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氷厘亭氷泉の活動やラクガキをいろいろお届けしているブログです。
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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
慢心の地。「よこしまのくに」さんです。

よこしまのくに 横四魔の国

慢心した修行者が引き込まれてしまうという、
魔物たちのつくりだす魔道。
引き込まれてしまった者は、正しい境地に立てなくなります。



修行者たちをいましめるための、たとえや道歌などに出て来るもの。
「横四魔」は「よこしま」(邪)の語呂から。





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ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
穀倉崩壊。「とうぞうおうはい」さんです。

とうぞうおうはい 冬蔵殃敗

漢字で書くと「冬蔵殃敗」で
季秋(秋のすえかた・9月)におこなわれるべきことがなされてないと、
冬にそなえてたくわえられてる米や麦が
にわかに全てくさってしまうと考えられてました。



『淮南子』時則訓にあり、秋令のおこない・おまつりが
時則にあってないと発生することが示されてます。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
れいゆうほうこう」さんです。

れいゆうほうこう 黎莠蓬蒿

漢字で書くと「黎莠蓬蒿」で
「黎莠」は「ねこじゃらし」などのような雑草たち、
「蓬蒿」は「よもぎ」などのこと。


大群の雑草たちで、孟春(春のはじまり・正月)におこなわれるべきことがなされてないと、
にょきにょきと生えて来て、米や麦を阻害して
収獲出来なくしてしまうと考えられてました。



『淮南子』時則訓には「黎莠蓬蒿並興」などとあり、
春令のおこない・おまつりが時則にあってないと
にょきにょき生えて来て、田畑が機能しなくしてしまうことが示されてます。



「莠」の字は悪いもの・害するもの
という意味合いが持たされてもいる字です。
ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
燃やさないごみ。「はたのひ」さんです。

はたのひ 機の火

織物に用いる機(はた)が壊れてしまったときに、
それを火で燃やすのはよくないことだと言われており、「火が早い」ので
大きな火災などにつながってよくないとされてました。



武蔵の国など各地で言われてたもので、
武蔵の国の多摩郡などでは「畑のなかに打ち棄てて腐らせるのがよい」とされてました。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
咳のまもり。「やままゆのいとのわ」さんです。

やままゆのいとのわ 山繭の糸の輪

山繭(やままゆ)から採った糸をからげて
輪のかたちにしたもので、小さい子供の首にこれをかけておくと、
風邪や百日咳からまもってくれると言われてました。



武蔵国の新座郡などで言われてたもの。
山繭から採る糸については各地で言い伝えが豊富に見られました。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
わるい起こり目。「やくめ」さんです。

やくめ 厄目

人間のもとに災厄をさしてくる、なにかしらかの動きのこと。
越中の国の砺波郡などでは「朝茶をのむと一日の厄目をのがれる」
といったような表現がみられました。



ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
とびのこめ――の発展付会のひとつ。「とびのこめ」さんです。

とびのこめ 鵄の米

白紙につつんだお米のことで、
楪(ゆずりは)を飾りに添えたりもします。
鏡餅と共にお供えしたり、家や田んぼの色々な場所、
竃・農機具・勝手道具たちにそれぞれ結びつけたりしてお祝いをします。


むかし神武天皇を案内したという金色のとび(鵄)にちなんで
これがつくられるようになったんだソウナ。



高千穂などで「とびのこめ」(賜の米)の由来として
「とび」という音の連想から金鵄をあらわしてるものだと語られてるもの。



若水をくむときに使う柄杓(ひしゃく)にもこれを結びつけ、
くみおわったあとは、囲炉裏の自在鈎に結びつけたりしたといいます。





ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
道具たちにもおめでとう。「とびのこめ」さんです。

とびのこめ 賜の米

白紙につつんだお米のことで、
楪(ゆずりは)を飾りに添えたりもします。
鏡餅と共にお供えしたり、家や田んぼの色々な場所、
竃・農機具・勝手道具たちに
それぞれ結びつけたりしてお祝いをします。



若水をくむときに使う
柄杓(ひしゃく)や桶(おけ)にもこれが結びつけられてました。



肥後・日向など各地で用いられてるもので、
「とび」ということばは贈ること「賜(とうぶ)」から来てるのだろうと解釈されてます。



正月の七草のとき、田植えのときに、
とびのこめのつつみをひらいて加えることも広く行われてました。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
鬼たちの魔封じ。「まとのにぎりめし」さんです。

