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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
万象亭デザインの中からご配達。「はこいりむすめ」さんです。
 
はこいりむすめ 箱入娘

万象亭の『画本纂怪興』(1791)に書かれてるもののひとつで
大事にされすぎてるお嬢様を示すことばとしてまだ生きてる
「はこいりむすめ」をそのまま妖怪っぽくデザインしたもの。

伊勢阿婆介が「出る出ると音には聞ど今に見ぬ魔性の物か箱入娘」と
おばけみたいに見たくても見れないお嬢様の様子を、狂歌で添えてます。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
あとおい小僧とかとは逆もの。「さきゆくおんな」さんです。
 
さきゆくおんな 先行女

きつねやたぬきの化け種目のひとつと、よく言われているもののひとつで、
歩いてると、前方に、なんだか綺麗なおねえさんが歩いてるのが見えて
「ほほう」と思ってチョット歩行速度をはやめて歩いていても
延々、延々、えんえん、いつまで歩いても、相手が等間隔の距離を保って
歩いていくので、まったく近くに行って眺めることは出来ない、というもの。

(近づいて顔をのぞこう!とか、こんな夜道ひとりじゃムリ!!とかいう
 考えがあるひとにしか効果はないですが、意外と各地に多いお話ですネ)


似たものに江戸の本所の「おくりちょうちん」とかがあります。

うしろについてくるおばけは「音」だけのものが多いのですが
こういう、「ぜんぜん追いつけない前のひと」っていうおばけは
確実に姿かたちを見せて登場してくれる分だけ、描く側としては
形にしやすいですナ。うん。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
やきにくデンジャラス。「ようしゃ」さんです。
 
ようしゃ 羊炙

むかしむかし、呉のあるお金持ちのいえでパーティーがありましたおりのこと。
その日の料理にされちゃう予定の羊が一頭

ワレ ニンゲンニ ショクサレルヲ イトウ

と考えたのか、縄をちぎって厨房から大逃走。
右に左に逃げ回っていましたが、お客の中にいた僧侶のもとにかけ寄ってきて
たすけておくれ、と言わんばかりに服をかんだり、袈裟にもぐったり。

しかし、この僧侶、この羊をたすけることもなく
そのまま料理人にこの羊を引き渡してしまいます。(チェックポイント)


けっきょく、その羊さんはお肉へと改名を果たして
炭火の上でこんがりとした炙(しゃ……やきにくのこと)へと化学変化。
列席したお客さんたちにふるまわれました。

「ささ、道人、どうぞどうぞ」と炙をすすめられた先ほどの僧侶
おいしくこれをちょうだいしましたが、しばらくすると、体の中がなんだか、変。


なんと、
さっきの羊のお肉が体の中であっちこっちで動き回っていたのでした。
僧侶はついに倒れてしまい、医者が肉を摘出したりしたのですが
ついには羊の鳴くような声を上げて口から泡がぶくぶくぶく、
寺にもどってしばらくして、死んでしまったんだソウナ、

と、いう『捜神後記』にあるおにくものがたり。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
うっかり釣れたら釣果がぼうず。「かわのなまくび」さんです。
 
かわのなまくび 川生首

きのうは柳の木のおばけでしたから
ちょいと日本に向きを戻して、なにをくよくよ柳が生える
場所はもちろん川っぺり、ということで川に関するものでござい。

川に網をしずめて、コイだのフナだのドジョウだの
カワエビはたまたウナギちゃん、そんな獲物を期待して
そろそろ頃じゃと引きあげたらば、まぁビックリ仰天、
なかには生首!! グロテスキュ!!――と、いったもので
川の「かわうそ」たちが使ったりする化け術なんだそうですわいな。

もちろん、この生首は幻みたいなもので
びっくりおどろき逃げてはみたが、あれも弔わねばならぬ
と、網を上げた当人が引き返して来た頃には
うまい具合に雲か霞か消え去ってござるのです。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
昨日は竜で、今日は柳。「りゅうじゅかい」さんです。
 
りゅうじゅかい 柳樹怪

「柳の樹の怪」と書いてますが、実際のところは
「柳の樹の上で見かけられたりした
葉っぱの露なめてる謎の小さいひと」と、いった具合のもの。

衣服が、赤い衣に赤い冠、というのは大陸のことですから
なんだか意味を持って来てこじつけられそうですが
べろをのばしてぺろぺろと柳の葉っぱに結んだ露のたまを
なんで舐めていたのかは、なぞの行動すぎてたまらぬ存在です。
7月の「和漢百魅缶」はじまりのアップは
暑いおてんきにモイスチャーを。「りょうけつ」さんです。
 
りょうけつ 竜穴

武昌県の虬山(きゅうざん)にあるというおおきな穴ぼこ(どうくつ?)で
この中には「虬」(きゅう)たちがいっぱい住んでいて、
ときどき、おりおり、それらがビューンと空に飛び上がっていったり、
グィーンと空から山に向かってもどって来たりする様子が
見られた、と言われています。

