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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
石をまきましょう。「ナライシ」さんです。

ナライシ

浜辺から拾って来る砂利のような小石のこと。



西表島では、秋の己亥の日のおまつりの夜に、
これをばらばらと家でまきちらすと、魔除けになるとされて来ました。
この石にあたると悪いものたちはいなくなると考えられてました。




己亥の日のお祭りは、豊年を祝うシチ(節祭)のはじまりの日で
トゥシヌユー(年の夜)と呼ばれます。「シチカッツァ」も、この日に用いられてたもの。






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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
しめて、お魔よけ。「シチカッツァ」さんです。

シチカッツァ

「しゃみせんづる」や「ながばかにくさ」などの、
葉つきの葛蔓(つたかずら)のこと。「シッカザ」とも。



西表島では、秋の己亥の日のおまつりのとき、
家の柱や仏壇・家具・牛小屋・農具・舟などにこれを結んで、
厄祓いや魔除けとしてました。



己亥の日のお祭りは、豊年を祝うシチ(節祭)のはじまりの日で
トゥシヌユー(年の夜)と呼ばれます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ねむらずにいろ。「しちにち」さんです。

しちにち 七日

赤ちゃんが生まれて7日めのことで、琉球ではこの日、
悪霊や魔物がいちばん赤ちゃんのいのちを狙ってやって来るので、
寝ずの番をして見守ることなどが行われてました。



伊江島では、「しちにち」には鍋におかゆをつくって、
それを置いたまま夜に眠らない「物忌み」(ムンジレ)をして
赤ちゃんの無事を祈ったといいます。
また、「しちにち」(7日め)あるいは「くにち」(9日め)には
満産(マンサン)と称するお祝いのための派手な宴が行なわれてもいました。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ぱたぱたとんで「もうびょうちょう」さんです。

もうびょうちょう 莽眇鳥

漢字で書くと「莽眇鳥」で
とても軽くて清い鳥。どこまでも飛ぶことが出来るので、
六極(天地東西南北)の外にまでゆくことが出来ます。



『荘子』で語られてる天根(てんこん)というひとのはなしのなかに出て来るもの。
王充謙は「清虚」の気だと解釈してます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
つくつくでんでん。「ばかばやし」さんです。

ばかばやし 馬鹿囃子

太鼓(たいこ)の化けたもので、
自ら賑やかなお囃子の音を発します。


江戸のかるたや豆絵で、本所の狸囃子・本所の馬鹿囃子などが描かれる際に、
単なる「太鼓の妖怪」のデザインを転用して描かれることのあるデザイン。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
魔物は枝でぽかぽかぼこん。「ざくろのき」さんです。

ざくろのき 柘榴木

天狐地狐の類がひとに取り憑いてしまったときは、
柘榴(ざくろ)の木でそのひとを打つ加持をすれば
効果があるとされてました。



仏法で用いられてたもので、天狐は天狗たちのような魔物、
地狐は狐狸たちのような変化を意味するものだと考えられます。







ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
あっぱれなドリーム。「ばつがん」さんです。

ばつがん 抜眼

眼の玉がするするっと抜け出て、
宙を飛んで行って、やがて失くなってしまうという夢。



むかし平清盛(たいらのきよもり)が出世を願って
清水(きよみず)の観音さまにおまいりをつづけたあとに
この夢を見たといいます。



「これはわしのたましいが抜け出てしまう前兆で、
分につりあわない願掛けをしたからなのでは……」と
清盛は落胆していましたが、あるひとは
「これはそのとおり目出たいことだ。あっぱれな夢だ。
これから振りかかるであろう難の眼をぬいて、
吉事を見るあらたな眼が入るということでしょう」と
判じてくれたソウナ。



『源平盛衰記』などにみられる平清盛が出世するまえの場面に出て来るはなしで、
これから7日後に内裏でぬえ騒動の解決をすることになります。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
むすんでひらいて。「はなのひも」さんです。

はなのひも 

お花をむすびとじてる紐(ひも)で、
これがゆるみとけることによって、つぼみがひらいて開花をします。



ことばの表現として歌や雅文などで用いられてきたもの。
「花の紐とくべき風の吹きかえて又も氷をむすびつるかな」(『於知葉集』)のように
「氷がむすぶ」のが対のことばとして用いられがちです。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
心身のよごれ。「きょうく」さんです。

きょうく 軽垢

漢字で書くと「軽垢」で、僧侶たちが悪いことをおこなうと、
心や身にまとわりついて清浄さをうずめてしまう、
よくない垢(あか)たち。



仏法で言われるもので、四十八軽戒にあたる戒めをおかすことを
「軽垢罪」としてます。対となる重い破戒(十重禁戒)は「波羅夷罪」と呼ばれます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
だんだんかわるよ。「きのえだかまきり」さんです。

きのえだかまきり 木枝蟷螂

木の枝に目がついて腕が出来て、
自然とへんかして蟷螂(かきまり)になってしまうというもの。



「やまいもうなぎ」(山芋→鰻)などのような変化として
近世に考えられてたようです。「すぎなかまきり」(杉菜蟷螂)も同様な考えの例。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
かわるよかわるよ。「すぎなかまきり」さんです。