まとのにぎりめし 的の握り飯

備中の国の都宇郡に伝わるもので、
むかし庄村のあたりを荒らしつづけてた「しょうのおに」(庄の鬼)たちが退治されたあと、
たたりを起こしたので、それを封じるために食べられてたというおにぎり。



鬼たちを退治た吉田家と坪井家に
不幸やわざわいが連発したので、うらなわせてみたところ
鬼のたたりだということがわかったので、
うらない師の助言に順って、毎年正月に
大きな「鬼」との字を書いた的(まと)をつくって弓で射る行事を行ない、
その的の紙でおにぎりを包んでそれぞれの家の者が持ち帰り、
みんなで食べたところ、たたりは鎮まったんだトカ。




ほんじつの「和漢百魅缶」へのアップは、
お酒でヤラレチャッタ。「しょうのおに」さんです。

しょうのおに 庄の鬼

備中の国の都宇郡に伝わるもので、
むかし庄村のあたりを荒らしつづけてたという「おに」たち。



吉田采女正兼政と、その家臣である坪井右京之進・坪井左馬助らが、
困ってるひとびとのために乗り出し、
酒で鬼たちを酔わせて動けなくさせ、退治をしたと語られます。




しかし、吉田家と坪井家には不幸やわざわいが連発。
うらなわせてみたところ鬼のたたりだというので、
毎年正月に大きな「鬼」との字を書いた的(まと)をつくって弓で射る行事を行ない、
たたりを封じるようになったソウナ。





特に固定した名前はない様子です。
この鬼たちのかしらぶんが、何とか水を飲んで正気を取り戻そうと
たどりついた水辺であったというので、
鬼河市(おにがわいち)という地名が出来たと語られてます。



上東村の地域には、城之内や吉田という吉田の城があったとされる地名や、
魔封じのためにはじめられた奉射のために吉田宮がまつられたことなどが
言い伝えられてました。




明けましておめでとうございます。

ほんじつより2024年も「和漢百魅缶」へのアップを
例年どおり、はじめさせていただきます。
それでは恒例の12体連続アップを舞い初め致しました
おのおのそれぞれのひとくちメモにてございます。





とざい、とーーーーーざーーーーーーーーーいーーーーーーーーーーーぃぃーーー。






りゅうおうのつかい(竜王の使い)
辰歳(たつどし)、ということでみなさんもいろいろと
竜に関する絵をあげてらっしゃるので
当然、和漢百魅缶でも竜に関係して来るところで
とりあえずは香盤の一番目を組んでおります。
『剣竜神』という、わりとあとのほうの時代になってから
つくられた謡曲に出て来るもので、大森彦七に
海に沈んでた悪七兵衛景清の剣を渡しに来たという竜のおじさんです。
『太平記』の大森彦七のはなしのなかには
魔物たちが足利幕府を滅ぼすために3本の剣(三毒の剣)をあつめてて
その最後の1本がこの景清の持ってた剣だという設定になってまして、
大森彦七が海に沈んでたその剣をどうやって手に入れたのかな?
――という部分箇所を膨らませてつくってるエピソードが、この曲のようです。

ちんころりん
「たんころりん」とか「ちゃんころりん」とかいいった音の響きやフレーズは
昔話の世界のなかにはいっぱい出て来るヨ――といったあたりは
『大佐用』でもしばしばとりあつかってるあたりで、これもそういうものの仲間。
おはなしとしては埋められてる金霊のはなしと桃太郎と花咲爺がフュージョンをキメた
みたいなもので、たぶん似たものはどんどん出て来る雰囲気はあります。

とみのしゃくし(富杓子)
とみくじに当たるために、近世のころのひとがやってた(らしい)
おまじないなカンジのもののひとつで、
当たりの発表(とみくじをやってるお寺で子供や高僧などが番号の書いてある札を
見えない状態で長い錐(きり)みたいなので突いて、それを発表します)の場に臨むときは
杓子を持って行くといい・当たる・当たる……!! といったもの。
特に関係ないですが、再放送で流れてる『大岡越前』とか『暴れん坊将軍』で
とみくじが発端でドタバタが起こる回は大抵、品川隆二さんがゲストの率が高すぎません?

