべものをおくれと
100坊中まわってあるく変な犬がいたのですが、

これに困った僧侶たちが鐘を合図に一斉にごはんを食べることにしたところ、
他の坊へまわっても全坊たべものが無くなっていたので
このふしぎな犬は怒って姿をパッと消してしまいました。

するとふしぎなことに寺のうしろの山が崩れて
この栄華をほこった道鏡寺は一坊も残さずうずまってしまいました。


100坊ぜんぶをまわってごはんをもらってたということは
なかなか大食な犬だったわけですが、
別に僧侶たちも毛嫌いしないでそれなりにごはんを上げてればよかったのに
と、思っちゃったりもするおはなしであります。


 

このはなしのはじめの部分、坊の食堂を順々にめぐって
このふしぎな犬がごはんをもらってあるいてった様子をうつして
「あっちこっちの家にごはん食べに行くひと」を表現した
「ひゃくぼうのいぬみたいだ」という言葉がこの地方では使われていました。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
やっちょこ!やっちょこ!! 「ちんちんちんばかま」さんです。

ちんちんちんばかま ちんちんちん袴

きのうの「かごおばけ」さんは、画像だけがのこってる世帯道具の妖怪でしたので
きょうは、伝承に残ってるほうのお勝手道具のおばけからモコモコと出しましょう。
ということで、こちらです。

安房の国に伝わっていたもので、

つまようじを無駄づかいしていた長者のお嬢さんが
夜、便所に行こうとすると、なんだかわからないものが

「ちんちんちんばかま、きしなる神様、やっちょこやっちょこやっちょこな」

と歌って踊ってた。

怖いので家の者に話しても、誰も信じないし、
乳母といっしょに便所に行くとコレが出て来ない。


ある晩、勇気を出してお嬢さんがこのよくわからないものにひとりで近寄り、
その体に火をつけてみた。しゅぼーーーーー。

翌朝みてみると、つまようじが焦げて落ちてましたトサ。


はやいはなしが、「ちんちんこばかま」のなかまですが
燃やしちゃうってところが、なかなか勇気ハラハラな一大スペクタルです。
 

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
入ってるから入れられません。「かごおばけ」さんです。

かごおばけ 篭おばけ

徳川時代の前半あたりから、絵本などに描かれてる
眼の玉や、手足とかが生えただけのデザインで描かれてる
世帯道具の妖怪たちのうちのひとつで、
こちらさんは、今でも道具があるので分かりやすいですね。
竹かごのおばけです。

参考にした絵は、単に竹かごの中から
妖怪めいた顔が、にょっ、と出て「かご」っていう道具名表示があるだけで
特にすごいデザインの特徴などはありませんでした。

かごかご。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
願いはヒトツ。運命ヒトツ。「ねこまたごんげん」さんです。

ねこまたごんげん 猫又権現

越後の国の魚沼郡あたりにつたわるもので、
願をかけるとひとつだけ人間の願いを叶えてくれるといいますが、
そのかわり、死んだときにその遺骸を持って行かれてしまうと言います。

死骸を捕りに来るときに大雨が降ったりするなど、
かしゃ」に近いものがあって、「猫」と「火車」との進化系統の中では
わりと重要な位置付近にあるものです。

この「猫又権現」に願掛けする願いというのは
「金もちになりたい」といったもので、お金がもうかりますように、というのは
「梅が枝のー、ちょうずばちー、叩いてお金が出るならばー♪」で
親しまれてた「無間の鐘」とも構造は似ています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
いま時分は川っぺりに棲息。「ひゅーひゅーさん」さんです。

ひゅーひゅーさん

肥後の国の葦北郡あたりの山につたわる「やまわろ」で、
お彼岸のころに山から川に移動するときの
「ひゅーひゅー」という鳴き声からこういう呼び名がされてたようです。

「ひゅーひゅー」というのは、ほんとに「移動するときの」鳴き声だったようで、
仲間同士ではしゃいでるときとかは「がやがや」って声で鳴いてたようです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
「セミクジラ」の発音で。「ままこじるむすこ」さんです。

ままこじるむすこ 蛞蝓息子

安芸国の加茂郡につたわるもので、
子供のなかったおじいさんとおばあさんに「子供になってやろう」と言って来た
「ままこじる」の化身です。「ままこじる」は「なめくじ」の方言で、「なめくじら」の転訛。