すぎなかまきり 杉菜蟷螂

杉菜(すぎな)が自然とへんかして
蟷螂(かきまり)になってしまうというもの。




「やまいもうなぎ」(山芋→鰻)などのような変化として
近世に考えられてたようです。

明けましておめでとうございます。
本年も「和漢百魅缶」への初日のアップは、
2025年初春連続興行です。
12体、どしどしどしとつづくいろくづ蛇にょろり、と
つらなりつらねてお送り申し上げます。


とざい、とーーーーーーざーーいーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー。


りんじゃ(鱗蛇)
今年の干支であるへびさんを今回は多めに投入しております。
まず2025年いちばんはじめに投入しましたのは
漢語な呼び方での「おろち」や「うわばみ」にあたるものの一ッ。にょろ。

へびごしき(蛇茣敷)
「へびこしき」(蛇甑)と呼ばれるものの類で、
こわがらずに特定のことをおこなうと富を得ることの出来ると語られてたもの。
「ごしき」は「こしき」の転訛だとみられるのですが、
漢字があてられてもいたので、それを優先的にあててます。
『日本怪異妖怪事典 関東』でも出しておいたものですネ。

りゅうぐうのほや(竜宮の海鞘)
九州の北のほうではお正月に「味噌漬けのほや」を
えんぎものとして食べる地域があるのですが、
どうしてそれを食べるのか――というおはなしが付属されてる例がいくつかあって
これもそのうちのひとつ。神功皇后のおはなしに接続をさせてます。
東北のほうの「ほや」と、西海道での「ほや」は
食べる種類や食べる部位が異なるというのもお勉強になった点。

ききめのつつ(功能砲)
おくすりたちと病将たちが闘ってる様子を描いた絵に
出て来たりする、おおづつ。
画面範囲の都合で(というより、つつ先を前に向けてしまったので)
攻撃されてる疫神たちや悪虫たち、描けなかったでスネ。

じゃふ(蛇婦)
王摩系統の絵巻物で描かれるタイプの「ぬれおんな」
火を噴いてる「ぬれおんな」もスタンダードな狩野家の絵巻物にいるので
特にデザイン上の相違点もあまりない、本当にただの同体異名な画像妖怪。

がいこつのくるま(骸骨の輿車)
河鍋暁斎が錦絵のなかで描いてる鳥居つき・葱花のっかりな、おくるま。
葱花(そうか。擬宝珠のこと)の載ったおみこしみたいな造りが人力車についてる、
――みたいな造りなのでしょう。たぶん。
『新文教歌撰』(明治7年・1874)の組物に含まれる作品は
今のところ、ひょーせんは2種類だけ確認してます。
そのうちの1枚に描かれてるおくるまでした。

いきりなみ(いきり波)
ざざざざざぶーん。くらげをつれてくる波です。
「ほや」を描いたので、何か海のものも描きたかったので
描いた、というものなので季節感は何も考えてません。
ただ「くらげ」もおめでたい儀式のお膳には、武家などでは
必ず添えるものでしたので、そういう点で初春に寄せてみてはイカガ。

けんとくたいし(見徳太子)
富くじに関する、ことばデザインの存在。
むかしの寺社での富くじ抽籤会のときに使われてた
ばかながい錐(きり)――目隠しをしたひとがこれで番号の書いてある板を
刺して、それを当たり番号にします――をチャント持たせましたゾ。
ほんじつの、つきどめーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
では、ないです。まだあと4体あります。

ぬるでのかたな(白膠木の刀)
お便所に置いておくという木でこしらえる魔除け。
蛇が出たとき、これを振るえば蛇がおとなしくなる――という
ちからもあるとの言い伝えですので今年のこういう席にはピッタリ。

かゆをたくおと(粥を焚く音)
観音さまが難船して漂流してしまった原因。
船でおかゆはつくるものではない――との習わしにも
つながってるそうですので、他の土地にもこういうのが
あるんでしょうかね(まだ探してない)

しし
「よしか」という猟犬をつれた狩人が
山の中にいるものすごくおそろしい魔物を倒す――というおはなしが
広く存在するのですが、この「しし」はその魔物の1例として見られるもの。
ものすごく抽象的な「おそろしいもの」なわけですが
こういうものも基本種としては重要な席の位置ですよネ。

せきおく(石億)
暦のなかのおかた。「石億の日」に動かした金品は
10倍になる――といった内容が付帯されてるわけですが
他の「倍になる」などの要素がある暦の日たちと
今後、どう競争させてゆくのかも期待される石億さんです。
一粒万倍に負けるな。


――と、にょろにょろくたくた、蛇の胴腹ながながく、
12体をば無事つつがなく打ち終えました。
本年もいろんなおかおをアップしていきますので
いずれもさまにおかれましては、ひきつづきお引き立てのほど
こいねがい、あげたてまつりまする。




とざい、とーーーーーーーーーーーざーーーーーーーーーーいーーーーーーーーーー。



プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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