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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
浄土にゆくのをやめてまで、「たちばなのむし」さんです。

たちばなのむし 橘の虫


橘(たちばな)の木の実を喰い荒らしてしまう
白くて小さな虫たち。



病気で臥せってた老尼が、となりの僧侶の家にあった
大きな橘の木の実を分けて欲しいと願いましたが、
ことわられてしまったことから、「橘をはみつくす虫とならん」と
怒りのうちに亡くなりました。
老尼は死後に虫と変じてその僧侶の家の橘の実に大量に現われたため、
ついに僧侶は橘の木を伐り倒してしまったソウナ。



『発心集』(巻8)や『三国伝記』(巻3)に記されてるはなしにみられるもの。
特に地名は記載されてませんが、『三国伝記』のほうだと播磨の国のことだとされてます。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
海底より。「うみのそこのもうじゃ」さんです。

うみのそこのもうじゃ 海の底の亡者

おぼれて海の底に沈んでしまった死者の亡霊たちで、
貝などを採るために深い海にもぐって来たひとびとがこれを見たり、
これに足をつかまれて引っぱられたりすることがあるといいます。




越後の出雲崎などで語られてたもので、
海底が深く谷のようになってる場所は「まがりかね」などの呼ばれ方をしており、
もともと危険な場所だと言われてます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
とんぼに乗って。「おしょろいさま」さんです。

おしょろいさま お精霊様

越後の国などでいうもので、精霊(しょうろう)のこと。
お盆の時季になると、羽黒蜻蛉(おはぐろとんぼ)などに背負われて
やって来るといいます。



精霊(祖先の霊)が虫たちに乗ってるという考え方は各地にあるもので、
夏や盆の期間中の殺生を避ける言動のなかでもひろく用いられて来ました。


赤卒(あかとんぼ)を言う「せろんぼい」(精霊負)なども同様のもの。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
あの世へ行くときのごはん。「こにだ」さんです。

こにだ 小荷駄

死者の霊のために、とむらいの出棺前後に
墓などに供えるお米あるいは炊いたごはんのこと。


あの世に向かう道中でのおべんとう、
あるいは向かうときに乗る馬(精霊馬たち)に載せるもの(小荷駄)と考えられてたようです。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
おさけかみがみ。「くしのかみ」さんです。

くしのかみ 酒の司

お酒をつかさどってる存在。



『古事記』や『日本書紀』のなかでの酒についての御歌に出て来る名称。
歌のなかでは常世国の「すくなびこな」のことであるとされます。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
清めの浪花。「ナナサイヌハナ」さんです。

ナナサイヌハナ 七浪花

石垣島で言われてるもので、不浄を清めるとされる水。
サイは「浪」の意味で、「サイヌハナ」は潮水のこと。
とむらいの際に死者の顔をこれで拭いてあげたりしたといいます。



身体や家屋を清めるためにも用いられてて、これで清められると
悪魔たちは払われると考えられてたようです。
和漢百魅缶│2023.08.04
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ほーねんまんさく。「みろくどし」さんです。

みろくどし 弥勒年

豊作になるといわれてる年のことで、
暦のうえで1年間のうちに巳(み)の日が3回来る月が
6個ある年のことをこう呼んだりしたと言います。


巳・三が六ヶ月あるということからの
「み・ろく」の語呂合わせで「弥勒」となってるようです。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
ブラッディフィールド。「ししのち」さんです。

ししのち 宍の血

播磨の国の雲潤(うるみ)の里にいる「おおみずのかみ」は、
獣たちの血を利用してつくられる田んぼを持ってたらしい、というもの。




『播磨国風土記』に記されてるはなしに
「宍[しし]の血以て佃[たづく]る故に河の水を欲せず」などと出て来ており、
水の代わりに血を用いてるのだろうかと考えられますが、
用水開発に反対する太水神のことばのなかに出て来るだけなので、
太水神が実際にどのように血を利用する想定なのかについては不明瞭です。



稲作についての古い説話には、猪鹿の血肉と関連させるものがあることはあるので、
そことの関係は何かしらある描写のようでもあります。


8月の「和漢百魅缶」へのはじめのアップは、
天の世界の水がたまってた、「ぬまおのいけ」さんです。

ぬまおのいけ 沼尾池

むかし常陸の国の香島郡(鹿島郡)にあった池で、
神代のころに天から流れて来た水で出来たといい、
ここに生えた蓮(はす)の根はとても甘美で
食べると病が治る・不老不死になるなどと語られてたソウナ。




『常陸国風土記』や、そのはなしを受けた
『夫木集』などに記載が見られるもので、後者の段階では既に池は廃れて無くなってた様子。


きのうの「ひがしのうみのなみ」(東の海の波)と近しい
風土記な神代の世界からつづけてみました次第。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫生誕101周年記念月間、31日のおおづめは「ひがしのうみのなみ」さんです。

ひがしのうみのなみ 東の海の波

東の海にいた波で、神代のむかし常陸の国に
天照大御神(あまてらすおおみかみ)がおくだりになったときに
奏でた、たのしい曲を聴いて「はははははははははは」と咲いながら
よろこび寄って来たといいます。



波が咲いながら寄って来たことから、
天照大御神が琴を奏でた山は「付く波」(筑波)と呼ばれるようになり、
そのままそこへ居ついた波が「霞ヶ浦」になったのだソウナ。



山田野理夫『お笑い文庫 しくじった笑い神』の
「アマテラスオオミカミの琴」に書かれてるもの。
『詞林采葉抄』に書かれてる註釈などにみられる筑波の語源のはなし
――あるいはそれをモトにした「なみ」尽くしの小噺が
したじきになってると考えられます。




『詞林采葉抄』では、天照大御神は水波曲(すいはのきょく)を弾いたことになってますが、
野理夫は曲名については特に言及してません。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫生誕101周年記念月間。「ほうきがみ」さんです。

ほうきがみ 箒神

箒(ほうき)の精霊で、落ち葉のそうじをしてるひとの集めてる葉っぱが、
風に散らされないようにしてくれるトカ。


『妖怪魔神精霊の世界』で山田野理夫が「塗仏と古もの」の項目で
書いてる器物精霊の例の一ッ。
鳥山石燕の絵として紹介された「箒神」を下敷きにして、設定などがつくられたもの。


ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
山田野理夫生誕101周年記念月間。「のっぺらぼう」さんです。

のっぺらぼう

顔に目鼻口などの部品が見られず、
白くてのっぺりしてるダケの妖怪。



目の前においしそうな食物を差し出されるのに弱くて、
匂いをかいでしまうと、鼻・目・口の順に部品が出てしまうんだトカ。



『妖怪魔神精霊の世界』で山田野理夫が「ノッペラボウ」の項目で書いてるもの。
人間を化かしたりする妖怪たちのなかでは「下等なものである」――とあるほか、
「おはぐろべったり」は「のっぺらぼう」たちの上位を占める妖怪であるとも設定されてます。
プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
■ instagram
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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