▼本日の妖怪（8270）おにのくそ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
巨大造形うんこ。「おにのくそ」さんです。

慶応のころ、江戸の麻布の路上にある日
突然おちてたという、巨大すぎるとぐろを巻いたうんこ。



直径も3尺以上あったようで、町のひとびとは余りの大きさに
「ばけものか、おにのくそだ」とか噂したそうですが、実のところは
いたずら者が大量のうんこを集めて来て、大きな筒に詰め、
ところてんのように突き出して制作したものだったのだソウナ。

▼本日の妖怪（8269）あせごのまん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山に住んでるよ。「あせごのまん」さんです。

阿波の国の阿瀬川（阿瀬河）にいたという
山の中に暮らす怪力の大男。

もともとは炭焼きの子供として生まれており、母親の歿後に
父親ひとりの手で育てられてましたが、
虫や蛇や蛙などを食べてたといいます。


やがて大きくなると、ものすごい怪力になって、
しばらくは父親を手伝って暮らしてましたが、あるとき
「動いてない人間を見ると食いとうなってしまうから……」と告げて、
山の奥に入ってしまったんだトカ。

その後も山の中でときどきすがたを見たとかなどのはなしや、
昔話のなかに組み込まれてるようなはなしがいくつか語られてたようです。

▼本日の妖怪（8268）そうれんび

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
並んでぴかぴか。「そうれんび」さんです。

夜、離れた場所に葬礼の列の灯りのように
並んだ怪火が見えることがあるというもの。


雨の降る日の夕方ごろに、ひとの行く手に出没したり、
傘に乗って来たりする怪火のこともこのように呼んだようです。

土佐の国などで言われてたといいます。

▼本日の妖怪（8267）おでこでゆでたまご

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ポンポンしちゃいかん。「おでこでゆでたまご」さんです。

ゆでたまごを食べるとき、おでこにコツンとたまごを当てて、
ひびを入れてから殻をむく――という手順をとると、
その日は良い点が取れない、合格及第しない、失敗をするヨというもの。


何か試験や人前でやる仕事がある前には
避けたほうが良いといった内容の俗信。

▼本日の妖怪（8266）かきのかけら

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おさいふに。「かきのかけら」さんです。



ぴかぴかした牡蠣（かき）の貝殻の欠片を
きれいに洗って、お財布に入れて置くと、
お金がよく溜まるようになったり、
欲しいものが手に入るようになるんだヨという俗信。

▼本日の妖怪（8265）てんび

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ぴかぴか直線飛行。「てんび」さんです。

夜空を一直線に飛んで行くという怪火。



丹波の桑田郡などでは、一直線に空を飛んで、木などにぶちあたると
割れて分裂しますが、またひとつに合わさって一直線に飛んで行く、
などとも語られてたようです。

▼本日の妖怪（8264）ふじさんのばけもの

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
めだまだらけ。「ふじさんのばけもの」さんです。

富士山に暮らしてたと考えられる
おおきな熊のようないきもの。
背中に2本の角があり、体中に眼がついてるとも。


宝永4年（1707）11月に富士山が噴火したときには、
山から逃げる生き物たちに混ざって、このすがたが目撃された
という風聞があったとするはなしも見られます。

天明年間、浅間山の噴火のあとに売り出された
『会談浅間が嶽』に載せられたはなしのなかに出て来るもの。
山の中にいた異獣であろうと考えられてます。
「あさまやまのばけもの」（浅間山の化生物）もおなじはなしに描写されてる似たもの。

▼本日の妖怪（8263）あさまやまのばけもの

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
まるいおめめ。「あさまやまのばけもの」さんです。

浅間山に暮らしてたと考えられる
おおきな鬼のようないきもの。足は1本しかないとも。



天明3年（1783）7月に浅間山が噴火したときには、
山から逃げる生き物たちに混ざって、このすがたが目撃された
という風聞があったとするはなしも見られます。

天明年間、浅間山の噴火のあとに売り出された
『会談浅間が嶽』に載せられたはなしのなかに出て来るもの。
山の中にいた異獣であろうと考えられてます。

▼本日の妖怪（8262）きつねのひかり

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
お盆にぴかぴか。「きつねのひかり」さんです。

狐（きつね）たちが夜にしっぽの先を
上のほうにあげて出すという光。


武蔵の国の足立郡などでは、お盆のころになるとこれがよく光る、
と発生時季についても語られてたようです。

▼本日の妖怪（8261）かぜばば

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ごほごほだんご。「かぜばば」さんです。

風邪（かぜ）を引いたとき、病状が良くなるようにまつられる存在。

武蔵の国の足立郡などでは、辻に御幣を立てたりお団子を供えたりして
これをまつり、風邪がよくなるように願ったといいます。

▼本日の妖怪（8260）しんこきょう

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
べとべとねちょり。「しんこきょう」さんです。



漢字で書くと「心胡膠」で
人間のたましいを欲心や快楽から離れないように
べとつかせてる胡膠（にかわ）のようなもの。

『観仏三昧海経』巻5には「此人罪報臨命終時 心如胡膠処処生著」などとあり、

山辺習学は「むねのねばり」などとも和訳してます。

▼本日の妖怪（8259）ちくこん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
人間のための従事。「ちくこん」さんです。



漢字で書くと「畜魂」で、「畜霊」とも。

人間などの役にたつために、いろいろに消費された
家畜たちの霊たち。



労役・食用・加工などに従事した家畜たちを
供養する際の典礼に用いられる呼び方。
「畜魂を慰む」とか「謹んで諸畜霊に感謝の至情を效す」とか用いられます。


事業に従事する組合などによる供養塔（畜魂碑・畜霊碑）が設けられてる例もあります。
「ぎょれい」（魚霊）も同様な慰霊のための存在。