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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
冬になってもブンブブーン。「かのむれおと」さんです。
 
かのむれおと 群蚊声

浄瑠璃や絵草紙などで使われたりしていた幽霊のおどかし手口のひとつです。

やぶの中に裸の状態で縄につなぎ、
蚊の群れに襲わせて相手を苦しめ殺してしまうという、世にもおそろしい
「蚊責め」によって殺されてしまったひとの亡霊などが起こすというもので、

責め苦を行った本人にしか見えない蚊の大群が毎晩おしよせて、
相手を苦しめたりします。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おめしものにこだわりがあります。「こんがすりのばけもの」さんです。
 
こんがすりのばけもの 紺絣の化物

羽後の国は雄勝郡につたわっているもので
晩くになっても外にいる子供をさらっていってしまうというおばけ。
紺色のかすりの着物をまとっていたのでこの名前があるんだトカ。
(着てるものから名前がついてる所は赤いマントとかに近いね)

寺田伝一郎の「羽後浅舞町近傍見聞記」をめくってみたら
明治32年ごろにこれが話題になって、夜になると村々の道路が
つうこうどめになったりした事が書いてありましたが
その前やその後にどの程度、こちらさんが話題の俎上にあがってたかは
あんまりよくわかりんせんでした。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
葉っぱのかげからジロリンガー。「やぶのぞき」さんです。
 
やぶのぞき 籔覗 

竹やぶや草やぶの向うから何かがじーっとこっちを見てる
ような感じを人間にもたせてくるおばけで、
カンカクとしては、何だか後ろを誰かがついて来てるんじゃ……
とかいうものに近いものですナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
竹笛ふきどうじ。「ブラコ」さんです。
 
ブラコ

沖縄にいくつか(江洲など)つたわってるもので、
夕方や夜などに、「ぴーぴー」とブラ(竹で出来てるおもちゃの笛)を
吹いてるような音が誰もいないのに聴こえて来る、というもの。

むかし、ちかくに住んでいたブラ好きの子供が死んでしまったのですが
そのお墓に一緒にブラを入れてあげたので、そのブラを鳴らして遊んでるんだろう
と、いった話がつけられてますが、話が残されてるどこの土地でも
今はこの音は存在してないようで、その子がちゃんと成仏したとか
お墓をうつしたときにブラをわけて供養した、とか後談もくっついてます。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
大々々規模盆栽。「きょぎょはい」さんです。
 
きょぎょはい 巨魚背

南の海にいるといわれていたおおきなおおきな魚で
背中には木々や草花が生えていて、その背中が水面の上に
ジャン!ととびだしている様子は、船の前に小高い山脈が
にわかに現われたかのようでございますとさ。

日本のおおきなおおきな「あかえい」とかとは大体似たようなもんだね。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
おやまがドスドスドスあるき。「いしさん」さんです。
 
いしさん 移徙山

蘇州の太湖のちかくにあった山にまつわるへんな記録で
むかしむかし、この山がちょこっとちょこっと歩き出して、
だんだんと歩調をあげながら湖のちかくに歩いてた、というもの。

たまたま、これを近くの村人が目撃して、その状況にびっくり、
「!! おい、そのままいくと湖のなかにどっぷんと落ちるよ!!」
と、歩いてる山に向かって呶鳴りかけたら

ぴたっ

と、それまであるいてた山が立ち止まったんだトサ。げに奇妙奇妙。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
泰西のひとが綺麗綺麗と珎重したよ。「ぼくなん」さんです。

 
ぼくなん 木難

西の果ての国々の海でとれるといわれていた
真っ青なきれいな宝玉のことで、漢籍には「木難」とか「莫難」と書かれてます。

なんでも、「金翅鳥」(こんじちょう)――ガルーダとかアシボビュックみたいな
アジアのまんなからへんによく伝えられてるでかい鳥たちだよ――
たちがくちからピピピピピと出すあわが凝り固まると
この、「ぼくなん」になる、とかいう言い伝えがありましたんだそうな。


「鮫人」の涙といい勝負ですな。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
もつれもつれてファイアー。「くさかりび」さんです。
 
