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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
べこvsたこ。「うしひきたこ」さんです。

うしひきたこ 牛曳蛸

大きなたこがぞろぞろと群れになって現われて、
牛などをえいやえいやと引っ張り込んでしまうというもの。

巨大化すると「たじまのおおだこ」みたいになります。

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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
アルコールストーン。「ひょうたんいし」さんです。

ひょうたんいし 瓢箪石

信濃の国の飯田にあるふしぎな石で、
この石をさわったりすると瘧(おこり)にかかっちゃうなどと言われていました。

むかし、

お酒がだいすきでしょうがない男が、おかみさんと大喧嘩をしたときに、
お酒を入れてたひょうたんを石に投げ付けられてぶっ壊されてしまい、
その後、ぽっくり死んでしまいました。

その念が石に残ってしまったのか、

夜ごとにその石から

「お酒のみたい、お酒のみたい」という声が響いて来るようになったんだそうで、
それが、この瓢箪石なんだソウナ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぎんぎんぎらぎらアイパワー。「おおほうし」さんです。

おおほうし 大法師

むかし、皆鶴姫(みなづるひめ……鬼一法眼のむすめ)が
源義経(みなもとのよしつね)が帰って来るのを待っていると、
窓から日月のような目の玉をひからせて室内をのぞき込んできた
という顔が5尺ぐらいあるおばけ。

「この妖怪めが!」

と皆鶴姫が長刀で斬りつけたところ、
消えてしまいましたが、血のあとを追っていくと古狸が死んでたソウナ。




きょうの絵は『倭絵英雄鏡』にあったバージョンの皆鶴姫のおはなしに出て来る
大法師の顔をもとにリデザインいたしました。目の玉がほんとに大きいのよ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
お盆ですので、お寺のおはなし。「おにはんせん」さんです。

おにはんせん 鬼飯銭

漢字で書くと「鬼飯銭」です。「半線」とかじゃありません。
「飯銭」(はんせん)というのは、漢語でいわゆる「食費」のことでおます。

阿波の国の慈光寺というお寺に、むかし悪い僧侶がふたりいて、
お酒や美食、女色にふけっていました。

ある夜、いつものごとく大層よっぱらって帰ってきたこの僧侶たちが、
のどがかわいたので井戸の水をくんでいると、

その中に一匹の蛙(かえる)のようなものが入っていて、
「これはなんだ」思った矢先にそれがむくむくと巨大な鬼に大変化


「悪行つみし愚か者ども、始終の飯銭を出せ、出せ」


と大音声でわめき散らしだし、その「飯銭、飯銭」の声がいつまでたっても止まぬので、
ついに悪い僧侶ふたりは寺から逃げ出して消えてしまったんだトカ。

と、いうおはなし。




このはなしから、飯銭寮(はんせんりょう)という学寮がこのお寺にはありましたそうです。
ただし、「鬼」ではなく、「婆」が井戸から出て来る別の話も伝わっています。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ガチゴチギチモク、しゅっぽっぽー。「てつぼう」さんです。

てつぼう 鉄坊

明治時代の戯文にいくつか見られるもので、
「鉄道」を子供の呼び方みたいに「鉄坊」、としているもの。

ひとびとの行き来が巨大になるにつれて
どかすかどかすか膨大な大きさになっていきます。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
デス・イボ。「みかづきさま」さんです。

みかづきさま

下野国の野上村につたわるもので、
道にまつられてます。

正月の3日にこれをおまつりする行事があったそうで、
そのとき、3日間おもちを断って願掛けをすると、
体に出来ちゃったはれものが治ると言われてました。

「みかづき」という名前は、
3日に祭祀があるからついた名前のようですが、
名前がさきなのか、祭祀日がさきなのかドッチなのかは
あんまりハッキリわかりません。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ぴりぴりゴホン。「ばけとうがらし」さんです。

ばけとうがらし 化蕃椒

みてのとおりの、
おおきなとうがらしのおばけ。

古い時期の黒本や手遊絵などに描かれてるもので、
ほかのその手(道具や身近な素材)の一群と同様、
特に伝承などはありません。
単純に目鼻がついてたり、手足がニョッキリしてるくらいです。



