げだつせよ。「おみやのばけもの」さんです。
相模の国の石川にあった諏訪神社のお宮に出たという
なぞのばけもの。
ものすごく大きくて、人間をつかまえては食べたりしていたんだとか。
しかし、日頃から「じょうぶつしたい」と本心では思っていたそうで、
あるとき、お宮の近くで赤ちゃんのおもりをしてたひとが、
どんな子守歌をうたっても泣き止まない赤ちゃんに対して、
最後の手段としてうたってたお経の文句をききつけ、
それを一心に願い込んで、ついに成仏することが出来たといいます。
妖怪が、自分の境遇から成仏することで逃れるという発想は、
「うえたばけもの」の話のように、この話が天竺や漢土のものを受けて
構成されていることを示していると考えられます。
ありふみさんの解説の白眉。「うみぺろりん」さんです。
海の岩穴などにすんでるという良いおばけ。
海蛇や「うみぼうず」(海坊主)、「ふなゆうれい」(船幽霊)などが近づいていると、
舟の上のにんげんにぴきょぴきょ音を出して知らせてくれるんだトカ。
……なんてきゅあんな設定!!
佐藤有文せんせいは図鑑のなかで
「いまでは海蛇のエジキとなって全めつした」
と書いていたりもして、
……レッドリストどころではなく、すでに絶滅種!!
なかなかすごいことになってるのですが、この妖怪は
「海ぴろりん」というものが実際のモトのようです。
(ただし、ぴろもぺろもどっちも伝承を完全にベースにしてるものでは無いみたい)
かねをたべます。「かねをくうむし」さんです。
かねはかねでも、ならすかね。梵鐘をたべちゃう虫です。
伊賀の国の阿保村にでた、というはなしのあったふしぎな虫で、
何匹も何匹もあらわれて梵鐘を食べて食べて食べて
ボロボロ穴をあけてしまったんだトカ。
むかし、
ある男と恋仲になった娘さんがいたのだけど、
その娘の親がそれを大いにいましめて反発。
娘が恋人からもらった「鏡」を取り上げて、この梵鐘の材料として寄進してしまったのが、
そもそもの話なんだそうで、その娘のうらみが虫になって
梵鐘をモジョモジョ喰べたんだトサ。
かねにうらみはかずかずござるの、ヘビじゃない版ですね。
くちに入れてはいけません。「ようしつ」さんです。
蝿(はえ)の疾(やまい)と書いて「蝿疾」(ようしつ)であります。
うらみが蝿のかたちになって、ひとに重い病気をもたらし、
殺してしまったりしてしまうもの。
むかし、唐のころ、文宗(ぶんそう)という悪人が幽州の街道を歩いていたとき、
お経の紙を買いに行くとちゅうの僧侶を殺して金を奪ってしまいます。
その後、(20日後)
またそこを通りかかると、その僧侶の死体が腐りもせずそのまま転がってたので、
文宗は馬からおりてこれをベシンと策(むち)で打ったところ、
死体の口から蝿が飛び出して来てズバビューンと文宗の口へ飛び込んでしまいます。
吐き出そうとしてもいっこうにダメ。
ぜんぜん蝿は出てこずじまい。
その後、文宗は悪い風疾(ふうしつ)にかかって
一年しないうちに死んでしまったといいます。
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
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