くさかりび 草刈火

播磨の国は飾磨郡の蒲田村にでた、とかいうことが
『世説麒麟談』(1761)という『西播怪談実記』の続編に載ってる火のおばけです。

夜、道のわきにひとつ、ポッと火があらわれたかと思うとこれがヒョロヒョロ。
すると、また別の方角からも、火がポッとあらわれてヒョロヒョロ。
ふたつの火がだんだん近づくと、これがもつれあって回ったりしたんだそうですが
「おやおやなんだい」と見ている間にパッと消えてしまったんだトカ。

(しばらくたつとまた、ポッと出て、向こうにもまたポッと出て、もちゅもちゅ、のくりかえし)


『世説麒麟談』には、村のひとの説として
むかし、草刈りのわらしたちがケンカをしたときに、
あいてを鎌でぶった斬って相打ちしちゃった事があって
それが火になってケンカをつづけてるんだよ、とかいうものを記してますが
「くさかり」という呼び名が先にあって、
それに「草刈童」をくっつけただけのような感じもする説ですナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
チョキより強いよ。かめかめ。「ばけおおがめ」さんです。
 
ばけおおがめ 化大亀

呼んでも読んでも字音のごとく、おおきなおおきな亀さんで、
おおきなお堀などの水底に生きていて
たまに首をグワッと水面に持ち上げたときに
小舟なんかを上にあげてしまって、船頭衆をびっくりさせた、
みたいな事があったりなかったりしたようですが
亀自体は、狙って小舟を急襲していたようでは無くて
単に、小舟のほうが亀のおつむの上をたまたま通ってた率のほうが
大いにたかめであったようです。かめかめ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
く!し!ざ!し!ワーム!!!! 「すんばこ」さんです。
 
すんばこ

土佐の国の山などにぼちょぼちょ存在すると言われていた虫で、
にょろにょろしたすがたをしてるそうですが蛇とはチョット違うみたいです。
(ヤマビルとかコウガイヒルとかに近いかんじ)

これを山道とか森林のなかでみつけたら
すぐにこれをぶち殺して、枝にブスッと串刺しにして、
(このとき魔封じのために古ぞうりを「すんばこ」の頭にかぶせて刺すんだトサ)
みちのわきに立てておかないと、何か身に災いがやって来る、と
言い伝えられてたそうで、なんだかとってもモズノハヤニエ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ピカッ!さぁ何匹みえました!?「いでん」さんです。
 
いでん 異電 

むかし、むかし、ジョワによく似た音のころ
貞和5年(1349)のうるう6月(日付に関しては、5日、3日、25日とまちまち)に
たつみの方といぬゐの方から突然、びかびかっと現われた妖怪な電光がコチラ。

しばらく両方の方角からあたりを光だらけにして
そのうちに消えてしまったということですが
その光の中に異形のものがみえた、という事も言われていて
よくないことの前兆なんじゃないか、と語られたりしたんだそうな。


その様子は「如電」とか「電光」とかだけ書かれていて
対して名前はございませんので、フツーに漢語から引いて「異電」としました。




この絵、古風めかしたニューデザインおばけを一挙にぶちこんだので
まえうしろの組み合わせ構図とかにチョット手間取りましたが、わりとサラッと描けました。

群像だいすき。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
典型的なターゲットはひとり。「ともぞうおるか」さんです。
 
ともぞうおるか 友蔵おるか

佐渡につたわるもので、このまえの「女郎魚」につづく、イルカもの。ですが
こちらは「ナカニシヘーイ体操」でおなじみの(ちがう)琉球のおばけ
「ナカニシヘーイ」にちかい感じの語感があるお方、という印象が個人的には大です。

船をギコジャプ走らせていると、海の中から何か(イルカ)が
船に近づいてきて、乗ってるひとに向かって「ともぞうおるかぁぁぁーー」と
叫んでくる、というのがこちらの主なおしごと。

むかし、友蔵という男が、旅の商人の持ってるおかねに目がくらんで
これを船の上にさそいだして殺してザブン。海に捨てて金持ちになった、
という前段階のおはなしがあるのですが、
他にも呼ばれる名前が違うだけで、ほぼおんなじ話がいくつもあるので
ここらへんは、おはなしのひとつの型、という感じです。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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