雨の降らないてんきが続いたときなどは、雨乞いのおいのりを
ささげたりした、というあたりは、水と人との古い時代を感じますナ。



あと、今年2011年も半分折り返しの幕がえでございますので
押戻のキャラもしっかり製作、「たけくるまこしひで」さんです。
しっかり、おしもどしまっせ。バチンバチン。

 
たけくるまこしひで 竹車越秀

こんげつの「和漢百魅缶」、千穐楽のアップは!
岩のかげからリズミカル。「ねんぶついわのばけもの」さんです。
 
ねんぶついわ 念仏岩の化物

伯耆の国は長田村の賀祥という土地に伝わっているおばけで、
岩のうしろから念仏をとなえながらカーンカーンと鉦を叩く音をさせたり
赤ちゃんがワーワーと泣いてるような声をさせたりして
道行くひとをびっくりさせていたんだとか。

「念仏岩」という岩の名前も、このあたりからついたらしいのですが
実際のところはあんまりよくわかりません。


長田村…、岩のうしろから…?
で、ピンと来たような猛者はなかなかいないと思いますが
ピンと来ちゃったかたはなかなかの岩ものマニア。

じつはこちらさん、同郷の大木屋というあたりにつたわる
「ごいぞう岩」のあたりに出たおばけ、「ごいぞう」とは
なんとなく出現パターンが似ているもので、
わざと、解説文も大体おんなじ感じにしたててます(笑)
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
どぶーん、油分。「ぬる」さんです。
 
ぬる

「いくち」(いくぢ)とかと同様に、船の上をのわのわのわのわ乗り越えていって
体からボトボト油をこぼしていっては、船の航行の邪魔をする、という大魚のお仲間。

呼び名は、油っけが強いので「ぬるぬる」してる所から
「ぬる」なんだそうですが、落語に出てくる「うなぎ」が「うなぎ」って呼ばれる前の名前も
「ぬる」だったりするので(理由はほとんどおんなじ)なんとも名は体を現わしすぎな
おかたのひとり。あーらわーしたーちよー。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ピンポーン、りゅうぐうから参りましたー。「おはらぶちのりゅうじょ」さんです。
 
おはらぶちのりゅうじょ 小原淵の竜女

紀伊の国は鞆淵村の小原淵(ふちばっかりな感じ)から
ザバッと出て来たりしたことがあったというふしぎな女。

俗に小原淵は竜宮につながってる、と言われていて
そこから出て来たこのナゾの女は竜宮のひと、だと
考えられていましたよーです。

この手の水の主にかかわる昔話となると
トーゼン、「お椀」とか「お膳」とか「お皿」とか、その他、いろいろ、
貸してくれた、というお話になりそうですが
こちらさんはなぜか知らないけど、逆で、
淵の近くのある家に「お椀をかしてくださいませんか?」
と、やって来たことがあって、
その家のひとが「どこの娘なんだろう」と思って
あとをつけていったら、淵にジャブンと入っていってしまったので
「ああ、竜宮のひとなのか!」と思った、という話があるソウナ。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
像があるし、ストリートの名前にもなってるのヨ。「えばのおさん」さんです。
 
えばのおさん 江波のおさん

安芸の国の江波にすんでいたおきつねさんで、
西国に何体もいる「おさん」の中での名高いおひとり。

人間の姿(女だったりもするし、老若男女なんでも)に化けて
いろいろと人間を化かしてはチョイト美味しいものをいただいたり、
あははのハとおへその宿替えをしたりして楽しんでいましたソウナ。
――と、いう点はよその土地の「おさん狐」さんとも大体同じかんじ。

また、旅役者にびっくりさせられた、という
「たのきゅう」みたいな昔話もつたわっていますが
厳島神社の「おさん狸」にもおんなじ感じの話が残っています。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
伐ったらダメダメちゃん。「へいけのはただけ」さんです。
 
へいけのはただけ 平家の旗竹


さ、ひさびさに北陸道から抜け出しまして、えっちら南下。
紀伊の国、牟婁郡は田代村の川っぺりにモサモサ生えていたという竹やぶで、
ここの竹を伐ったりすると、なんだかイロイロ、バチが当たったらしくて、
人々は伐ることをしないでいたというお話です。

『続紀伊国風土記』には「是を伐る時は村中の牛悉(ことごとく)鳴(ほ)ゆ」
とかいう例(バチの前兆?)が載っていますが、実際どういうようなバチが
伐った人間にふりかかったかは書いてなかったので、少し不詳。
本日の「和漢百魅缶」へのアップは
大将さまはきれい好き。「かけいてい」さんです。
 
かけいてい 花敬定

花敬定は、唐のころの武人で
賊を退治するために進発したところ、返り討ちにあってしまって
首がポロン、しかし、そのまま何事も無かったかのように戻ってきた
と、いう話が伝わっているところが、
かよう」(賈雍)と大体おなじ、というものです。

首なしのまま戻ってきたあと、
川にいって顔(もちろん付いてない)を洗っていたという点は
なんともふしぎの展開。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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