▼本日の妖怪（7590）いざなぎいざなみのつかい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
くじらとる淡路の海の、「いざなぎいざなみのつかい」さんです。

鯨（くじら）たちのことで、
いざなぎ・いざなみの使者である神だとも。

『玉伝深秘巻』などでの歌学に関する古註のなかで、
『万葉集』の天智天皇太后の歌に対して説かれてる設定ですが、
どのような根拠があってなのかはハッキリしてません。

多くの場合「くぢら」という語が立てられてるようなので、
「いさな」（勇魚・鯨）との連想からでしかないのかどうなのかについては不鮮明。

▼本日の妖怪（7589）あまんじゃこ

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
すんぜんしゃくま、「あまんじゃこ」さんです。




人間にわるい事をもたらすおばけ。
仏法の修行者をさまたげたりもします。



「あまのじゃく」（天邪鬼）のこと。『四国八十八箇所道開』などでは
「寸善尺魔のあまんじゃこ」などの語がみられます。

▼本日の妖怪（7588）かたみづき

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
夫婦相見よ。「かたみづき」さんです。

お月見をするときに、夫婦ものが
それぞれ別の場所で月を見ることをこう言い、
わざわいを呼ぶことだと考えられ、
よくないことだとされてました。

上野の国などで語られてたというもの。
「かたみづき」（片見月）については、夫婦についてのものよりも
2回ある月見を片方しか見ないことを指していうことのほうが多いですが、
このような内容の「かたみづき」もあったということです。

▼本日の妖怪（7587）てんぐごもり

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
さわぎそよぐ天狗たち。「てんぐごもり」さんです。

二百十日（にひゃくとおか）の前後7日間に、
山にひとびとが入って火を焚いたり、酒食をささげることで、
山にいる「てんぐ」（天狗）さんたちのご機嫌をよくさせて、
風の害が田畑にやってこないように祈願したといいます。

伯耆の国の倉吉などでおこなわれてたもの。
二百十日などの前後には各地で風をまつる行事が行われて来ており、
この「天狗篭り」もその一ッ。

▼本日の妖怪（7586）だいば

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
しゃんしゃんしゃんアラーム。「だいば」さんです。

馬に危害を加えてくるといわれてるすがたの見えないもので、
馬が歩いてるときにこれと鳴き合いをしてしまうと、
馬はころりとしんでしまうといいます。

馬に鈴をつけておくのは、「だいば」の声が聴こえなくしたり、
注意を向けなくさせたりするためなのダ――と語られてたそうです。

磐城の国などで言われてたもの。馬を育ててる・馬を使ってるひとたちは
鈴のことを「なり」などと呼んでたといいます。

各地で言われてる馬を害してしまう存在についての言い伝えの一ッで、
「だいばがみ」（大馬神）や、「わたり」、「ぎば」（馬魔）などの仲間。

▼本日の妖怪（7585）のみのふね

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
西の海へさらばさらば。「のみのふね」さんです。

6月1日におこなわれる行事に用いられてたもので、
前の日に茎ごと採って来た「うまのすかんぽ」の実を
いくつも寝床のしたに敷いておいて、
朝にそれを掃き集めて川に流しました。

蚤（のみ）たちをこれに乗せて
川に流してしまうことで、蚤などの害虫が発生することを抑えると考えられてました。

陸前の国などでおこなわれてた「むけのついたち」の行事のなかに見られたもの。
「うまのすかんぽ」は「ぎしぎし」（羊蹄）のこと。

▼本日の妖怪（7584）ほおずき

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
まよけぼんぼん。「ほおずき」さんです。



ほおずきを、住んでる家族の人数分、家のなかに飾ってさげておくと、
疫病が近寄らずに重い病気にならないなどと語られてました。

▼本日の妖怪（7583）あかぼうず

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
枝の上にぽこぽこ。「あかぼうず」さんです。

楢（なら）の木に生じる赤くてまるっこいもので、
これがものすごくたくさん出て来るのは
豊作のきざしだと語られてたりもしました。

陸中の国の九戸郡などでいわれてたもので、
「あかぼうず」は枝に生じる虫瘤（むしこぶ）を呼んだもの。

▼本日の妖怪（7582）かりそめのさきわい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
魔物からのさずかりもの。「かりそめのさきわい」さんです。

邪神や妖怪・魔物たちが人間に与えるというもので、
その場かぎりの富やご利益・しあわせのこと。

幕末～維新のころの神道理論のなかでは、
わるいものたちがこれを人間に与えた結果、
それをあやまった使い方をせず世に恩恵するかどうかを見たり、
どのようにこれまでの自身らのおこないを悔悟したりするのかを、
神々は試したり期待したりしてるのダなどと説かれてたようです。

▼本日の妖怪（7581）うろつきもの

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
寄留の地を得ざる。「うろつきもの」さんです。

海の外から日本にやって来たよくわからない鬼神や妖怪・魔物のことで、
山や祠などに特定の棲みどころを持たずに、うろうろしてるものだとされます。

幕末～維新の時期の神道理論などにみられるもの。

▼本日の妖怪（7580）ようおん

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
みえたる積徳。「ようおん」さんです。



漢字で書くと「陽恩」で

あらわに行われた恩恵のこと。
これを発生させたものに対して人々や君主は、
キチンとそれに応じたよい動きを見せてくれるものダ
――というのが一般的に説かれてる福禍の説。

よいことをすればよいことが天地から報われるという考え方は
福善禍淫説などと称されて説かれてました。「いんけい」（陰恵）は対句。

▼本日の妖怪（7579）いんけい

ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
みえざる善根。「いんけい」さんです。



漢字で書くと「陰恵」で

ひとしれずに行われた恩恵のこと。天や地などはこれを発生させたものに対して、
キチンとそれに応じたよい動きを見せてくれるものダ
――というのが一般的に説かれてる福禍の説。

陰徳などとは同義語。よいことをすればよいことが天地から報われる
という考え方は福善禍淫説などと称されて説かれてました。