おじいさんとおばあさんが、「まぁ、なってくれると言うんじゃから、カワイイものじゃ」と
しばらく一緒に暮らしていたら、この「ままこじる」が人間の男の子に成長します。

ところが、あるとき、ふと「泊まりにいって来る」といって姿を消してしまいます。
おじいさんが、「どこへ行くのであろう」と息子のあとをついていくと
息子は、拾ってきた山の池にジャボーーーンと入っていってしまったのでビックリ。

「あいつは死んでしまったのじゃ」 と、おじいさんとおばあさんが悲しんでいると、
数日後にケロッとした顔をして当の息子は帰って来て

「これをおみやげに持ってきた、欲しいものを言いながら木をきるとそれが出て来るよ」

と、ふしぎなひかる斧をおじいさんに渡しました。
ためしてみると、そのとおり。なんでも出て来るのでしあわせに暮らしたと言います。




もちろん、


隣の悪いおじいさんがこれを真似して山でむりやり「ままこじる」を持って来て育てて、
「そろそろ泊まりに行けよ」と追い出したら、何も出て来ない斧を持って来たので
怒って地面を打ったら地面がパックリ裂けて吸い込まれてしまった、

という悪人がわのおはなしも続きます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おもかる石と同級生ではありません。「おふねいし」さんです。

おふねいし お船石

羽黒のあたり、羽前の国は郷の浜のたんぼのなかに鎮座してた大きな石。

明治30年代ぐらいのこと――、
ある長者がこれを庭の石にするために家に持っていったところ、
病人が続出したり、家産がかたむきだしたり、
いろいろとよくないことが起こったといいます。


せきひのかい」(石碑怪)など、
特別な石づくりのものや、岩石にはその大小を問わず多いおはなしですナー。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
めだまが炯爛。「おにおんな」さんです。

おにおんな 鬼女

小袖を着た若い女の姿をして歩いているひとの前にあらわれ、
急に振り返ってびかびか光る眼と耳まで裂けた口を見せて
ギャー!! びっくりさせて来たというおばけ。

「くちさけおんな」(口裂女)や「ににんくさちけ」(二人口裂け)などと、大体似たものですが、
むかし、江戸のあるお坊さんが暗い夜道でこれに出遭ったといいますが、
真っ暗いのにやけに着物のもようがハッキリ見えたりした、とも言います。
暗くて遠くにいるのに着物の模様がハッキリ見えるというのは、
狐狸やいろいろな妖怪にも共通することで、暗い中でのあやしい物体のもつ
おはなしのなかでの特徴のひとつです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
マウスたべます。「おおやもり」さんです。

おおやもり 大守宮

明治26年(1893)、東京の麻布西町の
「ばけものやしき」と噂されてた家に起こってた
やなり」や「畳などに血がべたーっとついてる」といった
ふしぎなことの原因だったという大きなやもり。

身の丈は1尺7寸もあったといいます。



やなり」の原因をつきとめた、という話で、
(家鳴りの音は動き回ったりする音、血がべトーは鼠とかを喰ったあとだったらしい)
これが判明するまでその物件はそうとうお安い価格で家賃設定されていたものの

(部屋が4つで、お勝手と庭もついてる造作)

この「大守宮」の起こしていた(むこうからすりゃ生活音)のガタバリ・ブラッドベターのせいで、
長くても3日しかひとが住まなかったんだそうです。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
あてさき・大和朝廷さま。「うしのひづめのうま」さんです。

うしのひづめのうま 牛蹄馬

宝亀3年(772)の7月に、上総から大和朝廷に献上されたというふしぎなうま。
前足だけが牛のひづめみたいになっていたそうで、めでたい兆しだとして納められたそうです。

大陸の史書などにも、こういった蹄の様子のちがう馬が出て来たりもしますが、
よその国が攻めて来る兆しととられてる事例もあったりして、一定ではなかったりもします。


(ex.)『老学庵筆記』曰
「興國中 霊州貢馬 足各有二距 其後霊州陥于西戎  宣和中 燕山府貢馬 亦然而北鹵禍之遂作」
 

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
コンコンドッサー。「やまおろ」さんです。

やまおろ 山おろ

五島列島につたわる山にすんでるもので、
あかちゃんみたいな大きさをしています。

四国の「ふるそま」や信越地方あたりの「ききり」などのように、
山の中で木が倒れてくるような音をたてて来たりしたと言います。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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