むかし、江戸の道々でとうがらしを売り歩いてたとうがらし売りさんは
紙でつくった大きなとうがらしを持って営業をしてたよ、
と、いうことでもムカンケイにプラスアルファして内容の無さを糊塗しときます。ぺたぺた。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
水にうかべたころもかな。「めいげつひめ」さんです。

めいげつひめ 名月姫

摂津の国の尾浜村の明月峠につたわるもので、
この姫さまを埋葬してるとされる塚の近くを嫁入り行列がとおるのは
ヨクナイ、と言われます。



もともとは、

都の貴族のお姫さまで、旅に出てしまった恋人のあとをひとりで追いかけ、
その途中このあたりで水を飲もうとしたところ、あやまって沈んでしまい、命をおとしたトカ、

三松国春という殿様の娘で夫があるのに平清盛に身を差し出せと命じられ、
その板ばさみから悩み焦げて、みずから命を絶ったトカ言われてました。


水を飲もうとしておぼれてしまったという話のほうは、
大きな蛇体になってしまった「こさぶろう」などに少し近い型。(魚は食べませんけど)

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ふしぎなおどしでおんがえし。「かまきり」さんです。

かまきり 鎌切

むかし、かんごの国のかん五郎というひとが柴を刈りに行くと、
一匹のかまきりが挟まって動けなくなってたので、これを助けてあげました。

すると、そのかまきりが
ぴゅーんと天下様のところに飛んで行って、その庭で

「かんごの国のかん五郎に1000石くれぬと天下の首はちんちぎる」

とふしぎな声を響かせたんだトカ。

この不穏な声を聴いた家臣たちが「おそれながら」と奏上すると、
天下様は「その者を探し出せ」と御下命。

家臣たちによってついに探し出されたかん五郎は、
天下様から1000石の領地をもらい、豊かになったんだソウナ。




かまきりが恩返しをしたというもので、
種子島などにつたわるおはなしです。





かまきりは「肬摘」っていうやまとことば寄りの漢字を「ばけかまきり」の時に使ったりしましたが
こちらのおはなしは、カッティングが重要要素なので、「鎌切」にしておきました。ぐへ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
しゃべったー。「ムンイウワー」さんです。

ムンイウワー

むかし、琉球のある若者が大陸に勉学に旅立つときに、
家族が「おまえが帰ってきたら、これでお祝いをしよう」
と言って、買って来たぶた。

旅立った若者はその後、十年以上も音信が途絶えてしまい、
家族も「もうあいつは死んでしまったんだろう」と、このぶたを
市場へ持って行って売ろうとするのですが、そのたびに

「すうめい、うーねぇ見ゆん」
(あるじ様が見えますよ)

と人間のことばでしゃべりだして、人々をびっくりさせたり、
殺そうとしてもどこかに消えてしまったり、

売られることもないまま飼われつづけていました。



しかし、あまりにもそれが続くので、
家族が遂にお肉にしてしまったところ、
ちょうど死んだと思ってた若者が帰ってきたんだトカ。

ずっと自分の果たすべきことを待ってたんですね。
タベラレチャウケド。



「ムンイウワー」というのは「物言う豚」という意味。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
がんごろがんがんがらがらがらー。「やかんこかし」さんです。

やかんこかし 薬缶転

日向の国の高千穂につたわるもので、夜にさびしい道を歩いてると
どこからともなく、がらがらがらん、とやかんをすっころがしてるような音が響いて来て、
ひとをびっくりさせるというもの。

むかしむかしは、こどもたちに、かなり怖がられてたというはなしです。

「こかし」というのは「転がす」という意味。
でも、こういった名前のついてるタイプの妖怪の中の一群とおなじで、
その「道具自体」は転がってくるのではなく、「音」がするダケ。

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは
ビッグなめぞう。「うしのしたいなぐ」さんです。

うしのしたいなぐ 牛舌女

沖縄の伊是名島などに昔話が伝わってるもので
「いなぐ」というのは娘さんのことで、「おなご」という意味。

むかし、ある長者さまのむすめさんは
ものすごい美しかったのですが、
舌が牛のおばけのようにざらざらちくちくしていて大きくて、
これでざらざらぺろぺろなめられた花婿さんは
一晩でみんな逃げ去ってしまったんだトカ。

「なめおんな」(嘗女…猫娘)などと近いものですね。ぺろぺろ。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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