昨日が狸さんでしたから、きょうは、「きつねつきのはれ」さんです。

昔あるおさむらいが、
【体の中にプチュッと入って来るかたちの「きつねつき」】に
取り憑かれたとき、
狐がこれ以上、体のなかに入って来ないよう
患部を、きつくかたく、しばっておいたところ、
そこがプクーーーッと腫れあがってしまったというもの。
(そもそも、体に虫みたいに入ってくる「狐」っていう概念自体が
かなりナゾな領域なのですが、まぁそういうのも居るんです)
腫れがなかなかすごいので、意を決して
刀でプチュッとそれを突きつぶしたところ、
腫れはキレイに治ったし、庭にきつねが死んでおったトカ。
うまいことやっつけられたのですな。
テンの日であります、「てんころりん」さんであります。

岩代の国の伊達郡に伝わるもので、昔話にはおなじみの登場生物
人間をとって食べてたという大きなへび。だいじゃでごじゃる。
山の中をあるいているひとのあたまの上から
「てんころりん、てんころりん」
という声をかけて来て、「なんだろう」と上を向かせ、
大蛇の姿に気を失わせてから、ムシャムシャ食べる
というのがその捕食手段だったそうです。
この「てんころりん」の蛇は、
もともと村に住んでいた娘だったのですが、
ある日のこと、親が野良でひろってきた蛇をかっさばいて
「蛇肉のみそ漬け」を作ったのですが、
親はそれを「食べちゃいけないよ」としまいこんで
娘には食べさせてあげませんでした。
「ぜったい、たべたい!」
そう思った娘は、「蛇肉のみそ漬け」を見つけだして
こっそり全部食べてしまいます。(おいしかったらしい)
食べ終わったらなんだか水がのみたくなったので
水がめで水をゴクゴクのんでいると、
娘の姿はあっという間に大蛇になってしまい、
ついには、人間を食べて生活する怪物になってしまったんだそうです。
(なにかを食べたあと、のどがかわいて、水をのんでたら……という展開は
田沢湖の「たつこひめ」や八郎潟の「はちろう」、小三郎池の「こさぶろう」など
いろんな大蛇や水の主のおはなしの導入部になっていて、
「なんだか……のどがかわくなぁ」とか「ここの水をのもう、ごくごく」が出たら、
「ああああああ!!変わっちゃう!!」って感じなのです)
キラキラニャーニャー。「やまねこのひ」さんです。

八丈島につたわる怪火で、遠くにぴかぴか飛んで入るのが見えたり、
ちょうちんの明かりのようなものが歩いている人をとりかこんだりするというもの。
「きつね火」や「たぬき火」や「あおさぎ火」や「やまどりの火」などと同じようなもので、
山にすんでるやまねこ達が起こしてる火なんだと考えられていました。
むかし、ある男が魚をかごにいれて運んでいたところ
この「やまねこの火」にとりかこまれたので
しかたがねぇ……ポイッ……と魚を一匹なげてやったところ
火の群れはパッ。
しかし、魚が食べ終わったんだろうなという頃合いになるとまた
火の群れがぐるぐるぐる。
しかたないからポイッ……パッ。
以下、この繰り返しがつづいてつづいて
ついに男の持ってたかごはカラッポになってしまったりしたトサ。
ちんちろりん。「うたどんぶり」さんです。

喜界島につたわるもので、ひとりでに歌ったり踊ったりするというふしぎな丼鉢。
これをひろった男が、ほかのひとの前で
「これはひとりで歌ったり踊ったりするんだぜ」
と自慢げに披露したところ、
ピチリともこの丼鉢が動かなかったので、
男が怒ってこれを粉々にくだいてしまうと、その破片が
「いんねいのまんねん」
と叫びたて、その後、その男は没落してしまったんだトカ。
岩倉市郎は柳田國男にあてた報告書のなかで
「歌う髑髏」に似たものとしてこの昔話を挙げていますが
「どんぶり」も古いかたちだと「どくろ」みたいな何かだったんじやないのかなぁ。
というわれで、「和漢百魅缶」もギッチラガッチョンと稼動開始でございます。
さーさー。くりだせくりだせ。
とざいとーーーざーーーーいーーーー。
■ さけのみや(鮭の宮)
新年はまずはおめでたいところから……、ということで、こちら。
盗賊団を善人にたちかえらせちゃった、というお話なのですが
どう考えても、薬物洗脳されたとしか考えられない突如展開。(ニガワライ)
■ なかやまとうげのばけもの(中山峠の化物)
「そばが欲しいな」と思うとおそばが自動に入ってる、というお椀を
屈服のあかしとして武士にくれた化物なのですが、
正体がなんだったのかはあんまりわかりません。
■ おにつぼ(鬼壷)
『長靴をはいた猫』とかでもおなじみの、うまいこと相手をヨイショして
こっちの攻撃が上手にでる状況をつくって勝つ!という戦術の昔話。
■ ずんべらぼうず
しろい。
■ かべばっかり(壁斗り)
まわりが壁だらけになって進めなくなっちゃう!という狐の化け種目。
カニっぽいジョイントのデザイン案は夢紫樓にぃさんの今年の初仕事。
■ しゅきゅうせき(守宮赤)
色事かんけいなのでイモリかと思ったら、ヤモリ。
■ あめふりばばあ(雨降婆)
雨の降ってる日に出る妖怪。
妖怪は雨の日に出るものが多いんです。なぜか。
■ もま
夜に鳴き声を発する怪鳥のひとつです。むささびっぽいやつとは別もの。
■ ごぜんのはなよね(御前の花米)
山姥が持ってたりする栄養がすごいお米。
山姥の持ってるグッズの中では、由緒がわりとはっきりしてるもの。
まず、これにて本年の和漢百魅缶も舞いはじめ。
明日からも、ズシズシとアップして参りますゆえ、おたのしみに。
とざいとーーーざーーーーーいーーーーー
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
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