あおにゅうどう(青入道)
お金や執念に関する妖怪の発生パターンが見られるもの。
古い時代の説話にあるような蛇とかではなく、
具体的に昔話に出て来そうなものや画像要素のほうが強そうな妖怪が
「近づく(埋めてある自分の金を奪いそうな)者をおどろかす存在」として出て来るのも
近世以後のかたちですね。

りゅうぐうのたい(竜宮鯛)
りゅうぐうのたこ(竜宮鮹)



これが干珠満珠持参おじさんたちの、モト彫刻のお写真。
具体的な「個々の作品」からのリデザインのパターンです。

にんじん(人参)
なにかがなにかにかわる――という変化(へんか)のパターンのひとつ。
星のひかりが散って地に落ちて来たものがなる、というかたちはキレイ。

ないかいせいじん(内階星人)
火星や土星など、おなじみの星から、こういう内階星だとかの星まで、
いろんな惑星にいるひとや文字の設定が出て来るのが『大千図説』の特徴のひとつで、
2018年ごろに影印版自体は入庫してて、ツイートなどもしてたので、




今回、あらためて和漢百魅缶にもキチンと導入しはじめました。

ぐんてのなかのあまがえる (軍手の中の雨蛙)
道路の脇とかに片一方だけ落ちてるじゃないですかー、といった話題に
くっつけてこういうはなしがありますぞといううわさばなしからの取材。
明らかに何も入ってないぐらいの薄さなところがポイントなんだソウナ。

ひい(肥遺)
『大佐用』の歳末の号でもいっぱい出した山海経などで書かれる
蛇さんのひとつ。絵柄としてはこちらもだいぶ辰歳な方向性ということで
香盤のなかに入っていただきましたネ。

おおいわのしたのいっすんぼうし(大岩の下の一寸法師)
塩吹き臼の出て来る昔話に出て来る、鬼でも山姥でもふしぎな怪物でもない、
一寸法師たちというパターンです。いのししのお肉をよっぽど食べたくて
何でも出て来る碾臼と交換してるわけですが、
いのししのお肉は碾臼から出ないんんでしょうかね……??
それとも塩売りじいさん(この昔話の主人公)が猟師さんから代金がわりに
もらって来たこのお肉いのししは、何か特別ないのししだったんでしょうかね……??
などと考え始めてしまっても面白いわけです。
去年の千穐楽の「たぬきのみこし」(狸神輿)とあわせると狸と一寸法師で
『豆狸のバケル』な組み合わせの対幅になるといったあたりはバレバレ。

りょろぎ(糧螻蟻)
去年の千穐楽で、主任は高井鴻山の名前も設定も何もない画像妖怪たちのリデザインを
やったので、こちらもそれに揃えて初春の12体の主任として据えさせていただきました。



これがリデザインのモトになってる鴻山の画像妖怪。
もちろん名前も何もないので一生懸命考案するわけですが
『論衡』のなかに出て来る倉卒喪乱の世についての描写の箇所に出て来る
「在水為魚鼈之食 在土為螻蟻之糧」という九相図な荒れ野の雰囲気ただよう字句から
文字をもらって「糧螻蟻」(りょうろうぎ)として、それを
「ちょろぎ」みたいにつづめて「りょろぎ」としました。

(なんかあたらしい呼び名考えたりするときはこんな雰囲気でも決めてます)




それではつつがなく本年も12体うちそろいました。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。








とざい、とーーーーーーーざーーいぃぃぃぃーーーーーーーーーーーーーーーー。






明けましておめでとうございます。
本年もかわらずよろしくお引き立てのほど、
お願い申し上げます。



本年はじめのいちまいを先ほど仕上げさせていただきましたので
例年のごとく出させていただきます。




■ すざくもんのおに(朱雀門の鬼)
びわがふちのりゅうじょ(琵琶ヶ渕の竜女)




朱雀門の鬼は、2024年の新春用に
ぜんぶ描き下ろし製作した『百鬼御用 妖怪かるた』のために
つくったキャラデザインです。そちらもあわせてよろしくどうぞ。





BOOTHでPDFデータをダウンロード販売中です。

プロフィール
■雅号
氷厘亭氷泉(こおりんてい ひょーせん)
■職業
イラストレーター
絵草紙&錦絵研究人
まんが描き
こっとんきゃんでい 主宰
山田の歴史を語る会 同人
新・妖怪党 党しゅ
■自己紹介
ちッちゃかわいいキャラや、ドット絵、ゲーム系のイラスト、妖怪、和物など多岐色々に描いたり、紙もの、立体もの、デザインものなどなどグッズを造ったりしております。

■ PIXIV
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2019年5月より、Tシャツトリニティでシャツを展開させてます。


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